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企業ブランド向上の重要性!社会的意義を考えろ!!

本記事の制作

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こんにちは!
本日は企業のブランド力向上の重要性。その中でもBtoB企業に着目し、記述させていただきます。
本記事は「広報会議 2021年12月号」を参考に記述いたします。

1.企業ブランディングのトレンド

ブランディングサービスを提供しているインターブランドジャパン社は毎年「Best Japan Brands」という日本企業のブランド価値ランキング上位100社を紹介しています。

同社がランクインした企業58社の担当者にインタビューしたところ、およそ9割の担当者が

「企業ブランドの経営的意義がますます強化され、その役割が重要となってきている」

と答えています。
その背景にはいくつかの要因が考えられます。1つは「グローバル化」のために必要に迫られている点。さらに今日のウイルスによる不安定な情勢に伴い、顧客(取引先)側・企業側ともにより企業ブランドがもつ役割が増してきているようです。
顧客(取引先)側からみると、モノ・サービスだけでなく企業の志やSDGs・ESG等の社会的に意義のある活動をしているかが、ブランド選択時の理由の1つになってきています。そのため企業ブランドは企業のパーパスやフィロソフィーを伝える役割として重要度が増してきています。
また企業側にとっては企業自身が立ち返る場所、従業員の求心力を高める手段として企業ブランドの重要度が増しています。
インタビューを受けた企業が重要視している項目は以下のようにまとめられています。


リーディングブランドが重視する、ブランド成長のための7つのTIPS
①ブランドは『重要な経営資源』/『企業価値の一部』
②ますます重視されてきている、コーポレートブランドの役割
③パーパスに基づく一連のブランディング活動の展開
④お客さまの意識変化を的確に捉え、経営に活かしていく「カスタマー・セントリック」
⑤社会に対して、より意味のある存在へ
⑥絶えずブランドを変化・進化させ続けていく。「意志ある変革」が勝敗を分ける
⑦上記をより効果的に実行し、成果を生むための「社内エンゲージメント」の大切さ

パーパスについては本記事の参考資料を出版している宣伝会議より出版されてる「宣伝会議 2021年12月号」にて特集されています。ぜひ、参考として見てみてください。売り方が上手いな、、、

日本企業のブランド価値ランキング ランクイン企業58社インタビュー

2.BtoBブランドにとっての企業ブランド

前述の通りトレンドとして企業ブランドの重要性が高まってきていますが、BtoB企業にとって、企業ブランドの強化は経営的意義は元から大きいものでした。その理由をBtoCビジネスとの違いという観点から見ていきます。
BtoB、BtoCともに「購入決定権者」となる人物がいます。BtoCビジネスではサービスを利用したい、モノを買いたいという「意思決定権者」と同一であることが多いです。
対して、BtoBビジネスでは直接サービスを享受する担当者だけでなく、調達・購買部門、経営層など決裁者も意思決定に関与することが往々にしてあります。つまりBtoBビジネスのほうが「購入決定権者」が複層的かつ多岐にわたると考えられます。そのため製品やサービスの機能・性能だけでなく、企業の活動からなる「評判」が複数の購入決定権者の信頼に結び付くと言えます。
東京証券取引所も2022年より市場区分を再編致します。新たに定められた審査項目にESGなど企業の環境・社会的活動もあるように、投資の世界においてもガバナンス要素も重要になってきています。企業ブランドを高め、いい評判を得ることがより大事になってきたと言えます。

3.ブランド価値を高めるプロセス

企業のブランド価値を高めるプロセスは、各企業の経営状況や課題に応じて異なります。しかし、便宜上大きく4つの主要プロセスに分類し、成功のポイントを基準させていただきます。

1⃣ 企業ブランドの中核概念を定める(Be it)
まずはブランドならではのプロミスを定義します。単に言葉を作るだけでなく、その後の事業活動の指針にもなるため、各事業にとっても有益なものを定義しなくてはいけません。本記事に何回か記述しておりますが、世の中にどう役立てるか(SDGsやESG、サステナビリティなど)の視点も含めていかなくてはなりません。
※昨今のBtoB企業からインターブランドジャパン社への経営ビジョン策定お手伝いの依頼ではサステナビリティを含めたものでというものが多くなっているようです。

2⃣企業の中核概念を実行に移す(Do it)
中核概念で定めた企業ブランドの考え方を事業実態としてつくり上げていく目的としたステップで、事業活動そのものにあたります。
大事になってくるのは定めた企業ブランドを社員一人ひとりが自発的に判断、行動できるほどに浸透させていくことです。企業ブランディングは事業活動そのものであるため、全社員がブランド構築の担い手であり主役にあたるからです。
しかし、中核概念の策定時に携わっていない多くの方や部署によってはブランドは遠く、自身には関係ないものという認識のケースが多くあります。
そこで大事になってくるのが「社内広報」と「社内エンゲージメント活動」です。社員にとって、企業ブランドを高めることがいかに自身の業務推進上メリットがあるか、どうすれば実現できるか。
より理解を深め、行動につながるような社内広報が求められます。

