金曜日の夜中、ただの与太話。


音楽が足りない。脳を駆け巡る音が足りない。

最近母親が映画音楽のCDを買った。家に帰るとよくそれが流れているんだけれど、ロミオとジュリエットの曲がどうしても頭から離れない。具体的に言うと、フィギュアスケートの羽生結弦が滑っていた部分が永遠とループしている。カッコいい音楽と共に脳内を羽生結弦がシャーッと通り抜けていく。違う、違うんだ。羽生結弦のことを大して知っているわけでもない。でも当然のように羽生結弦は鬼のような形相で頭の中の僕の目の前を行ったり来たりしている。これもきっと音楽が足りないせいだ。僕に聞く音楽がないから、環境音であるロミオとジュリエットの曲が脳内を占めているだけなんだ。羽生結弦に興味を持ったわけではないんだ。脳を駆け巡る音が足りないからなんだ。ところで羽生結弦は陰陽師の曲でも滑っていたのだけれど、次に陰陽師の映画を見た時は羽生結弦の鬼のような形相が頭をよぎるのだろうか。だがしかし、相手はあの野村萬斎。のっぺりした顔とうさんくさい雰囲気のダブルパンチはなかなかのものだ。いい勝負になるのではないか。映画をTSUTAYAに借りに……行かないぞ僕は。冷静になれ。何の話をしていたのか思い出せ。音楽が足りないのだ。脳を駆け巡る音が足りないのだ。羽生結弦に興味を持ったわけではないのだ。あれ?TSUTAYAに行って中古CDいくつかと陰陽師の映画をレンタルすれば全て解決しないか?そういえば陰陽師2はちょっとだけ見た記憶があって、伊藤英明若いなァ演技下手だなァと思ったくらいの感想しかなかったから未視聴の1と合わせて真面目に見るべきなのか。でも羽生結弦が陰陽師を滑って有名になってしまったから全部借りられてそうだな……とやはりまた羽生結弦が頭の中で滑走していった。シャーッと。もう今日は羽生結弦の日なのかもしれない。羽生結弦の誕生日をWikipediaで確認してみた。12月7日だった。ああ確かに冬生まれっぽい顔をしているな、と思った。偏見は認める。でもそういうのあるじゃん。言い訳はする。

と、そんなわけで僕は少し離れた場所に引っ越してしまったTSUTAYAに行くことを決意したのであった。何のCDを借りるか?何も考えていない。いまの僕の頭はシャーッと駆け抜けていく羽生結弦でいっぱいだ。羽生結弦のことを考えていたから、今日は羽生結弦記念日。助けてください。僕にロミオとジュリエット以外の音楽をください。助けてTSUTAYA、助けてまだ見ぬ中古のCD。ちゃんちゃん。

スタンディングオベーションのない、金曜日の深夜の与太話でした。

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