あの娘
僕には幸せな家庭がある。
綺麗で優しい妻と、ヤンチャで可愛い息子。
リノベーションした高層階のマンション。
買ったばかりのクールな4WD。
妻は献身的に僕をサポートしてくれるし
息子はパパに甘えたい年頃。
僕にはもったいないくらいの
ありきたりな幸せ。
40代になって、ようやく手に入れた
穏やかで幸せな生活に満足していた。
平凡な日常を満喫していた。
あの娘と出会うまでは...。
彼女は大きく真っ直ぐな瞳で僕に言う。
「貴方が好きだ」と。
僕は彼女の透き通るような真っ白な肌を
ベタベタに汚して「俺もだ」と答える。
五感が研ぎ澄まされるようなとろける時間。
理性を失い、愛欲に溺れ求め合う。
離れた時間も欲しくて欲しくてたまらない。
穏やかな生活は一変してしまった。
僕は何を手に入れ、何を失うのだろうか?
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