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著名な建築物へのオマージュ

これは意図的にそうした部分と結果的に「そういうニュアンスを感じる」という個人的なイメージとあるのですが、我が家には何箇所かそういう著名な建築家の作品へのオマージュみたいな部分があります。

ユハ・レイヴィスカの教会

フィンランド出身の建築家ユハ・レイヴィスカ。有名な作品は彼の設計した教会群です。

「ユハ・レイヴィスカ 教会」でGoogle画像検索

彼の設計した様々な教会で共通しているのが、その印象的なペンダントライトと光の使い方。高い天井に長く吊り下げたペンダントライトをこれでもかというほど沢山使っています。
教会建築というと、高い位置にはめられたステンドグラスから光が降り注ぐような建築が多いイメージですが、まさにこの教会群は光の粒が降り注いでくる瞬間を切り取ったような印象。そしてトップライトやスリット窓を使った設計によって光の美しさや時間の移ろいなどを強調させるような設計です。

我が家はこのユハ・レイヴィスカの教会建築を参照して、日本の住宅に向けてダウンサイズした試みとして2階のペンダントライトを使っています。
同じサイズのペンダントライトによる多灯照明と長さの長短による動きを付けています。

2階リビングの多灯照明

私自身はユハ・レイヴィスカの教会群をこの設計の時に初めて建築士Kさんから聞きました。その時は雑誌を見せていただき「こんな感じにしてみたい」ということで提案を頂いたのですが、正直その時はそこまで具体的なイメージがあまりできておりませんでした。ふむふむ、良いですね。というぐらい。

が、実際に我が家が出来上がって、その素晴らしい質感と共に「ユハ・レイヴィスカ、凄すぎんか……?」と実感しております。
フィンランド。いつか行ってみたい場所にランクインです。(ちなみに他でランクインしているのはチェコのプラハとトルコ)

軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂

軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂 オフィシャルサイトより

名前の通り、軽井沢の森の中にある教会。アメリカの建築家ケンドリック・ケロッグによる作品で、石とガラスで半円の多層構造のような形の独創的な建築物です。建築が自然の一部となることを提唱する「オーガニック建築」というとして1988年に建てられたそうです。中には内村鑑三の記念館にもなっています。

教会なのでブライダルスペースとしても有名で、実は我々夫婦はここで挙式いたしました。そんな思い出深い場所でもあります。

そんな話は一切していなかったのですが、建築士Kさんから2275mmの壁を等間隔に並べてスリット窓を沢山作り、そこからやんわりと入ってくる光を中心に組み立てる家が提案されました。
図面を見た瞬間「これ石の教会みたいだ!」とすぐにピンと来ました。建築士Kさんはそういう意図ではなかったようですが、我々のその受け止め方がよりこの案への推進力になっていったという話を後から伺いました。

スリット窓から入ってくる自然光。高い所から降り注ぐ時間帯もある。

今もこのスリット窓から入ってくる多層の光は我が家の大好きなポイントの一つです。

ユハ・レイヴィスカしかり、石の教会しかり、特別そういう要望は無かったものの教会建築みたいなニュアンスが我が家全体にあるのかもしれません。

ジェームズ・タレル

アメリカの現代美術家、ジェームズ・タレル。日本では金沢の21世紀美術館の「Blue Planet Sky」(通称、タレルの部屋)が有名でしょうか。その他に直島の地中美術館の「オープン・スカイ」、越後妻有にある「光の館」などもありますね。

《ブルー・プラネット・スカイ》は、通り過ぎていく光をとらえ、人間の知覚体験(見ること、感じること)に働きかける作品。空間に入ると、正方形の天井の中央部分にある正方形に切り取られた空へと視線が自然と向かいます。ここでは、四季を通じて朝から夜まで絶え間なく変化する光を体感することが促されます。しばらくこの空間に身を置いてみると、普段は気づかない感覚にみまわれるでしょう。「どのように光を感じるか」というタレルの問いかけは、私たち自身が普段は気づいていない知覚を呼び覚まそうとするのです。

金沢21世紀美術館「ブルー・プラネット・スカイ」作品解説より

天井が四角くくり抜かれていて、空が額縁で四角く切り取られた絵画のように見えます。その瞬間瞬間で見える景色が違う、そして光の入り具合で自分たちがいる場所の空気も変わる独特な場所でした。(自分は21世紀美術館と地中美術館には行ったことがあります)

我が家はテラスが約2m四方の正方形で4方が割りと高い壁や窓に囲われております。一部スリットで抜けている箇所があるので完全に囲われているわけではありませんが、そのスリットのお陰で風が通り気持ちのいい空間になっています。

またここは正方形に囲われているので上を見上げると四角く空が切り取られて見えます。我が家は3方を他のお宅が隣接していて、唯一開けている南側も特別な借景になる場所ではなかった+自宅部分は外にあまり開きたくないという条件だったため、「それなら空を借景しちゃおう」ということに(結果的に)なりました。
テラスで寝そべるとかなりジェームズ・タレルの作品近い感じに見えるのと、この四角く切り取られた空はお店からも眺められるようになっており、この空が見える席はやっぱり一番人気です。

テラスに寝そべると見える四角い空。タイミングが良いと月がフレームインする
お店から見える四角い空

自分が良いなと思う建築だったり思い出のある建築の空気を少しずつでも取り入れられた家であることを最近になって改めて感じる出来事が最近ありました。そして益々良い家だなぁと思いながら、今日も過ごします。

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