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飼い主がいる!

本日、いぬうた市はお休みの日でした。
したがって、きゅん君と、ぐーちゃんの家には、
朝から、飼い主がずっと居座っています。
これには、きゅん君と、ぐーちゃんは、先程から、
眉をひそめっぱなしです。
ぐーちゃんは、ない眉をひそめています。
「もしかして、このままずっと飼い主は、昼もいるつもりじゃないでしょうね。ましてや夜までも。何て図々しいんでしょう」
ぐーちゃんはそう言いますが、休みの日とは、
そうゆうものだと思うのですが、
どうにも、ふたりは気に食わないようです。
「とにかくなんか落ち着かないんだよね。何か、僕がどの部屋に移動しても、気がつくといたりするし、行くと、たまに先にいたりするし」
きゅん君は、チャームポイントの麻呂眉が、
ひしゃげるほど、ひそめています。
そこで、ぐーちゃんがある仮説を立てました。
「何処にでもいるなんて、何かおかしいわね。もしかして、飼い主はひとりじゃないんじゃない?双子とか三つ子とか四つ子とか、とにかく、あの顔の男が何人かいるんじゃないかしら?」
ぐーちゃん、ずいぶん大胆な仮説を立てましたね。
「しかも日に日に増えているのでは?気がつくと、この、ぐーの家中、朝の満員電車みたいに、飼い主でいっぱいになっているのでは?」
ぐーちゃんは自分で、それを言って、
背筋がぞわっ!としました。
きゅん君は、より具体的に満員電車の光景を想像して、
「それだけは勘弁!」
と吐き捨てるように言いました。
「どうしたらいいんだろう?どうやって防げば?」
きゅん君のこの問いに、ぐーちゃんも、
「うーむ」としばし考えます。
「そうねえ、それにはまず敵を知ることじゃないかしら?飼い主が増えているかもしれないと言っても、具体的にどう増えているか?ぐーは知らないから、それが分からないと対策しようがないわよね」
ぐーちゃんが考えた末に、そう言いました。
きゅん君もその考えに同意します。
「確かにね。だったら、今日は1日、飼い主を追跡して観察する日にしようか」
そうしよう。ということに、ふたりなって、
その後、ずっと飼い主が行く部屋、いる部屋に、
居座って、観察をし続ける、きゅん君と、ぐーちゃんです。
「いつ増えるかも知れないから、決して目を離さぬようくれぐれも気をつけて」
きゅん君が、ちょっとダレそうになると、
いいタイミングで檄を飛ばして、場を引き締めます。
「ぐー、らじゃーっす!」
眠ってしまう寸前だった、ぐーちゃんは、その、きゅん君の言葉をキッカケに改めて、
気合いを入れ直します。
そんな感じで、この飼い主の休みの1日は、結局ずっと、きゅん君と、ぐーちゃんといれて、
飼い主にとっては、理由はどうあれ、結果として、
何とも嬉しい休日の1日になったのでした。

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