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まるで昼間の月のよう

今日も楽しく過ごした、いぬうた市の、
きゅん君と、ぐーちゃんは1日の締めとして、
夕方、ママと散歩に出かけました。
夕方と言っても、日がだいぶ伸びたため、
空はまだ薄く青色が残っています。
そこにある物体を見かけた、きゅん君が言います。
「ぐー、見てみなよ。あそこに月が見えるよ」
ある物体とは、月のことでした。
薄い青の空に白い月が、まあるく浮かんでいたのです。
きゅん君に言われて、ぐーちゃんも空を見上げます。
「本当だわ。今日はずいぶん早いお越しね。何だかとっても薄ぼんやりしたお姿だから、
ぐー、なかなか気づかなかったわよ。ぐーも薄ぼんやりとしていたから。お越しにあるなら、なるで、もっとはっきりいらっしゃいな」
ぐーちゃんは月に向かって、お説教です。
「空がまだ明るくて昼間みたいだから、しょうがないんじゃないかなあ」
きゅん君が、そう言うと、
「ふーん。そうなのねえ」
とその時はそれ程、気にも留めなかった、
ぐーちゃんでしたが、何故か心に引っかかって、
夕方見た月のことが頭から離れませんでした。
「何かに似ているのよねえ。あの感じ。でも何だろう?いつも良く見てるような気がするんだけど」
ぐーちゃん、家で、がんばって、思い出そうとしますが、
なかなかその正体がつかめません。
「何だか、ぐーの頭の中が、薄ぼんやりと霧さんがかかっているようだわ。その霧さんの奥に隠れて出てこないのよ。全く、出てらっしゃい!」
ぐーちゃん、自分の頭の中に向かって、怒鳴りました。
すると、ちょっとずつ霧が晴れて、
その正体が判明したのです。
その、正体とは、
「きゅんだわ!」
でした。
「そうかあ。きゅんかあ。きゅんは黒くて、お月様は白いから、すぐには分からなかったけど、雰囲気がぴったりなのよね。いても、すぐには分からない、あの存在感が薄い感じ。そうだ。きゅんは昼間のお月様だあ」
早速、その判明報告を、直接、きゅん君にしに行く、
ぐーちゃんです。
「きゅん、どこにいるの?」
「ここにいるよ」
きゅん君、家の2階のベランダにいました。
「そんなとこにいたのね。ホント、きゅんって、どこにいるか分からないわ。だって昼間のお月様だもの」
ぐーちゃん、ベランダに駆けつけて、
くすくす笑いながら、そう言いました。
「昼間の月って、どうゆうこと?」
当然、きゅん君は意味が分からないので、
ぐーちゃんに聞きます。
そして、ぐーちゃんが答えます。
すると、意外にも、きゅん君怒るどころか、
喜んでいるではありませんか。
「僕が昼間の月に似ているって。それは嬉しいなあ。だってそうだろ。昼間の月って、見たら何かお得な感じがするじゃないか。それにだいたいキレイだし、それに、それに。って、あら、ぐー、どこ行った?ぐー!ぐー!」
と、てっきり、きゅん君がムキになって怒ると思った、
ぐーちゃん、しかし結果その正反対で、
実に嬉しいそうに話ししたのが、
途中でバカバカしくなった、ぐーちゃんは、
何処かに行ってしまいましたとさ。

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