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知らない人が撫でてくれた

今日ものんびりとした日中で、あっという間に、
夕方になった、ここ、いぬうた市です。
きゅん君と、ぐーちゃんはママと飼い主と散歩に出て、
帰りにママがスーパーで買い物があるので、
敷地内のベンチで飼い主とママを待っている、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
そこはスーパーの出入り口に近いので、
人がひっきりなしに通ります。
そんな人の中には、わんこ好きの人たちも、
大勢いて、ふたりを見るなり、「かわいいー!」
などと言って、撫でてくれたりしています。
この状況に大層気を良くした、おふたりで、
特に、ぐーちゃんなどは元来怖がりで、
今まではあんまり知らない人に撫でられるのは、
得意ではなかったのですが、何回も何回も、
撫でられているうちに、だいぶ慣れてきたようで、
「皆さん、優しく、ぐーを撫でて下さって、だから、ぐーもそれを拒否するのも悪いわ。と思って我慢していたら、いつの間にか怖いのが、何処かに吹っ飛んでしまったわ!」
などと言うまでになっていました。
そこへくると、きゅん君は根っからの甘えん坊ですから、
撫でられるのは1番の好物といったところです。
するとそのうち、きゅん君も、ぐーちゃんも、
相手が自分と比べて、どちらが、より撫でられているか?
が気になるようになり、やがてその数を、
競うようになりました。
「ぐーはどれくらいの人に撫でられた?僕なんか5人だよ」
「きゅんは分かってないわね。ここで大事なのは何人の方に撫でられた?かではなくて、トータルで何回撫でられた?よ。ぐーはずっと数えていたけど、これまで30撫で撫でされたわ」
「そうかい。そうかい。でも残念ながら僕も偶然ながら30撫で撫でされたよ。そして僕なんて、その30撫で撫でのうち、10はヨシヨシ言われながら撫でられたからね。だから僕は10ヨシヨシだよ。これは、ぐーは抜けないだろ」
「全く、本当分かってないわ。きゅんは。ぐーなんて、そのうち、ふたりの方に、可愛い!って言われたわ。1可愛い!は、10ヨシヨシに匹敵するから、ぐーは2可愛い!だから20ヨシヨシをゲットはしてるのよ」
と、何でしょうか?
いろいろな単位が出てきて訳が分かりませんね。
どうにかお互い、相手に勝とうとして、
独自の単位を作っては、何とか優位に立とうとする、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
でもこうなると収拾がつきませんね。
一体、どうなってしまうのでしょう?
「僕の方が上さ!」「いや、絶対、ぐーよ!」
と、
それからもスーパーのお客さんに撫でられますが、
もうそれどころではないようで、
おふたり一触即発の雰囲気であります。
撫でられながらも、睨み合うふたり。
ああ、このままバトルに突入か?
と思われた矢先、そこに救世主がやって来ました。
ママです。ママが買い物を終え、
ふたりの元に戻って来ました。
そして戻るなり、ふたりを公平に優しく撫でると、
ふたり共、さっきまでの怒りや争う気分も、
すっかり吹き飛んで、穏やかな気分も戻って来たのです。
このように大好きなママに撫でられるのが1番な、
きゅん君と、ぐーちゃんなのでした。

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