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人をだめにするソファーは本当にだめになるのか。

結婚してから初めて買ったソファーはヨギボーだった。
転勤族ということもあって、あまり大きな家具は増やしたくないからだ。
大型家具といえばあとはダイニングテーブルくらい。

あんなにCMもしているし話題にもなっていたのに夫はヨギボーを知らなかった。

え、そんな人いる?

IKEAやニトリでいろんなソファーをみたけど、ピンと来なかったので一か八か提案して1度座りに行くことになった。夫は半信半疑と言わんばかりの眼差しを向けてきたが、気づかないふりをした。

お店には色とりどりの様々な形をしたヨギボーが所狭しと並べられていた。
見た目はうーん。のぺーっとしていて淡い色が少ないからどうだろうねなんて話していた。
私たちはインテリアに多少こだわりがあって、各々の妥協点を見つけながら決めていたのでものすごく根気がいるし慎重になっていた。
色は置いといて、物は試しと2人でヨギボーに座ると包み込まれるような感覚の虜になって、即購入を決めた。頭で考えるより感覚に従った方がいい時もある。
ただ、ここで問題になるのが色。
カラフルなのはさすがに合わないのでグレーをチョイスした。

これが本当にいい買い物で、新居でソファに座りながらテレビを見る習慣が自然とついた。
時には寝転んだり、背もたれを移動してゲームをしたりした。
夫は仕事終わり、ご飯を食べてからヨギボーに移動して寝るというルーティーンまで身についていた。元々その気はあったけど、格段に回数が増えてスピードも仕上がっていた。

気づいた時はダメにされていた。
いや、だめになりにいっていた。


もはや潔い。
泥のように重さのある感じじゃなく、春の朝の風のように爽やかなだめ加減。
寝心地も抜群で掛け布団さえあれば朝までいける。夫は一体何泊しただろう、、、しかも連泊で。途中から掛け布団かけるのもアホらしくなるくらいに、振り返ればそこにいた。
一石何鳥にでもなる神ソファだった。

ほどなくして私が妊婦になり、カーペットの上に座るよりヨギボーに座る機会が増えたのはいいのだが、立ち上がるときにうんと力が必要になるのが大変だけど転がるようにして離脱する技を覚えた。人間どこからでも学ぶし対応できるんだなー。

そんなヨギボーも我が家に来て約3年。
いくらカバーを洗濯して少し縮小してハリがでてるように見えてもすぐに生地が元通り伸びてぐでーんとなってしまった。
人間と同じでやはり劣化と言うかだんだんぷりんっとした弾力がなくなるのである。
大きさと色も相まって、打ち上げられたトドのように見える。
座り心地も思ったより沈むのでほぼ床かな?と言う時もある。
お尻の修行はそろそろ卒業して労わってあげたい。
これはいかん。
昔のハリ感を取り戻してあげなきゃ。

調べると追いビーズなるものがあるらしい。
2人がかりでやっとできるくらいの難易度みたい。
ヨギボーを若返らせよう大作戦決行の日も近い。

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