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「挿絵画家 椛島勝一と小松崎茂の世界」(昭和館)

挿絵画家として活躍した椛島勝一と小松崎茂の回顧展。
椛島勝一は戦前、戦記ものなどの作品の挿絵で活躍した挿絵画家。
小松崎茂は、戦後、空想SFものの挿絵や創作、少年向けの冒険やSFものの挿絵、プラモデルなどの箱絵で活躍したイラストレーター。
(特撮に使用される宇宙船のデザインや、「電気グルーブ」のCDジャケットデザインなど多彩な活躍などしていたりした人です。)

椛島勝一はなんとなく印刷された資料的なものなどは見たことがあったのですが、原画見たのは初めてだったのですが…
緻密で、上手い、丁寧なイラストでした。
独学で絵の技術を身に付けたとのことでしたが、相当デッサン力も造形能力も高くびっくりしました。
相当手間をかけて丁寧に描いている。
説明書きによると、ペン画1枚2週間かけているとのことで、緻密で、何より一枚絵として凄く綺麗。
印刷には、載らないような繊細な諧調や細かい描写…
今時のイラストレーター、こんなにしっかりと時間かけて描いてたりしないレベルで、どのイラストもすごくしっかり描かれていました。
そういえば、以前は出版業界も余裕があり、絵に対する支払いも良かって話を60年代くらいにイラスト描いていた人が言っていたことを思い出したりしました。戦前はものがない時代とはいえ、そうした絵などにお金を払うということをしていた時代なのかなと思ったりしながら観ていました。

小松崎茂は、プラモデルのパッケージイラストは、ものによっては凄く緻密に描いていますが、印刷になったときのことを想定した描き方している感じでした。
パースや描写が甘くなっても、絵の見せ場をしっかりと描くことで、絵として魅力的なものに仕上げる技術を感じました。
とはいえ、イマジネーションの赴くまま、生き生きと筆が動いているのが伝わってくるものも多かったです。
あと、今回の展示で、それまでの文を含めた挿絵で培ったノウハウを使って、戦闘機や戦車のパッケージ作っているのだということがよく分かりました。
頭の中でストーリー組み立て、それを絵にしているからこんなにも生き生きとしたイラストになっているのだと思いました。

あと会場内で、60才代くらいのおじさん2人組が、興奮して話していたのも印象に残りました。


帰りはちょうど近くまで行ったので、国技館や靖国神社などの方もブラブラ散歩して来ました。
よく晴れていて、気持ち良い散歩出来ました。

https://www.showakan.go.jp/events/kikakuten/index.html

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