アクアポニクスの問題点

皆さまこんにちは。

当地でも7月に入り、連日農場のSwitch Botが30℃を早い時間から表示するようになりました。

少し前までは全国的に特に西日本や関東で40℃を超えるなど超猛暑とも言える夏の様相を呈しています。
当地でも予想外の5月に31℃、全国トップ3に入る暑い日がありました。
その時点では早い時期にラニーニャ現象が解消され、昨年のような暑さにはならないだろう、と予想されていましたが、フタを開けてみるとまだまだ暑い日が続くようで、実は世界的にも農作物が打撃を受けるなど各地で猛暑となっているようです。

農業に関わらず、皆さまどうぞ熱中症には十分お気をつけください。

さて、表題に今一部で流行りを見せている「アクアポニクス」について取り上げてみたいと思います。

筆者は学生時代にアクアリウムに凝った事があり、大小様々でカラフルな熱帯魚達を水質から調べ、専門店で水草を調べ、あたかも熱帯地方の川の一部を切り取ったかのような、箱庭ならぬ箱池を作ることに没頭する時間が好きでした。

アクアリウムを行う上で水質悪化の1番の要因が魚達の排泄物です。

他にも餌や石や流木などの資材から溶け出るものなどあると聞いていますが、主に餌や排泄物を放置することで水質が悪化し、魚達が病気になるというのが最初の苦労だった気がします。

そして、飼育が続くとリン酸塩などを養分とする藍藻などのコケ類が水槽のガラスに付着する事があり、その除去も大変なものでした。水槽の掃除は魚達にとっても大きなストレスですが、水槽に黒や濃緑のコケが揺らぐ姿は見ていて気持ちの良いものではありませんでしたから、オケに魚を傷つけないように移し、専用のスポンジでこすり落とし、水の調整から再スタートです。

こうした経験があって農業に取り組むと、筆者はアクアポニクスに取り組もうとは一度も思えませんでしたが、前職時代の同僚がある法人のアクアポニクスの経営に関わっていたりと、全く遠い話でもありません。

そんな中で、ではアクアポニクスの将来性について、可能性がどれほどあるのかということについて考えてみたいと思います。

まず、偏見と情報不足による感情論としては、淡水魚というと、まず寄生虫の不安があるでしょう。
あとは、魚がもともと生息していた環境によってはアメーバなどの微生物が栽培溶液に混入しないか、など化成肥料などの溶液を培地に流し込むハイドロポニクスと違う大きな点で、消費者の不安を取り除く必要が高いと思われる点です。
生産者によっては管理が粗雑になるという心配もあるでしょうが、それは慣行栽培でも変わらない問題でしょう。

次に、その野菜の生育環境が必ずしも魚の飼育環境として最適であるかどうかという点です。
魚の飼育も奥が深く、Phの制御に始まり、KH、GHなどの水質指標があるほか、リン酸塩のコントロール、二酸化炭素を適度に流し込み、水草の生育を補ったりする必要もあります。
つまり、作物は各種最適なPhがあるのは家庭菜園のレベルでも意識するものですし、魚によっても最適値は異なります。アルカリを好む魚、酸性を好む魚、それぞれです。
もちろん温度帯も違いますし、果たしてある作物を生育するのにどの魚が最適解なのか。そもそも魚である必要があるのか。
水族館で魚を飼育しながら野菜を水槽上部で作るのでしょうか。疑問が尽きません。

筆者の見解としては、あえてそこを攻める意義やメリットを見出せないのですが、まだまだ不勉強なのかも知れません。
一度元同僚の彼に話を聞いてみようと思いました。

今回は以上です。
お読み下さりありがとうございました。

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