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ルピシアのクリスマスティーから「クリスマスのオペラ」について考える


『ラ・ボエーム』!?

家ではもっぱらルピシアの紅茶を飲んでいるのですが、ルピシアはクリスマス時期に大変に凝ったパッケージの限定商品を出します。

毎回絵柄が違っていて、数年に一度は全種類欲しくなります。今年はそんな年でした。


というわけで全種類入っているミニ缶セットを買ってみました。普段はリーフ派なので初めてかもしれない。

箱も楽譜風で大変いい感じです。

今年は見ての通り音楽がコンセプトということで、購入するとそれぞれのパッケージを意識したオリジナルアレンジの音楽が聴けるQRコードをもらえるようになっていました。

今年のパッケージは、「キャロル」(左上)には「くるみ割り人形」、「オペラ」 (右中)には夜の女王感すごい生命体?が描かれていますね。

「キャロル」は当然「花のワルツ」。ということは「オペラ」はどうせ『魔笛』から夜の女王の……

『ラ・ボエーム』より「私が街を歩けば」⁉

一緒に買いに行ってた人がたまたまボエームに詳しかったたので、「そういえばあれクリスマスから始まる話だもんね」って言ってて、そっか……ってなりました。忘れてたよそんなこと。凝った選曲ですね。
ちなみに『ラ・ボエーム』の初演は1896年2月1日であり、季節的には三幕の方に合致しています。「クリスマスオペラ」という扱いだったかっていうと微妙なところだな。

個人的にはクリスマスが舞台のオペラといえば『イスの王様』だと思っているのですが、そっちも初演は5月なので全然クリスマス合わせではないですね。完成から初演まで年単位で寝かせてあった作品なので最初はその辺初演予定だった可能性はなくはないですが。
現代では「クリスマス映画」みたいな枠があり、なんかクリスマスものとかそうでなくてもキッズ向け作品とかがクリスマス時期に公開されると思うのですが、オペラはどんなだったのかなーと思ってちょっと調べてみました。

『クリスマス・イヴ』

リムスキー・コルサコフの『クリスマス・イヴ』は、その名の通り12月24日に展開する物語です。ゴーゴリが地元であるウクライナの民話を基にして書いた作品が原作で、チャイコフスキーも同題材のオペラ作品(『鍛冶屋のヴァークラ』とその改作『チェレヴィチキ』)を作っているので、当時人気がある題材だったのだと思います。
初演日は1895年11月28日、これに関してはほぼクリスマス合わせと言えるのではないでしょうか。
去年のこの時期にOperavisionで配信されていたものを観たのですが、大変面白かったです。なんか人間が釣られてて。

中盤に薄汚い「てぶくろ」みたいな展開があるんですが、そういえばあれもウクライナの昔話なのであの辺によくある描写なのかもしれません。

↑きれいな「てぶくろ」

『ヘンゼルとグレーテル』

フンパーディンクのこの作品は、現代でもクリスマス頃にやる子供向けオペラとして定着しているようです。
元々クリスマス用に書いた曲を妹(リブレット担当)の提案でオペラ化したという経緯も相まって、初演は1893年12月23日。
同時に、元のグリム童話では特に存在しないクリスマス要素が要所要所に差し込まれています。なんかやたらジンジャーブレッドの存在感が強いと思ったんだよな初見の時……

『アマールと夜の訪問者』

毎年この季節になると、近所の教会に展示される馬小屋に入った人形を見に行くのですが、そういやだいたいのキリスト教系幼稚園でやるという「降誕劇」系のオペラって知らないな……あるのかな……と思って調べたらありました。オペラは大体のものをカバーしてるな……
作曲はジャン=カルロ・メノッティ。1951年12月24日初演と、比較的最近の作品です。この作品はテレビスタジオで初演したものをそのまま放送するという「テレビ用オペラ」としてアメリカで作られた最初の作品だったそうです。色々エポックメイキングな一本ですね。
初演タイミングはオペラの上演されるシーズンとか劇場の都合にかなり左右されると思うのですが、この作品はむしろテレビで適切なタイミングに流すという事情もあって、ぴったりクリスマスイヴに初演することができた稀有な作品ということになるのでしょうか。

『アイーダ』!?

とか思ってたら音楽之友社のこんなつぶやきを見つけて

えっアイーダってクリスマスイヴ初演なんですか?知らなかった……

……なんで?

※調べたところ戦争で初演が11か月遅れた結果らしいので別にクリスマス合わせではないっぽい




なお紅茶「オペラ」については牛乳と豆乳を半々くらいにして割るとすごくおいしいです。
豆乳は茶葉の方の香料の種類によってかなり合う合わないあると思うんですけど、こういう細かく裁断されてるタイプの茶葉のやつの方が合う率高い気がしています。理由は知らない。


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