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まろ眉のきゅんと、あとだあれ?

「僕?そこのあなた、もしかして僕を呼んでる?この、いぬうた市の、きゅんを。そうかい。そうかい。呼んでるかい。人呼んで、もしくは犬呼んで、まろ眉の、きゅんとは僕のことさ」
とは、いぬうた市の、きゅん君、
別名、まろ眉の、きゅん君のセリフですが、
この間から、こんな自分にキャッチフレーズをつけて、
何やら自己紹介の練習をしています。
どうやら、そうやって自分を名乗る主人公が、
出てくる映画をテレビで観たようですね。
すぐに感化されやすい、きゅん君は、その場面を、
かっこいい!と思って、早速、マネをしているのでした。
隣では、ぐーちゃんがそれを醒めた目で見ていますね。
「当たり前じゃない。そんな練習さんをして一体どこで使うのかしら。ぐー、よく分からないわ」
と、言う、ぐーちゃんに、
「ぐーは自分でキャッチフレーズが思いつかないから、そうやって言うのさ。それはイコール、大した特徴がないっていうことで、僕から見れば可哀想な限りだね。ぐーは。キャッチフレーズのひとつもないなんて」
きゅん君、何だかキャッチフレーズマウントを取ります。
それには、ぐーちゃん、カチン!ときて、
「ぐーにキャッチフレーズさんがないですって!そんな訳ないじゃない。ぐーだってキャッチフレーズさんくらいあるわよ!」
なんて、まんまと、きゅん君の挑発に乗ってしまいました。
「へえ、あるんだ?じゃあ、僕がそれを聴いてやるから、早く言ってみなよ。その、ぐーのキャッチフレーズを」
と、ニヤリと笑いながら、更に、ぐーちゃんを追いつめます。
その攻撃には、ぐーちゃんも困って、
「あっ、ぐーのキャッチフレーズさん、お2階のお寝室のベッドの上に置いてきちゃったわ。ぐー、取って来るから、きゅんはちょっと待ってなさい!」
と、苦しい言い訳をして、そそくさと、
2階に消えて行きました。
「あー、危ないところだったわ。しかしあんまりお時間もないわね。これでお時間がかかっていなら、きゅんのことだから、ぐー、まだキャッチフレーズ取って来てないのか。とか言って、ニヤニヤしながら、あっちからやって来るに違いないわ。ここは至急、ぐーのキャッチフレーズさん、考えないと。そうねえ。そうねえ。ぐーのキャッチフレーズさん」
と、しばし、考え込む、ぐーちゃんです。
「キャッチフレーズさんを考えるということは、まず、ぐーの特徴さんをあげることの。ぐーの特徴といえば、まずは黒い毛並みさんね。それに、ちょっと短いキュートな足さん。それにそれにつぶらな瞳さん。と、とりあえずこんなとこかしら。ではここから考えていきましょう。えーと、そうねえ」
と、また考え込みます。そして、
「これって全部かわいい!ってことだわ。だったら、これでいいんじゃない!」
ぐーちゃん、やっと思いついたようですね。
そこへ、きゅん君が待ち切れず、2階に訪れました。
「ぐー、キャッチフレーズは見つかったかい?」
と、案の定、ニヤニヤした顔で。
そこに、ぐーちゃんがキッパリ言いました。
「ぐーのキャッチフレーズさんが見つかったか?ですって。それは、かわいい!の、ぐーのことかしら」って。
まあ、かわいい!の、ぐーちゃんですか?
ぐーちゃんのキャッチフレーズは。
「そうよ。ぐーの特徴さん、それは、かわいい!の一言さんにつきるわ。だから、ぐーは、かわいい!のぐーよ」
いいと思いますよ。かわいい!の、ぐーちゃん。
しかし、きゅん君は納得いかないようで、
「キャッチフレーズって、そうゆうことじゃないんだよ」
と、ぶつぶつ文句を言っていますが。

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