3⃣中核概念を人々の体験と実感によって広める(Say it)
顧客(取引先)が体験を通じて、企業ブランドを実感し広めていくことを目的としたフェーズです。
本フェーズではBtoB企業ならではのアプローチが求められます。BtoB企業とBtoC企業のアプローチの違いの1つに企業ブランドを体験するタッチポイントの違いがあります。
BtoB企業のコミュニケーションはBtoC企業のコミュニケーションよりもその専門領域、ターゲットにより多岐にわたります。考えられるタッチポイントもwebサイトを始め、専門誌や展示会・イベント、各種マーケティング活動等多くあります。ターゲットとその専門領域に応じた手法をしっかりと見極め、選別することが大事になってきます。

4⃣インサイトを得ながら評価を行い、PDCAを回していく(Know it)
最後は一連の活動を、ターゲットからのインサイトを得ながら効果を把握し、必要に応じて修正していくというPDCAサイクルはブランディングプロセスには欠かせません。
最後に1️⃣〜4️⃣のまとめを引用させていただきます。

まとめると、BtoB企業にとって、ブランディングに取り組む経営的な意義は大きく、その成功の可否は、この不確実な時代において、持続的な成長を遂げられるか否かの分岐点になるともいえよう。
各々の企業ならではの「核となる考え方」を明確に定め、社内に腹落ちするまで理解浸透・自分ごと化を図り、社外に対して実態を通じて具現化していっていただいたい。

4.実例

簡単にですが、いくつかBtoB企業の企業ブランディングを紹介させていただきます。

清水建設 ヒトワザ!

現在、清水建設様がかかわっている「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の建設現場の様子を記事や動画で紹介するオウンドメディアです。
同社は2020年に中期デジタル戦略2020「shimz デジタルゼネコン」を策定。その推進のため、戦略の要素をコンセプト化し、2021年7月に発表しています。

道筋は「ものづくりを支えるデジタル」「ものづくりをデジタルで」「デジタルな空間・サービスを提供」の3つです。そのうちの「ものづくりをデジタルで」の一環として、デジタル化が進む建設現場の様子をPRするヒトワザが生まれました。

J-POWER アニメCMと漫画で「従業員」を描く

J-POWERグループの従業員8人の各々の仕事の様子を描いたCMです。その狙いを同社の広報部広報室の浅見氏は以下のように語っています。

エネルギーの安定供給を通じ、生活者の日常を守ること。そして、気候変動対応やサステナブルな社会実現に向け、本気で取り組む、という企業姿勢を示し、グループ全体の認知度向上を図ることでした。

企業名だけでなく、自社へのポジティブな共感わ喚起するものとしてこのCMの構想が練られました。
また、ウェブ上では8人のキャラクターそれぞれの漫画が順番に読める仕様になっています。
※現在は2話公開中
公開順にも意図があり、既存の発電・送電事業に取り組む社員から国内外で事業拡大に取り組む社員と続き、最後の水素エネルギーの技術開発に取り組む社員へという流れです。くらしと日常を守る仕事から未来の社会に向けた姿までという、同社グループが取り組む幅広い事業を前向きなイメージで伝わるように公開順を意識したとのことです。
同社は「J-POWER "BLUE MISSION 2050"」というものを発表しています。2050年までに発電事業からの二酸化炭素排出量0を目指し、再生可能エネルギー拡大や水素エネルギーの活用などのロードマップを示したものです。本発表について浅見氏は以下のように語っています。

グループとして脱炭素に向けて取り組んでいく、その全社的な戦略になっているので、今後も本ミッションに基づき広報活動を行っていく予定です。

社会が目指している方向と同じベクトルを向いていること、具体的には自社の商品・サービスに社会的意義があることを伝えることでより生活者に共感・応援してもらえると思います。

社会的意義を意識し、ブランディングを行なっている意図が伝わります。

5.最後に

BtoB企業を中心に、企業ブランド向上の重要性について記述させていただきました。改めて本記事は以下を参考にしています。

私自身が印象に残っているBtoB企業のブランディングでは大成建設様かもしれません。みなさまも聞いたことあるのではないでしょうか。
「ごめん。同級会へはいけません。いまシンガポールにいます。」

すごく印象に残るCMですよね!私自身関わりがほぼない業界ですが、とても親しみを感じています。監督は新海誠氏のようですね。これも成功例に当たるのではないでしょうか。
前述しました、東京証券取引所の市場区分再編などの影響により、サステナブルを含めた企業ブランディングが重要になってきています。
これを機に見直すきっかけにしていただけたら幸いです。
拝見いただきありがとうございました!!

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