長唄の聖地をゆく①筑波山
能登半島地震の被害にあわれた皆様のご無事を深く、お祈りしております。
♪筑波根の姿涼しき、夏ごろも♪ 長唄『岸の柳』の歌詞である。
冬の首都高湾岸線を常磐道へ、荒川沿いに車を走らせると、助手席の窓には富士山が見える。スカイツリーの左側に見えていたはずの富士山は、車が進むにつれて網目状のフォルムの向こうに隠れ、四つ木あたりで右側へ位置を変える。その時、運転席側の窓に視線を移すと、東の地平線に見える双子の嶺が筑波山である。
東に筑波、西に富士。
筑波山は富士山のように、江戸の中心から、眺めることが出来たらしい。標高千メートルに満たない筑波山を百名山に選んだのは、その歴史故と深田久弥は言う。山岳信仰の神社のあるこの山は茨城県の観光地だが「弁慶の七戸転び」はじめ、巨石の急勾配が続き、登るのは楽ではない。
山頂から、関東平野越しの富士山や新宿のビル群、スカイツリーを確認。江戸の街から、筑波山を眺めることができたのは嘘ではない。だけれど、冒頭の唄の歌詞にあるような涼しげな新緑の山はどのくらい近づけば、それとわかるのだろう? 遠くの山は青く見える。ケロヨンの緑色ではない。ちなみに筑波山の名物、ガマガエルの置物は茶色かった。
#わたしの旅行記
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