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足を先に拭いてもらう方法

いやあ、楽しかったですよね。
何って、散歩ですよ。散歩。
本日も元気に楽しく散歩して来た、
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんです。
そして現在、家に帰って玄関の土間で、
飼い主から足を拭いてもらう待ちの、ふたりなのでした。
ここで、ぐーちゃんはちと考えました。
「今日も、足を拭く順番は、きゅんが先なのかしら?たまには、ぐーを先に拭いてもらいたいものだわ。いつも、きゅんが先に拭いてもらう理由が、先に、きゅんがこの家に来たってことらしいけど、そんなのは考えてみれば、とてもナンセンスよね。何も先に来たからといって、それが偉い訳でもなんでもないもの。もはやただの習慣になっているだけ。でもそんなくだらない習慣のために、きゅんが早く家に上がれて、ぐーお気に入りのソファに先に座られてしまうのは、どうにも納得出来ないわ。これは何とかしないといけないものよね」
そんな内容のことを瞬時に考えた、ぐーちゃんは、
その対策も瞬時に編み出し、即、実行するのでした。
「きゅん。今、行って来たことって、単語で一体何て言うんだっけ?」
ぐーちゃんが、そう、きゅん君に聞くと、
突然聞かれて、とまどいながらも、
「えっ?単語?えっ?散歩。散歩じゃないの」
と答えました。
すかさず、ぐーちゃん、
「散歩?1歩では?」と言うと、
「1歩?1歩じゃないよ。散歩だよ」と答え、
「1歩は、どうゆうのだっけ?」
「1歩はこうだよ」と、見本を、ぐーちゃんに見せるように、
前に、1歩、歩いた、きゅん君です。
間髪おかず、ぐーちゃんが言います。
「じゃあ、2歩は?」
「2歩はこうだね」
きゅん君、また、2歩歩きます。
「3歩は?」
また、ぐーちゃんが聞くと、きゅん君、ちょっと考えて、
「3歩?散歩?」
と、言うと、急に叫び出した、きゅん君です。
「あー!そうだったんだ!そうゆうことか?散歩ってそうゆう意味だったんだー!」
と、何だか何かを納得したようです。
「散歩って、1歩、2歩と歩いて、それが連続して積み重なって、それが散歩なんだね!なるほど!今、初めて分かったよ!」
と、勝手に思ったことを、勝手に決めつけて、
それからも、
「こりゃ、いい発見をしたよ。1歩、2歩で散歩ね。1歩、2歩、散歩」
と、言いながら、反射的に歩いてしまい、
足も拭いてないのに勝手に、
家の中へ消えて行った、きゅん君です。
「1歩、2歩、散歩!こりゃ楽しい!」
と、リズミカルに歌いながら。
玄関に残された、ぐーちゃんは、しめしめと、
事が、まんまと思惑通りに運んだのを喜び、
そこに飼い主がやって来て、きゅん君が見当たらないので、
ぐーちゃんの足を先に拭いて、ぐーちゃんは、
家に上がり、お気に入りのソファに、
ドカンと、座るのでした。
遠くで、きゅんが、ママに怒られている声を聞きながら。

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