第七回 複数モニタはとっても便利!
デュアルモニタのメリット
TENTOはかつて、インプレスの記事に協力し、デュアルモニタ(2台のモニタを1台のPCにつなぐ)をすすめたことがあります。
オンライン講義においては、モニタを複数にすることは大きな利点がありますが、難点もあります。ノート型でもデスクトップ型でも、パソコンモニタは1台がふつうです。デュアルモニタにするためには、さらなる出費を覚悟しなければなりません。
デュアルならぬトリプル(3台)モニタを常用する倉本大資先生に、複数のモニタを備える利点について聞いてみました。
複数モニタにはどんなメリットがあるのですか。
「そりゃもちろん、1台でまじめに授業を受けてるふりをして、もう1台でYouTubeとか見られるってことですよ。オンライン講義はTENTOだけじゃなく、小学校でも中学校でも機会があるでしょう。サラリーマンのウェブ会議なんかでもいいですよね。上司のつまんない話がはじまったなと思ったら、もう1台で動画見る」
ハハハ。そりゃいい!
「……というのは冗談ですが、2台のモニタを用意するメリットは大きいと思いますよ。オンラインなら、ウェブカメラを使って人と対面する画面と自分の作業をする画面、ふたつを設けられるわけですから。モニタが1台の場合、ブラウザのタブを切り替えたりウィンドウを切り替えたり、煩瑣な作業をしなければなりません。パソコンの扱いに慣れていればそれでもいいのかもしれませんが、あたふたしちゃう人も多いでしょう」
「動画配信をするときも便利ですよね。たとえばScratchなら、1台にまっさらな状態の画面を表示して配信することができます。もう1台にコード(Scratchならブロック)を表示して作業を進めます。こちらは動画には入れません。ゲーム実況もふくめ、配信する人は2台のモニタを使ってる人は多いんじゃないかと思います」
モニタ3台の場合、もう1台は何に使うんですか。
「配信の場合は、アプリのコントロールを表示してることが多いですね。音量調節とか画質調整とか、物理的にツマミを操作することよりも、ソフトウェアで調整することが多いんです。モノを書くなら実際にライティングしている画面と、資料を開いた画面を表示しておこないます。切り替えがないのでスムーズです」
複数モニタは画面を広く使うのが目的
TENTOの子にもすすめているのですか。
「パソコンにはHDMI端子があって、テレビをパソコンのモニタとして使うことができるんです。まずはそれを試せ、と言うことが多いですね。とはいえ、家族がテレビ見ててそれができないとか、家庭用のテレビは60インチとかあって大きいことが多いですから、さすがにでかすぎるという訴えを聞くこともあります。そういうときはもう1台パソコンモニタを用意しなさいと伝えることが多いです」
「TENTOの講師には、横長の21:9のものを使ってる人や、解像度の高い4Kモニタを使っている人がいます。僕も16:10のものを使っています(多く市販されているのは16:9)。画面が広いので、ウィンドウを複数ならべることができるんです。画面を広くするのが目的ですから、やりようはいろいろあると思いますよ」
複数モニタに慣れちゃうと
「以前、オフラインのイベントで、noizをプロモーションすることがあったんです。noizはオンラインツールですが、その様子をオフラインで伝えました。そのとき僕はデュアルモニタを使ったんですが、使い方を知らない子が多いんですよ。モニタが2台あっても画面が広くなっただけですから、右のモニタに表示されているウィンドウを操作したいときには右にマウスカーソルを持っていき、左なら左に移動させて使う。使い方は同じなんです。ところが、デュアルモニタをいじったことがある子はあんまりいないから、スマホのタッチパネルみたいにモニタをさわる子がいたり、『マウスを動かせば(動かしたいウィンドウに)ジャンプするよ』とアドバイスしたら、マウスをほんとにその場でジャンプさせる子がいたり。リアクションがすごくおもしろかったです(笑)。……同時に、『自分はデュアルモニタに慣れ切っちゃってるけど、ふつうはそうじゃないよなあ』と反省したりもしました」
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