天山湯治郷の貸座敷で“おひとりさまの雲隠れ“
おひとりさまの雲隠れ―――
このネーミングセンスがすべて。
本当に心の底からオススメしたい。
それが、天山湯治郷の貸座敷「離れ雲」。
年間に250日も天山湯治郷に通っていながら、
なかなかチャンスがなくて、入りそびれていた
貸座敷にようやく足を踏み入れた。
ある日の午後、しごとが立て込んで、天山に到着したのは15時過ぎ。
慌てて兼ねてから気になっていた貸座敷の受付へ。6室あるお部屋の中のひとつが空いているということで、券売機でおひとり様限定プランの「雲隠れ」券を購入。
18時までで貸座敷の営業はおしまいなので、実質3時間弱。
この貸座敷、料金設定は以下の通り。
◆2時間 3,900円
延長1時間につき1,000円
(3名まで利用してもこのお値段!)
◆おひとりさまの雲隠れ(一人用プラン)
4時間 3,000円
受付で担当の方が身長に合わせて浴衣を出してくれ、お部屋まで案内してくれる。
通された部屋にはこれと言って何もないが、
畳のお部屋に、小さな板の間、木のちゃぶ台、左官の壁。
目の前の須雲川のせせらぎがダイレクトに耳に届く。
しばらくすると、受付の方がお茶をもって来てくれたが、とてもおいしくて心がほぐれる。
いざ浴衣に着替えて、奥の湯へ。
この奥の湯、貸座敷を借りた方だけが入れるお風呂。
奥の湯へと続く道は、蛍の鑑賞会で一度訪れたことがあった場所。
そうか、蛍のいたあの場所の奥に「奥の湯」があるのかと期待が膨らむ。
奥の湯へ出てみると、目を引くのが、湯船の目の前に
デーーーーーーンと腰を据える、しめ縄の張られた巨石。
苔むしたり、草木もどこからともなく生えていて、
存在感に手を合わせたくなる。
脱衣場は感応式の照明。
トイレも天山の他の箇所と同じでキレイに整えられている。
洗い場はなく、かけ湯をして湯船へ。
小さくて若干温度の高い湯舟と広めで少し温度の低い二つの湯船。
すぐ脇を小川が流れていて、水の音が心地いい。
源泉は天山と同じだと思うので、天山に入り慣れている方なら大きな感動はないかもしれないけど、いつもの大好きなお湯を全く違う状況で味わえる特別感は感慨深い。
巨石の周りには、竹やぶと広葉樹の森。
こぶのついた大きな木も巨石に寄り添うように立っている。
虫が若干多いので、虫の苦手な人にはウィークポイントかもしれない。ただ、私も相当な虫苦手人間ながら40分くらいは浸かっていられたので、それほど問題ないかも。
他のお客さんもいなかったので、どうしても巨石が気になり、ここのところ気になっていたことを巨石にお伺いを立ててみたりした。
自分では思いもつかない答えが返ってきた気がして、驚く。
部屋に戻ると、心地良い眠気が・・・笑
せせらぎの音を聞きながら、
ウトウトするのも贅沢。
ぼんやりと考え事をしたり、
忙しい毎日の中で、「時間ができたら考えよう」と後回しにしていたことに思いを巡らしたり。
とても充実した時間の使い方でもある。
そして、この貸座敷「離れ雲」を利用すると、
お隣にある湯屋「一休」に往復できる
「はしごゆふだ」をいただける。
貸座敷で受け取るのは引換券なので、そのまま一休に行っても使用不可。
天山のフロントで引換券を「はしごゆふだ」に交換してもらうことで利用できるのでここは注意かなと。
初貸座敷の感想としては
「なにを躊躇していたんだろう、もっと早く利用すればよかった・・・」
です笑
月イチくらいで通っていきたい。
走り書きのような文章になってしまいましたが、
どなたかの参考になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
天山湯治郷、やっぱりいいところだなあ。