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ぬかるみをゆく

いぬうた市の空の下、今日も元気に、
きゅん君と、ぐーちゃんが闊歩しています。
どうやら、ママと、いぬうた公園を散歩中のようですね。
昨晩はいっぱいいっぱい雨が降ったようですが、
その雨も朝方には止み、おふたりは、
早朝散歩を楽しんでいる最中であります。
「ずんずんずんー!お散歩だあ!いぬうた公園お散歩だあ!行け!行け!進めー!躊躇なくー!我ら、いぬうたお散歩隊ー!」
と、いつの間にかふたりで作った歌を、
一緒に歌いながら、ママが持つリードを引っ張りながら、
ほぼ横並びで歩く、きゅん君と、ぐーちゃんです。
しかし土の道路に来た瞬間、ある異変を感じました。
最初に気付いたのは、きゅん君です。
「やや!何だあ!ここの場所ときたら、急に地面が、ちょっと沈んだぞお!」
すぐに、ぐーちゃんにも同じ現象が起きました。
「本当だわあ。きゅんの言う通り、地面さん、ぐーが乗ったら、ペコリと少々低くなったわあ。もしやこれは、ぐーにお辞儀をしたのかしら?」
いやいや、ぐーちゃん、さすがに地面は、
お辞儀はしないでしょ。
それはアレじゃないですか。
昨晩、大量の雨が降ったから、
地面がぬかるんでいるのではないですか?
アレだけの雨が降ったのですから、
土の地面はそうなりますよ。
すると、きゅん君が言います。
「なんだあ。そうゆうことなのかあ。僕はてっきりあの部分がエレベーターなのかと思ったよ」
きゅん君、それもないですよ。
よりによってエレベーターだなんて、
それで地球の裏側にでも行くというんですか?
「うん。だから僕、焦っちゃったよ。今は、いぬうた市から離れるつもりはないんでね」
そんな心配はご無用だと思いますよ。
間違っても地球の裏側に行くことはないですから。
「よかったあ」
と、きゅん君、一安心です。
で、安心ついでに何か思いついたようで、
「そうかあ。こうゆうの、ぬかるみって言うんだね」
そうですよ。それが何か?
「ぬかるみがあるんだったら、ぬかるま、もあるのかなあ?」
はあ?よく意味が分からないんですけど。
しかし、ぐーちゃんには伝わったようで、
急にフシをつけて、即興で歌い出しました。
「ぬかるみー、ぬかるむー、ぬかるめー、ぬかるもー!まみむめ、ぬかるみー!なにぬね、ぬかるみー!あっ、そんなこんなでまた、ぬっかるんだあー!こりゃまた大変ー!ぬかるみ危険ー!」
と、途中から、きゅん君も参加して、
どうやら新曲が出来たようですね。
しかし調子に乗って、ぬかるみばっかり歩いていると、
泥だらけになって、家に帰って、
ママにシャンプーされるハメになりますよ。
それでもよろしかったら、
まみむめ、きゅん君、なにぬね、ぐーちゃん。

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