チキンのにおいがする人
「ぐー、最近、飼い主のこと、ちょっとだけ見直したことがありました」
とは、いぬうた市の、ぐーちゃんの発言で、
でもそれは大変な出来事ではないですか?
だって、きゅん君もですけど、ぐーちゃん、
あれだけ飼い主のことを嫌がっていたくせに。
すると、ぐーちゃんがこう言いました。
「それはそうなんですけど、だってアレは仕方がないわ。飼い主の手から、いいにおいがしたんですもの」
はあ?飼い主の手からいいにおいがですか?
ちなみにそれはどんなにおいだったのでしょうか?
「ぐーがどうしようもないくらい、いいにおいというのは、ただひとつよ。それはチキンさん。飼い主の手からチキンさんのにおいがしたの」
なるほど。そうゆうことですか。
それはこの間、ママが作った、
骨付きチキンを飼い主が食べた時ですね。
飼い主は行儀が悪いので、手づかみで、バクバクと、
チキンをむしゃぼりつきますから、
それは手にチキンのにおいが大量につきますね。
「だからチキンさんのエキスもいっぱいついていたから、ぐー、飼い主の手だと思っていても、それをぺろぺろとなめた訳。で、これが大変美味しかった訳。だから飼い主もちょっと見直した訳」
そうゆうことだったんですね。
飼い主もまさかそれで、ぐーちゃんの評価が上がってとは、
思いもしないのではないですかね。
「それくらいしか役立たないことが、まだ分かってないのかしら?」
それでも相変わらず、飼い主には手厳しいですね。
「それも仕方がないことよ。日頃の行いがそれ程悪いってことだから」
そうゆうもんですか。
まあ、気が利かないことにおいては、飼い主、
そうとうなものがありますからね。
「そうよ。その気が利かないで言えば、飼い主、チキンさんを食べる時だけじゃなくて、いつもチキンさんのにおいをつけてればいいのに。そうしたらもっと、ぐーは見直してあげるのに、そうゆう気遣いが全く飼い主には欠けているのよね」
いつもチキンのにおいをですか?
それはさすがに無理なんじゃないですかね。
「何が無理なのかしら。別に簡単なことだと思うけど。でも飼い主がつけたくないと言うのであれば、仕方ないわね。ぐーが飼い主を見放すだけですから」
と、ちょっとだけ、ぐーちゃんが飼い主を見直した時間が、
早くも過ぎ去ろうとしています。
この感じだと飼い主の評価は日が経つにつれ、
下がっていくことでしょう。
それを阻止する方法はひとつですね。
ママがまたチキン料理を作ってくれることです。
早くその日が訪れるといいのですが。