見出し画像

TENTOマスター、星あきこ先生

お母さんの立場から

星先生は、これまで紹介してきた先生たちとは経歴も仕事内容もすこしちがっています。TENTOとのかかわりは、まずお母さん、すなわちお客さんの立場からはじまっているのです。言葉をかえれば顧客としても被雇用者としてもTENTOに接しているわけで、とても貴重な意見を聞くことができました。

TENTOにかかわる前は何をしていましたか。

「専業主婦でした。結婚前は働いていましたが、子どもを産んでからは短期で少し働いたくらいで連続したものはやっていません。お恥ずかしい話で」

お母さんはとてもハードな、尊敬すべき仕事だと思っています。

「ありがとうございます。……ちょうど、子どもが小学校に入るぐらいのころに、子ども向けのプログラミングスクールが世に出はじめたんです。大手も手がけはじめました。子どものときにそういうことを習うのはいいと考えていたので、ネットで調べたんです。そのとき、たまたまTENTOが隣駅で教室を開いているのを知りました。こんな近くにあるんだ!と思って、体験授業に参加した、というのが最初です」

はじめにお客としてごらんになったということですね。

「はい。いい印象を持ちました。アットホームで、とってもいい雰囲気だと感じました。ただ、そのときは入会しなかったんですよ。私は以前、システム会社で働いていて、VBAとかいじっていたことがあったんです。なので、そのときは小さいうちはまだ自分でも教えられるかな、と思っちゃって(笑)、もう少し大きくなってからお願いしてみようかなと思いました。実際TENTOでは、ただ教えるだけでなく興味を持つように促しているところもあるので、そう簡単ではありませんでした」

TENTOの先生になる

「それとは別の機会に、TENTOの求人があって、先生のアシスタントとして参加することになりました。」

講師を担当されてどうでしたか。

「こういうやり方もあるのか、と思いました」

どういうことでしょうか。

「学校などでは、一斉授業……先生が前に立っていて、テキストがあって、得意な子もそうでない子も同じように授業が進んでいくスタイルをとっています。プログラミング教室にかぎらず、習い事はたいてい、そういうかたちでやっています。いくつか体験授業を受けてみたかぎりでは、TENTOみたいなところはありませんでした」

「TENTOのやりかたは、子どもの自主性を大事にしているといえばいいのでしょうか、それぞれの子が自分の学びに基づいて、自分の得意なこと好きなことをやって、それを先生がサポートする形になっています。授業が一方通行ではなくて、双方向なんです。やらされてる感がありませんから、子どもたちもすごくのびのびしています。私も教育は自分が苦手なことをやるよりも、興味あることを追求するほうがいいなと思っているので、このやりかたはとてもいいと思いました。……ただ、母親としては葛藤もありました」

葛藤?

「やはり学校の方法にしたがうべきなのかな、好きなこと得意なことばっかりやらせてちゃダメなのかなとも思うときもありました。たとえばマイクラとか、TENTOで働いているから、いいところもすごくよくわかるんですが、子どもがずっとやっていると注意したくなっちゃったり」

「でも今はその葛藤はありません。実は、マイクラの良さを実感したことがあって。コロナで休校期間中に学校側も学習の提案が間に合わず、自主的に勉強するわけもなく(笑)、時間が余っていました。このとき、思い切ってマイクラを思う存分させました。もともとマイクラで建築など好んで取り組んでいましたが、今までは与えていた時間が短かかったせいか、作り込むことはありませんでした。長い時間取り組んだおかげで、凝った建築物や、レッドストーン回路という電子回路を再現したようなものがあるのですが、それでエレベータや動く歩道など自分で調べながら作るようになったり、Modという拡張機能も追加したり……とにかくやりたいことを実現するために自ら学ぶ姿がとても素晴らしいと感じました」

ロビー係という仕事

星先生は、じっさいに講師をやることよりも、ロビー係をやることが多いそうですね。仕事の内容について教えてください。

「今、TENTOはリアルの教室運営はほとんどしてなくて、TENTO独自のオンライン授業ツールnoiz(ノイズ)を使ってオンラインで授業をおこなっています。私の仕事はまず、noizに入室してくれた子に今日やりたいことを聞いて、その内容に対応してくれる先生のテーブル(オンラインの教室みたいなもの)に案内することです。ひとくちにプログラミングといっても、テキスト言語を学びたい子もいれば、たとえば3D画像をつくりたい子もいます。先生は基本的にそれを手伝う形になっているので、出欠確認をかねて、『○○さんはこの先生のところに行ってくださいね』という形で、案内をしています」

「授業が始まりましたら、その後はそれぞれの生徒の様子を見ています。ネットワーク・トラブルがないか見てまわっているんです。ときどき、ネットワークが不安定などの理由で画面が固まっちゃってる子がいるんですよ。先生もそれに気づかないことがあるので、先生にそれを伝えて、場合によっては先方に電話して対処します。生徒の取り組んでいる様子を先生と情報共有したりもします」

「TENTOでは授業時間の最後に発表を行っていて、それの進行係もしています。発表はその日の成果を発表する時間があるんですよ。一斉授業ではないので、生徒はそれぞれ別のことをやっているんです。中には、作品を発表したくて、自分で進めてくる子もいます。消極的な子も、積極的な子の影響を受けて発表してくれたりします。一体感や仲間感がつくられるんです。それは、ひとりの親として、とてもいいと思っています」

「TENTOみたいな学びのかたちがあるんだ、ということは、学校とか通常の習い事では、知ることができなかったかもしれません。すごくありがたいことだと思っています」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?