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FiNC新CEO南野より、新体制のご報告

はじめに

2020年1月からFiNCの新CEOとして会社の舵取りを行ってきました。

株主総会も2020年3月30日に終了し、新体制が発足したこともあり、一つの区切りとして、この文書を書き残します。

内容としては、
1. 直近のアップデート
2. そもそも僕とFiNCの始まりとこれまでのFiNCで行ってきたこと
3. 前CEO溝口から南野にバトンを渡された理由
4. これから新体制で行っていくこと、大事にしたいこと
を記したいと思います。

1. 直近のアップデート

直近2020年1月からのアップデートとしては大きく3つあります。

①元ネスレジャパンCEOの高岡浩三氏が社外取締役として参画
(引用元:https://diamond.jp/articles/-/60539)

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2020年3月30日に行われた株主総会にて、元ネスレ日本社長兼CEOの高岡浩三氏に社外取締役としてFiNCに参画していただきました。
高岡氏はもともと前CEOの溝口及び南野が最も尊敬する経営者です。前体制時から経営に参画していただきたいと打診しており、今回、ネスレ日本のCEOを退任するタイミングで、弊社と一緒に未来を作っていただきたいという提案を受けていただき、今回社外取締役として参画していただけました。高岡氏のお力添えを頂きながら、更に加速して事業拡大していきます。

②2020年4月20日にFiNCアプリの大幅リニューアル

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今回のアップデートは新体制時から計画がスタートし、無事に実行、リリースを行うことができました。
初動の数字の動きもよく、これからのさらなる改善の第一歩として踏み出せたと思います。ご協力頂いた人たちには心から感謝しており、引き続きよりお客様と向き合った良いプロダクトを目指して頑張っていく所存です。

③法人様向け「# 今こそカラダ」プロジェクト

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コロナウィルスの影響により、在宅ワーク増加、運動不足や腰痛の悩みが多く寄せられるようになってきました。一人でも多くの人達を助けたいと思いと、FiNCが世の中に提供できる価値が何かを考え、法人様向け「#今こそカラダ」プロジェクトを発足しました。
準備期間が本当に短かったのですが、リリース2週間で約40社の賛同企業がお申し込みいただき、実施してきたことが着実に成果につながるという手応えを感じています。また、このような状況下だからこそ、我々が社会に対して提供できる価値がより大きくなっているのだと感じています。

2. 僕とFiNCの始まりとこれまでのFiNCで行ってきたこと

そもそもの僕とFiNCの始まり

そもそも僕がどういう経緯でFiNCに参画し、いままで何をしてきたのかを記したいと思います。
前CEO溝口との出会いは2013年、溝口も僕も互いが自分の会社を経営しているときで、お互いがヘルスケアの事業を営んでいたこともあり意気投合したところから始まりました。
その中で、溝口中心のヘルスケア専門家チームと僕のエンジニアチームとで予防領域におけるヘルスケアの課題を解決するサービスを生み出そうと喧々諤々議論し、世界に通用するヘルスケア・ウェルネスプラットフォームを作るという壮大な構想を描きました。
溝口がヘルスケアのドメイン知識、ノウハウ、南野がテクノロジー/システム開発を束ねるという体制で走り出し、これを実現できるのは自分たちしかいないんじゃないかという使命感を覚え、すごくワクワクしたことを今でも鮮明に覚えています。

これまでFiNCで行ってきたこと

溝口と二人で話していたのは、Facebook、Twitterと比べられるような世界的なヘルスケアプラットフォームを作るという壮大な構想でした。
そのため、日本のみならず世界を相手にする我々の構想を実現するためには、大きな先行投資が必要でした。

立ち上げ当初から、金融のプロフェッショナルが必要であったので元みずほ銀行常務で現FiNCの会長 乗松・元ゴールドマンサックスで現FiNCの取締役CFO小泉にも、参画してもらったことで資金調達は順調に進みました。

これまで、ヘルスケアのプラットフォームを作るために私達が行ってきたことは、他社との差別化や強みを作ること、いわゆる、圧倒的な参入障壁を作ることでした。

また、FiNCにおいて、圧倒的な参入障壁を築き上げるために行ってきたことは2つあると考えています。

①顧客獲得コストを下げること

商売でいうと、安く買って高く売ることであり、仕入れを他社より下げていくことが重要です。

プラットフォームとしてポジショニングを確立するためには、Facebook/Twitterのように、一人当たり獲得コストを下げる必要があります。(もはやこの2社はアプリのダウンロードコストはおそらくかかっていません。)

paidオーガニック

上記は「一人当たり獲得コストをを下げていくイメージ」のグラフです。

棒グラフで示しているのが月次Install数、内訳の赤色の部分がPaidインストール数、青色の部分がオーガニックインストール数です。

ユーザー1人当たり獲得コストを下げるためには、大きなマーケティング投資を行い、ブランドの確立第一想起、ネットワークエフェクトを獲得していくことで、月次のInstallの総数は伸ばしつつ、オーガニックイントール獲得比率を上昇させる必要があります。

