投資マンションの入居率と実態に迫る

  •  「投資用マンションに本当に入居者が付くのか?」という疑問は、不動産投資を始める初心者の方がよく抱く質問です。この疑問に対する答えは、「付きます」が正解です。しかし、その背景には多くの要因が影響しており、どのような物件を選ぶか、どの地域に投資するかによって結果が変わってきます。ここでは、実際のデータや市場動向を基に、投資マンションの入居率について深掘りし、リスクとメリットを照らし合わせながら検証していきます。

入居率は高い?業者の実績から見る現状

 まず、ワンルームマンションの入居率について調べると、多くの業者が90%以上の入居率を達成していることがわかります。例えば、大手の不動産業者が公表しているデータによると、都内のワンルームマンションでは、ほとんどの物件で90%以上の入居率が維持されています。これは、都市部における賃貸需要が根強いことを示しており、特に単身者向けのマンションは非常に人気が高いです。入居率99%台ですと謳う業者もありましたが昔100%にはならないですか?と質問したことがあるがどうしてもリフォームが有ったりしますのでならないのですと業界大手に聞いた事がありました。

 一方で、100%の入居率を保証するわけではありません。時期や地域、物件の状態によっては空室が発生することもあります。しかし、少なくとも都市部であれば、安定した需要が続いていることは事実です。
 サブリース会社を使えば入居率100%になり安心かもしれませんが売却時に値段が下がる傾向が強いため出口戦略を考える場合は難しいですが選べないケースもあるようです。

人口減少と都市部集中の影響

 日本全体の人口は減少傾向にあります。総務省のデータでも、地方の過疎化が進んでいることが報告されていますが、これは地方と都市部での賃貸需要に大きな差が生じる原因の一つです。特に、地方では賃貸物件の空室が増加し、投資物件としての魅力が薄れてきています。しかし、都市部では人口が集中しており、特に東京や大阪、名古屋、博多といった大都市圏では賃貸物件の需要が依然として高いです。

 この現象は晩婚化や未婚率の増加とも関連しており、単身世帯の増加が都市部のワンルームマンションの需要を押し上げています。総務省の統計によれば、現在、約3割近くの男性が生涯未婚である可能性があるとされており、この層が賃貸市場を支えています。寧ろ大家族は減少すると考えられてます。

家賃の支払能力と賃貸ニーズ

 次に、賃貸物件の入居率に影響を与える要素の一つが家賃の支払能力です。平均年収は約458万円とされていますが、この額は地域や職業によって大きく異なります。年収の約3分の1が家賃に充てられると仮定すると、最大で月額約12万円までの家賃が支払える計算になります。しかし、実際には、生活費や将来の不安を考慮し、多くの人がこれよりも低い家賃を選ぶ傾向にあります。

 都市部のワンルームマンションは、新築やリノベーションされた物件では月額10万円前後の家賃が一般的です。これに対し、中古物件や築年数の経った物件では、もう少し手頃な家賃で提供されていることも多く、これが賃貸需要を支えています。特に、賃貸マンション投資をする際には、ターゲット層の年収に合わせた家賃設定が重要です。

高齢化と都市部への移住

 さらに、高齢化が進む日本では、高齢者が生活の利便性を求めて都市部へ移住するケースも増えています。特に、車が必要な地方での生活が困難になり、公共交通機関や医療施設が充実した都市部への移住が選択肢となることが多いです。

 このような背景から、ワンルームマンションは若年層だけでなく、高齢者にとっても魅力的な住居となっており、今後も需要が安定すると考えられます。事実、高齢者向けのバリアフリーマンションやサービス付き高齢者向け住宅が増加しており、これも都市部の賃貸市場を活性化させる要因の一つです。

リタイア世代の資金計画と賃貸ニーズ

 高齢者の家賃支払能力についても考慮する必要があります。年金だけで生活する場合、支払える家賃は限られます。厚生年金の平均受給額は約14.5万円、国民年金の平均受給額は約5.5万円であり、これだけでは高額な家賃を支払うのは困難です。これに対し、退職金や貯蓄を活用して賃貸物件に住み続けるケースもありますが、一般的には家賃の安い物件が選ばれる傾向にあります。日本国内では60歳以上が全資産の大半を占めているとの報告もあるため今のお年寄りよりも私たちの老後の平均貯蓄では相当差があるように思えます。

 都内では生活保護を受けている高齢者も増えており、この層もワンルームマンション市場の潜在的な需要者です。生活保護の住居費の上限は約5.3万円であり、この範囲内で提供できる賃貸物件は今後も需要が見込まれます。

結論:安定した賃貸需要は継続する

 これらの要因を総合的に考えると、都市部のワンルームマンション投資は、今後も安定した賃貸需要が続くと予想されます。人口減少や高齢化といったマクロ的な要因が存在する一方で、都市部への人口集中や単身世帯の増加が賃貸市場を支えています。さらに、家賃の手頃なワンルームマンションは、多様な層に支持されており、空室リスクを抑えることが可能です。

 もちろん、物件選びや管理の方法によってリスクは大きく変わるため、慎重なリサーチと戦略が必要です。しかし、適切な物件を選び、需要にマッチした運営を行えば、ワンルームマンション投資は安定した収益源となり得ます。
 
 

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