セルフライナーノーツ(1~6曲目)
※この記事は、2021.6.13にg.o.a.tにて公開されたものです。
はじめに
2回目のテンタクル忍者です。
前回少し話していた通り、今までの曲の説明というか、何考えて作った的なまとめみたいなのを作ろうと思いつつ、思ってる間にも曲が増え続けてしまったので想像以上に時間がかかりました。アホ。
いつ公開しようかと思ってたのですが、このままだと増え続ける一方なので、このタイミングで公開しちゃおうと思います。
前にも申した通りあくまで作者の適当な言いぐさで、特に曲の解釈を固定するものじゃないので気楽に読んでくださると幸いです。
あと、クソ長いので覚悟してください。
①水死体に生まれたかった
初めからなんちゅうタイトルで投稿しとるんじゃという感じですが、冷静です。
この曲に関してはこの一文をふと思いついたところから始まりました。
余談ですが、曲名でTwitter検索をすると自殺防止センターへの相談を勧められます。違うそうじゃない。
風呂に入ってるとこのまま溶けたいなって思う。
生きてるのってめんどくさくて、でも死ぬ勇気もないし。決して生まれたくなかったわけじゃないんです。まあ、そんなこと言ったら反感買うだろうから思ってても言わないけど。
水中で目を開くと視界が狭くて歪んでて、悩み泣いたときを思い出したり、死ぬ直前ってこんな感じなのかなって思ったり。息ができないけど、死にたいわけじゃない。水死体になりたいんじゃなくて。水死体として最初から有れば、こんなことで悔やまなかった。
別に死ぬ気は無いので、風呂から上がって、また次の日も風呂に浸かって同じ事を思う。「今日も湯船に沈んだ」とかサビとかの繰り返しは大体そんな意図です。多分。
また「水に溶けてしまえばいい」ものとして色んなものがあがってますが、「肉/骨/血液」は成分的に、「罪/罰/頭痛」は精神的に、「目/心/命」は存在的に、人間が人間たるものを並べてみました。本当か?
曲中の彼も死んでないでしょうね。この世のどこかで死に体で生きてはいるんでしょう。
この曲を作ったあと真っ暗の中で浴槽に頭まで浸かりましたがすごい楽しかったです。暗い空間って不思議と落ち着く。
絵は実は3つ案があり、採用した斜め向きのものと、真横から浴槽を透視したもの(透視しない案もありましたが、足だけ出てるの普通にただの水死体だったのでボツになった)と、真上から浴槽を棺桶に見立てたものがありました。
どれも割と気に入ってましたが、結果的に今の絵に落ち着いてよかったです。
またこの曲が実は1番異色で、本来は後述するようなバンド構成の曲の方が得意だったりします。じゃあなんでこれを初投稿にしたんだ。すみません。
②ヨイドレラッタ
前回と違って明るめの曲を作ろうとしたのですが、"文章"で歌詞を書くと9割暗くなるので、ひたすら語感(リズム)重視で作りました。
いつも詞先で口ずさみながら曲を作るのである程度安定して作詞作曲は出来るのですが、環境的にそのときは口ずさめなかったので、最初メモ帳に無言で「ハーイハイ ヨッタッタ」なんて書いちゃったときは自分で書いときながら行き先不安でした…形になって良かったです。
実はこの曲を書く前に、文章で明るい曲を書こうとした(実際1曲分書いた)ら「死と愛は等しく救済」という歌になったのでボツにしました。どうしてこうなった。とりあえずストックはしておきます。
「ヨイドレラッタ」の由来は酔いどれ+ラットですね。登場人物の彼こそが恋と酒に溺れたモルモットです。
ラットは種の名前でモルモットは比喩ですが、ラットなんだかモルモットなんだか…と絵を描くときに頭を抱えました。見た目はラットです。ところでフラスコに入ったビールって瓶ビールなんですかね?わかんね。
あと結構三人称がブレる曲なんですよね。「君」「あの子」「アナタ」は同一人物なんですけど、本人を前にしたり、酒に逃げて1人ごちたり、他人に話したり、みたいな、各所での発言を経て、最後だけ画面の前の「アナタ」に収束する…的な意図も少し。わかんね。
体質的に酒飲めないし、現実で恋なんてしたことないので、よってこの曲は完全に想像でフィクションです。
そんなマイノリティな人間でもラブソングを書くことは許されるんですよね。それが創作の良いところだと思います。
③■を知らないアナタに救いを
②を読んでてピンときた方はテン忍マスターです。何を隠そうこれが②でボツった「死と愛は等しく救済」の歌です。
本来はボカコレ用に別の曲を作っていたのですが、あまりにも色々うまくいかなくてモチベが下がってしまったので、心機一転新しく曲を作ろう、でも新しく歌詞を書くには時間が……と、引っ張り出してきたのがこちらの歌詞でした。とりあえずこのボツった方もストックはしておきます。
明るい曲を書こうとして書いた歌詞だということが若干伝わると思います。伝わってくれ。
これに関しては以前詳しく書いておりますので是非こちらを。
https://note.com/tentacle_ninjya/n/n4cf4ccd3a476
④想い:距離:ココア
何て読むんだシリーズ第2弾。「:」を「たい」と読むか、はたまた何とも読まないかは個人の自由。