弊社においても、月次のInstallの総数を担保しつつ、ユーザー1人当たり獲得コストを下げるためにありとあらゆる施策にチャレンジし、マーケティング及び開発を中心に投資を行ってきました。


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女優 中村アンさんを用いたCM、日本テレビ系で実施した「カラダWEEK」において歩数イベント「億ウォーク」をテレビ連動で積極的に行い、2019年は最もマーケティングに投資した年でした。ヘルスケア/フィットネスにおいてダウンロード数国内No.1※として、女性中心に認知度(特にターゲットが女性中心)も上昇し、年始からはマーケティングコストをかけずに無料で獲得できるユーザー比率も上がってきており、狙い通りの成果が出すことができました。おそらく、ヘルスケア/フィットネスアプリのユーザー獲得コストが低く、多くのユーザーを獲得できているアプリであると思います。「現在はオーガニックインストールのボリュームも増えていることもあり、2020年以降はマーケティング費用を落としても、アプリのインストール数を伸ばせる構造になってきています。」

※日本国内 App Store / Google Play「ヘルスケア(健康)/ フィットネス」カテゴリにおける1年間(2019年1月~12月)のダウンロード数の合算です。
出典:App Annie

②アプリで圧倒的に他社と差別化を図ること

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アプリで差別化を図るためには、A.アプリの満足度・継続率を高めることとB.アプリの機能を他社に真似されにくくすることであると考えています。

A. アプリの満足度と継続率を高めること

・ユーザーフレンドリーなアプリUX/記録機能
・アプリ使用時のインセンティブと連動したEコマース
・最大規模のコンテンツ
・トレーナー/栄養士/インストラクター等専門家達のアンバサダーネットワーク
・アプリを持っているだけでお得に使える提携店
・様々な出面で本登録を促しメルマガやLINEのアカウントを取得

と言った機能・コンテンツをFiNCアプリは有していますが、ここはアプリの継続率に関わってくるので全力で投資を行ってきました。

B.アプリの機能を他社に真似されにくくするすること

AI × ヘルスケアという項目を中心に、アプリの重要な機能には特許を取ることを創業初期から徹底して先行投資しており、テクノロジー×ヘルスケアにおける特許戦略は間違いなく業界のトップランナーであると考えています。

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特許取得数は60件、ヘルスケア業界におけるパテントスコアは大手企業と並んでTOP10に食い込み6位

FiNCが大きなアライアンス・資金調達にレバレッジをかけやすかった理由の一つは知財戦略であり、外部の知的財産価値算定※では、約100億円以上の評価を頂いています。
※第三者による複数人の専門家(弁理士)による調査

上記①顧客集客コストを下げること②アプリで圧倒的に他社と差別化を図ることの取り組みを行うことでFiNCのアセットは積み重ねられてきました。

3.溝口から南野にバトンを渡された理由

私と溝口は、創業期から一緒に二人三脚で世界でどの企業も成し遂げていないヘルスケア・ウェルネスプラットフォームを作り、日本や世界のココロとカラダの健康を引っ張っていくリーディングカンパニーを目指してきました。
創業時からそこは全くブレることはなかったですし、このVISIONにお客様、株主様、従業員が共感してFiNCという会社が凄いスピードで形作られていきました。

今回、溝口が僕にバトンを渡した理由は2点あると思います。

①テクノロジー中心の戦略の意思決定を行っていく必要があること

FiNCがさらにVISIONに近づくためには、更なるテクノロジードリブンによる意思決定が重要です。今までCTOとしてFiNCのアプリを中心としたプラットフォームを作ってきましたが、これからはCEOとしてビジネスとデジタルをかけ合わせた戦略を描き、よりテクノロジーの力を最大化したFiNCの成長を加速させていく必要があると考えています。

②VISIONを実現するアプローチの相違

体制変更前と後で比較しても、作りたい世界は経営陣含め全くブレずに同じ目標に向かっていると私は感じていますが、溝口との間には、アプローチに相違があったのも事実です。

議論ポイント

FiNCが大きく投資しているのは、マーケティング、新規開発費です。
今までマーケティング費新規開発費に巨額な投資を行ったことで、一定ブランド認知が確立し、アプリケーション基盤ができてきた中で、

