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詩みたいな

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詩みたいな
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記事一覧

かたく

みなみなが
もつことがたく
つよさよな
せめてとどまる
かたくなさかな

いち

ひところを
ぐるぐるまわる
あゆみでも
ひとつふたつと
かさなるここち

わするる

けずれていくことか
まいぼつしていくことか

ながれていくのか
きえていくのか
なくなるのか

わすれるように
おぼえていくように
おとに
いろに
かおりに
しみこむように
やきつくように

そっとおかれている

ないかたち

ふる ながれる とどまる
かける そそぐ こぼれる
つめたい あつい あたたかい

あなたのかたち
ぼくのかたち

みながおなじ
みながちがう

つよくもある
よわくもある
きびしさもある
やさしくもある

すけてみえるかたち
すんでみえるかたち

かたちのないあなた
ないかたちのぼく

まわる

まなこ とざせば
まわる またたき

まわる ちりばな
けぶる はるのひ

まわる たいよう
もとめる ひまわり

まわる こがらし
かほる きんもくせい

まわり ふりゆく
つめたい けっしょう

ながれながるる
じせつはまわる

まわりはまわる
おのれはとまる

とまるおもいは
まわるのか

かける

失せもの探し駆けていく

懸けた思いを先に

時に架けた想い出

ゆるゆる欠けていく記憶

ひろさ

世の中の広さを知ったら自分はまるで木の葉のようにかぼそい物のように頼りなく、どうやって自信を身にまとえばよいのか。

あわせる

「普通」と言われる世の中に自分を合わせる。
合わないのなら自分の世界を作り出して引きこもり。
それぞれの世界の着地点は見つかるのかな。

くばる

心を配ると書いて「心配」

たくさん配ったら自分の心は無くなっちゃうのかな?

補充されないと空になってむなしくなるのかな。

しずむ

しずむ しずむ 上も下もわからない 前後も横もわからない

息をしたいのにどこに進めばよいのか
ぷかりぷかり漂う

上も下もわからない 前後も横もわからない
ふわりふわり漂う

上は自由に飛べるのか 下は地を踏みしめるのか

ふわふわぷかぷか
上も下もわからない 前後も横もわからない

ふわふわぷかぷか

ためん

人はいろんな面を持ち合わせる

家族といるときの自分
友達といるときの自分
仕事のときの自分
好きな人といるときの自分
独りのときの自分

それぞれが表の顔で それぞれが裏の顔で
それぞれがほんとうで それぞれがにせもので

ほうこう

すすむ すすむ てくてく てくてく たまに小走りとっとっと
疲れて立ち止まり方向を確かめる
こっちかな そっちかな ゆるゆると見定める

見渡せば進む方向は360度 今きた道も後ろではない
飛べるなら上もある 潜れるなら下もある
どこに向かうにも自由なのよ

すすむ すすむ ゆるゆると

かけら

残ってしまったぼくは
いなくなったきみのかけらを
きみのいた街でさがすよ

あの通り あの公園 あの丘 あの湖
あの日の陽の光 あの日の月灯かり
あの日の風 あの日の薫り

カメラを持って フィルムですくって
少しずつ集めていくよ

いつかまた会う日まで

にくしみ

醜くて強い感情
こんなものをどうしてもってしまうのだろう

どうでもいい人にはそんな感情は湧かない
好きな人、愛した人、信頼してる人
その思いが溢れ流れずにいると生まれてしまうのか

根っこは同じ思い
なのに反対の思い
ずっとずっと残る思い

どうでもいい人には思わない感情
それはその人を その人への思いを
忘れないために生まれ変わった
強くて哀しい思い