この曲に関してはテーマの都合上ゲロ甘ポップとなっており、初投稿で水死体がどうのこうの言ってた人間の言うことじゃない単語のオンパレードなので、個人的に「どの分際ポップ」と呼んでいます。
遠距離恋愛は距離が遠い分恋しさが増すので愛が深まるだの、逆に遠いから愛が薄れるだの、じゃあ近距離なら愛は深まるのか?だの、距離と想いの比率って人によって複雑に変わると思います。
好き!会いたい!って思っていざ会ったらそれで満足しちゃって、会った瞬間に熱が収まるというのもあるんじゃないか?そういう歌です。
最終的にはやっぱり好き!ってなってるので、この歌はハッピーエンドですね。幸せになってほしい。
何でここにココアをぶちこんだかと言うと、まあ気分だと言い切ればそこまでなんですけど、強いて言うなら、そういうごたごたについて考えれば考えるほど愛というのは煩わしくなるもので、何も考えなくなる、愛を取り戻すための材料としてココアを出した感じですね。
実際ココア飲んだら難しいこと何でも良くなりませんか?何でココアってあんな落ち着くんでしょう。ココアサイコー。
まあ、前述した通り恋したことないので、この辺りの感情は想像の域を出ないんですけども。
ちなみに1番好きな飲み物はコーラです。2番目はコーヒー。
⑤青年記憶喪失機能
ここにきてまたボツ曲を生み出しました。ずっとゴネてたのが上手くいかず、心機一転で作ったのがこの曲です。コイツいつも心機一転してんな。ボツはストックしときます(いつもの)
いつぞやに、辛い記憶をどうやったら忘れられるのか調べたことがあり、当時学んだ人間の記憶に関する機能的な部分のあれこれを思い出しながら書きました。タイトルに「機能」とつけたのは"役割"という意味合いですが、イラストをTV頭にしたのはここが要因です。異形頭大好き。
作品として誇張はあるにしろ、歌詞に書いてあることってどうにも思い出せないことばっかなんですよね。あ、屋上から飛び降りた人間は身近にはいません。ご安心を。
中学生時代、当時はスマホも無かったので、学校の図書室にノートと鉛筆持ち込んで、本を読みながらインスピレーションを得て絵や文字を書く…みたいなことを休憩時間とかに普通にやってたわけです。魚とか、星座とか、神話の本が好きでしたね。
でも、後から見返すと、作品としては残ってるけど、何からインスピレーションを得たかを思い出せない。何かでっけ~深海魚だったな、くらいにしか。仮に名前を覚えていたとしても、すぐに忘れてしまう。
そういうとりとめのないことを忘れることもあれば、過去の自分がどう過ごしていたのかとか、毎日遊んでたはずの友人の顔も思い出せなかったり、指折り数えれば小学校の同級生なんて名前と顔を思い出せる人間は片手ほどもいないような…
そして逆を言うと、こんな休憩時間に図書室の隅で独りホコリを食べながら創作してたような人間なんて、同級生は覚えてないでしょうね。
結局、忘れた記憶って当たり前ですが「忘れている」ので、どれくらいの記憶を失ったのか数えることができない。でも人間って、そうでないと生きていけないからこの機能がついてるんですよね。実際今までのことを全部覚えていたら苦しくて死んでしまうだろうし。便利なのか不便なのか。
というか、この曲を作るにあたって、人間の記憶機能に関して再び調べることもなく記憶だけで作ってるのも笑えますね。結局興味のあることは忘れないんだな。人間。
⑥そこに愛などなかった
様々なボツを生み出しながら、苦難の末に作ったバラードです。主に歌詞がずっと書けなかった。
物事、何事もあとから気づくことって多いもんです。失ってから大切さを知る、というのは物語では使い古された表現だと思います。
いなくなって初めて、愛があったかもしれないと気づく。その喪失感と現実味のなさに泣くことすらできない。そういう歌です。
一応、個人的な解釈を話しておきますと、「君」は「僕」のことが好きで、遠回りな失恋をきっかけに交差点へ飛び出してしまったというストーリー。その時点では本当に「僕」には愛というものは無かったというか、自覚は無かったんですよ。そして死んでしまってから、もしかしてあの問いかけは告白だったんじゃないかとか、言葉を思い出してはっとする訳です。もしかしたら、あのときこう答えていれば、あのときこうしていれば……なんて。うーん。ありきたり。
でもここまできても本当に自覚がなくて、本当に愛が無いと思ってる可能性もありますね。悲しくない、涙が出ないなら、やはり愛など無かったと。そっちの方がいいな。涙が出ないほど心が枯れている方が解釈一致だ。
この曲、明るい歌詞を書こうとしてたはずなんですけど、どうも人が死ぬ傾向にある。
これは作者のひねくれと中二心が出てますね。南無三。
区切ろう
……と、曲を公開するごとにここに書き足していたのですが、あまりにも長くなってきた上にこのままだと一生伸び続けると思うので、ここいらで一旦区切ろうと思います。
最後まで読んだ貴方はもう立派なハイパーテン忍マスターです。ありがとうございます。
またこういったライナーノーツはタイミングを見てあげていく予定ですので、いつかお会いしましょう。では。
2021.6.13 テンタクル忍者
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