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TENTOは無料でPC貸し出しをおこなっていると聞きました。どうしてそんなことが可能なのですか。

たくさんのTENTOマシン

正直に実状をお話しすれば、TENTOは以前、首都圏に十数カ所、リアルの教室を開いており、手元に貸し出せるマシンが複数あったからです。

コロナ禍によって、リアルの教室を運営するのはリスクが大きくなり、オンライン講義(リモート授業)に主軸をうつすことになりました。

Zoomのようなツールを利用することも可能だったのですが、学習を成立させるには困難なところもあり、オンラインのプログラミング学習ツールnoizを独自開発しました。現在はこれを中心に運営しています。

リアルの教室にはたくさんのTENTOマシンがありました。教室をたたんでしまったわけですから、これらは不要になります。
中古屋にまとめてたたき売ってしまうことも可能だったのですが、そんなことをするよりも、これを有意義に活用したいと考えました。それが貸し出し用のパソコンがある大きな理由です。

自分専用のマシンがあるべきだ

子どもが自由にあつかえるマシンがあるべきだ。TENTOはそう考えています。

家庭では、家族共用でパソコンを使っていることが多いようです。家族みんなで使うものですから、かならず制限が設けられます。具体的には、勝手にソフトをインストールするなとか、勝手にアカウントつくるなとか、ルールが定められることが多いようです。みんなで使っているなら当然のことでしょう。

しかし、プログラミングなど、パソコンで何かを学ぶというとき、これは望ましい状態ではありません。

TENTOの方針として、従来型の教師対生徒の学習環境(ex.学校)ではなく、生徒が自由に発想をめぐらせ、自分のつくりたいものをつくり、TENTOはそのお手伝いをする、というスタンスをとっています。ひとことでいうならば自主性をはぐぐみたいと考えているのです。そのためには、自分が自由に扱える環境が必要です。
たとえば、なにかを学ぶ過程では、かならずなにかツールを入れたいと感じる瞬間があります。これは共用のマシンでは困難になります。言葉を変えるならば、自主性を摘み取ることにつながってしまうのです。

PC無料貸し出しをおこなっているのは、「自分専用のマシンを持ってほしい」という願いがあるからです。

ハードウェアの知識を身につける

自分専用のマシンがあることには、大きなメリットがあります。

パソコンに関してある程度の知識があるならば、なにか不具合があったとき、その要因を類推することも、どんな対処をすればよいかも知ることができます。「これは再起動すればなおるんだ」とか、「メモリが不十分だからできないんだ」というような知識は、自分が自由にあつかえる環境だからこそ生まれます。共用ではそのような知識は育ちにくいでしょう。責任の所在があいまいになってしまい、「動かなくなっちゃったけどいいや」と思ってしまいがちです。
また、「自分のもの」という意識がなければ、自分の目の前にあるその機械はどんなものなのか、知りたいという気持ちも起きにくくなります。

商用開発の現場では、この知識は必須のものです。自分の環境では動くがそうじゃない人もたくさんいる。みんなが使うためにはどうしたらいいか、というような発想は、ハードウェアの知識がなければ生まれません。

また、その知識は、TENTOが貸与したものではなく、真に「自分専用のマシン」を入手する際にもいかされるでしょう。
パソコンはさまざまな種類が販売されていますから、自分に適したものがどのようなものなのか、具体的な知識がなければわかりません。単に「パソコンを買いたい」では、選択が困難になってしまいます。
むろん、TENTOの講師陣は有用なアドバイスを与えることもできます。

インターネットのリスク

自分専用のパソコンをもち、インターネットに接続すれば、リスクが発生します。それを心配なさっている親御さんも多いと思います。
できれば、それが家庭内で会話を醸成するよすがになってくれればと思っています。「こういうことに気をつけよう」「こういうことはしないようにしよう」と家庭内でルールを定めることが、親子の対話をつくることにつながるでしょう。

たんに歩道を歩いていただけなのに、歩道に自動車がつっこんできて大けがを負ったというようなニュースはよく耳にします。ただ外を歩くだけでもリスクはあるのです。だからといって道を歩くことを禁じることはできません。
むしろ、正しい知識を得るためにも、自由に使えるマシンを持っていてほしい、というのがTENTOの願いです。

                (TENTO代表 竹林暁)

(パソコン無料貸し出しはまんがのネタにもなってます)


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