A.さらに踏み込んでマーケティングと新規開発にコストをかけていく溝口のアプローチ
B.確実に今のプラットフォームの収益化を実現し、デジタル化を促進させ成長させていくアプローチ

の2つで相当な議論を重ねて来ました。

溝口の考え方の根本は以下であると思っています。(溝口の口癖をnoteから引用)

小さな達成はよしとしない。それはおれたちの役割じゃない。まだ世界でどの企業も成し遂げられていないヘルスケア・ウェルネスプラットフォームを作り、世界中の人々のココロとカラダの健康を引っ張っていくリーディングカンパニーとなる。社会を変えるか死ぬか、それぐらい大胆にいかなければ社会に蔓延る大きな課題の解決はきっとできない。

僕自身もプラットフォームを作りたいと心から思っていたので、そこにずれがあったわけでは全くないですが、もう少し抽象化すると大胆にリスクを取り、常にアップサイドを見て大きな成功を取りに行くアプローチと、今は、着実に足元を固め、次の成長に向かって進めていくアプローチとの差であると思っています。そこで散々議論を重ね双方が納得した形で溝口からバトンを渡されたと思っています。

ちなみに、記者含むいろんな方々に溝口との関係性をよく聞かれるのですが、関係性はとても良好で引き続きFounderとして色んな面で支えてもらってます。

4.これから新体制で行っていくこと、大事にしたいこと

これから行っていくこと

「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」というビジョンの下、世界でどの企業も成し遂げていないヘルスケア・ウェルネスプラットフォームを作るという目標は何一つ変わっていませんし、今後も変わることはないでしょう。

FiNCは、これから社会問題として出てくるであろう、「医療費増大」「超高齢化社会」に必要である人の健康寿命を伸ばすということを実現し、健康により人の一人ひとりの人生をサポートする企業であると考えています。

VISION: 「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」
MISSION: 「すべての人にパーソナルAIを」

この実現のためには、これまで培ったアセットの上に健康になるエビデンスを伴ったサービスを作り上げることが必要で、①「カラダのデータの収集と可視化」②「行動変容促進及びアクションのサポート」を行わないと行けないと思っています。

提供価値

いままでは一部の人しか利用できなかったパーソナルトレーナー、栄養士といった専門家が提供していた価値を、アプリを起点としすべての人に最適なプログラムを届けることが必要です。

アプリのトップページのリニューアルを2020年4月20日に行ったのは、これからさらにこの戦略を実現させていくという思いを込めており、より良いサービスをお届けできるようにさらにこの動きを加速させていきます。

大事にしていきたいこと

①VALUE「Be Visionary with Compassion and Mindfulness for Customer's Smile」

・Visionary
・Compassion
・Mindfulness
・Customer's Smile

弊社では、創業時からVISION/MISSION/VALUEを大切にしてきており、VALUEは上記4つに定めていますが、新体制になっても普遍的なこのVALUEを常に大事にしていきたいなと思います。

特に個人的には「Compassion」を大切にしたいなと思っていて、あらゆるステークホルダー(お客様・クライアント様・株主様・従業員)の目線で常に事象の背景まで考えて行動を行っていきたいと思っています。

②情報の透明性

2つ目は情報の透明性です。

スピード感をもって経営を進めていくことが非常に大事であり、そのためには社内外問わず情報はどんどんシェアし、FiNCのエコシステムを構築していく必要があると思っています。
まずは、戦略・業績等の数字の開示を従業員の方々にしっかり行うようにしているのと、週次で経営指標のレポートを流すことにしています。
従業員には昨年の振り返りと今年の業績の状態、3ヶ月ごとの戦略をシェアし、これまで以上に一致団結して進めて行くスタイルを常に取っていきます。

合わせて、「#今こそカラダ」プロジェクトのように、社外の方々との共創を通じてより良い社会の実現を目指し、また、すべての社員の知見・経験を集約させてより良い会社となれるように努力を重ねたいと思います。

最後に

正直に言えば、希望と期待を持ってはじめたなかで、今回のコロナウィルスは我々も影響を受けています(どの会社もそうだと思いますが)。こんな事態を想定していなかったし、CEOとして、自分の意思決定が正しいのかわからないという不安もあります。

けれど、、

まだまだ未熟な僕に対して、支援していただける企業の方々、一緒に戦ってくれている役員・従業員の方々には本当に感謝でいっぱいです。
皆さんとならさらなる高みを目指してFiNCが実現したい世界に向かっていけると心から思っています。
FiNCに関わって頂いている人たちは本当にサポーティブな人が多いなと感じる日々で、感謝を忘れず、今後も私の人生をかけて経営に取り組んでまいります。

以上。


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