35年のサラリーマン生活を卒業し、独立したきっかけ ~その1~

あと数年で定年、という歳までサラリーマンをやってきた身にとって、サラリーマンとしての「あがり」は当然ながら見えています。
普通のサラリーマンであれば、それなりの退職金をいただいて、第二の人生をどうしようか、などと考えるところですが、僕の場合はそうもいかないのです。

42歳の時に勤めていた会社が倒産。
福岡県のソフトウェア開発会社でした。
東京であれば、同業種への転職先もあったかもしれませんが、地方都市でソフトウェア開発会社のマーケティング部門勤務となると、なかなか就職先も見つからないものです。
その後、ぼくは4回も転職を繰り返すことになりました。
そんな事情から、退職金をもらって悠々自適、というサラリーマンのあがり方とは無縁となったわけです。

定年退職したあとも、働き続けなければならない。
そう考えるようになってから、定年後の働き方をずっと考えてきました。
パン焼きが得意だったのでパン屋さんになろうか。
ベジタリアン料理が得意だったので、ベジタリアンカフェを開こうか。
実家がお店をやっていたことがDNAに刷り込まれているのか、
仕事をやろうと考えるときは、だいたいお店を思いつくようです。
実際、レンタルキッチンを借りて、週末カフェを8年間も続けていたので、
カフェをやるためのノウハウはある程度身についていました。
ところが、2020年のコロナ禍で、世界は一変します。
感染を恐れて来店客が激減し、飲食店が次々につぶれていくのを目の当たりにしたのです。
「食」にかかわる仕事は需要がある、と思っていましたが、飲食店は予想外に脆弱な基盤の上になりたっていたのです。
これは、カフェ開業はリスクが高すぎる。
どうしたものか、と、今一度、自分を見つめなおすことになりました。
コロナ禍での在宅ワークが、その時間を与えてくれました。
(つづく)


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