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僕たちの絶景

世間ではどうやら現在、秋真っ只中で、
いぬうた市でも行楽シーズンと言われているようです。
「でも僕らにはあんまり関係ないかな。何せ、うちの飼い主が出不精ときてるから、ここのところも全然遠出してないし、行く予定も全くないみたいだし」
こんな感じで、きゅん君は早くも諦めモードです。
「ぐーはキレイな紅葉さんが見たいわあ。いぬうた公園でも見れることは見れるけど、この間もっと紅葉さんがいっぱい見れるところ、テレビさんで観たわ。ああゆうところ、ぐー行ってみたーい」
紅葉ですか。
確かに、いぬうた公園でもそのうち見れると思いますけど、
すごいところはすごいですよね。
いわゆる絶景というんでしょうか。
山一面の紅葉とか、滝バックの紅葉とか、
絶景スポットって、いろいろありますもんね。
「そうそう、ぐー、その絶景スポットさんに行きたいのよ。でも飼い主がアレでは期待は出来ないわね。どうにか、いぬうた市内にそうゆう場所はないかしら?」
そうですねえ。ぐーちゃん、絶景スポットですか?
うーん、どうでしょう?
探せば何かしらあるかもしれないですけどね。
すると、きゅん君がふと何かを思いついたようで、
「なかったら、自分で作ればいいんじゃないかなあ。その絶景スポットやらを」
ほう、きゅん君、それはどうゆうことでしょう?
詳しく教えて下さい。
「僕が思うにその絶景スポットって、すごい何かとすごい何かが合わさると絶景になるんじゃないのかな?さっきの山プラス紅葉とか、滝プラス紅葉とかさ」
なるほど。続けて下さい。
「だから僕らにとってすごいモノふたつがあれば、それが僕らの絶景スポットなんだよ」
そうゆうことですか。
ではあとはその、きゅん君と、ぐーちゃんが思う、
すごいモノ、ふたつを考えればいいという訳ですね。
「うん。じゃあ、ぐー、それを考えようか」
「ぐー、ラジャーざんす!とびきりのすごいモノ考え出すざんすー!」
と、ふたり言って、しばらくの間、ひそひそ声で、
あーでもない、こーでもない、とふたりにとって、
すごいモノを話し出しました。
「よし!やっぱこれしかないよね!」
「ぐーもそう思うー!これで決定!」
おや、どうやら決まったみたいですね。
じゃあ、おふたり、声を合わせて発表してもらえますか?
「オーケー、じゃあ発表しまーす!僕たちの絶景は、ドッグラン前にある山盛りのフードでーす!」
「でーす!」
何と、それが、きゅん君と、ぐーちゃんが、
考えに考えた絶景ですか。
何だか滝とかに比べ、
大分スケールダウンしている感は否めないですが、
まあ、おふたりが決めたのが、ソレなんだったら、
ソレでいいですけどね。
「何言ってんだよ。最高じゃないか。この絶景。大好きなドッグランに大好きな山盛りフードだよ!これ以上の絶景はないよ」
「本当よ。ぐー、この絶景さん、大好きー!はあ、絶景かな!絶景かな!」
「絶景かな!絶景かな!」
と、きゅん君も、ぐーちゃんもしばらく
「絶景かな!」
を連呼していたのでした。
見れるといいですね、その絶景。
「うん!今度ママにお願いしてみるー!」
と、きゅん君が嬉しそうに言って、本日はこの辺で。

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