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☆RollingStones参戦録 2006 3/22 in Japan

ストーンズ初日。
東京ドームへとワクワクと出かけた。
水道橋の駅をおり、ベロマークをつけているひとを発見。
武道館のときには、九段の駅をおり、階段で地上に出るころには、周り中がほとんどベロマークになってしまい、背筋がぞくぞくしたが、今回はどうだろう?
到着は、午後6時ごろ、仕事が意外とはかどり予定よりも一時間ばかり早い。まずは、降り出した雨の中をぞくぞくとあるいはそそくさと集まるファンを眺めながら日本酒のワンカップを一杯。
いろんな世代の人たちが待ち合わせをしていたり、親子で歩いている風景は、ストーンズのコンサートにお馴染みのもの。
平日で時間も早いためか、目だってストーンズという雰囲気でもない。来日も数回を超え、看板ひとつとってみても、だんだん地味になり、今回はついに文字だけだ。それでも、ドームに人がだんだんと集まってきて、一杯飲んでよい気持ちになったころには、ドームの各入り口付近には人があふれ出している。
コンサート前に一杯やるなじみの居酒屋にいる知り合いに挨拶し、すっかりおとなになった娘さんをからかい、ストーンズは午後8時からだって、という情報を仕入れて、すでに目をつけいていたチェックの甘そうな入り口からドームへ。何せ、ストーンズをみながら日本酒をやるには工夫がいるわけです。

まずは、ステージの点検?
びっくりしたことに、まぁ、呆れたことに、そして感動したことに、例のスーパーマーケットの駐車場がそのまま来ているではないか!
さらに、Bステージの位置が今までよりもずっと奥のほうに伸びている。
これなら1階席の1塁側、26列以内50~200番まではご機嫌だろう。この席で3/24に出物があったらすでに購入する気になっている自分にほとほと呆れて、これもドームでは初体験の酎ハイを飲んでみる。

酎ハイ片手にスタンド席をうろちょろしているうちに、前座の始まり。午後7時。
そろそろ自分の席へ。
アリーナ A17ブロック 64番。
ステージ、キースよりのさらに右より。正面を向くと、ステージの袖とその後ろにある誰もいない座席と看板の長島名誉監督に笑顔されるのでほぼ90度左に向かってステージを見ることに。
これはこれで楽しい。

午後7時半過ぎ、前座終了。場内は明るくなり、トイレにゆくひと多し。
午後7時40分、ステージ上では、最終点検作業中。目の前の袖では、ミックが転ばないように、敷いてあるカバーがめくれないようガムテープで一生懸命におじさん(私よりはるかに年下だが)が貼り付けている。その作業の出来を点検しにくるおじさんまでもいる。

ストーンズはやはり午後8時という情報が警備員に聞いた知り合いから入る。
では、と、場内散策。

私が目をつけていた1塁側のの席の1ブロックが完全に空いている。変だ。武道館のときにもこういうことがあったが、直前にほかの席から集団で移動していた。このブロックが空いていたのでは、Bステージが台無しだ。今回もおそらくそうなるだろう。

やがて、午後8時、ステージのおじさんたちはほとんどいなくなった。
マスコミのカメラマンたちがステージのすぐ下に引率されてきた。

そして

明かりが落ち

正面の映像にベロマーク登場でアニメ開始、終了。

すぐに、あのフレーズ!!!

Jumping Jackだぁ!!!

ミック登場!!!
キース、意外に軽快に登場。
チャーリーのドラミングがはらわたに響き、世界でいちばん楽しくやっかいなコンサートが始まった。

Tokyo Dome, Mar 22, 2006 (資料提供:Miyuki No.20060322221210)

Jumpin' Jack Flash
最初はやはりこの曲じゃなくちゃ。
ミックの動きがとても良い。
キースも良いぞ。

Let's Spend The Night Together
同名映画の映像が今のステージ風景にダブって見える。
ひょっとしてこの曲を生で聴くのは初めてかと思ったほど新鮮に聞こえた。
それだけ今回のコンサートは新味にあふれていたのだろうか?

She's So Cold
こういう曲も生で聴けるんだと感動。
「VIDEO REWIND」という擦り切れるほどみたビデオに入っていたビデオクリップではミックがロニーの首を絞めていたので期待したがさすがになかった。
あちこちと思いをめぐらせていると、目の前にミックが!
マイクを置いて、踊っている。

Oh No Not You Again
私的にはドリンクタイム。
秘蔵の日本酒を味わう。体を斜めにして見ているので、後ろの列のひとが隣のひとのよう。
後ろには、なんと5人家族。一番上の子でも小学校に上がっていないくらいか?
お母さんに抱かれている末っ子が、私の飲んでいるものを注視している。あげたいけど、これは大人の飲み物なのさ。
この家族、なんとも良い雰囲気で気に入った。

Sway
これもついに生で聞いてしまった。
およそ30年前にバイトしていた会社は、午前9時はじまりだったが、その時間に来るのはその日の電話番だけで、ストーンズフリークが多かったその会社では、毎朝電話番が自分の好きなレコードをかけながら掃除をしていた。朝のアルバムで圧倒的に人気だったのが「StickyFingers」。レコードに針を落として、全部の窓を開け、クリーナーを取り出して、床掃除を始めるとこの「SWAY」が始まっていた。
かくして、曲の色っぽくも荒涼としたイメージは、朝のクリーナーのテーマ曲となっていた。

As Tears Go By
ステージに椅子が出され、アコースティックであることがわかると何を演奏するんだろうという期待感がいやがうえにも高まった。
キースが腰掛け、ミックに会場を横切るような長いスポットが当てられ、始まった。
何と美しい光景だろう。
ミックもキースもこの世の人とは思われない。
私のストーンズ初体験は遠く10代のころのレコードだが、そのときの初めの感想は、「彼らは別の世界からやってきた」だった。
はからずも、涙がでてきた。

Tumblin' Dice
今回の席は音的には、爆音状態で、キーストロニーのギターサウンドをチェックするには至らないが、この曲が始まると「EXILE」ではじめてこの曲を聴いたときの粗っぽい録音を懐かしく思えた。

Rain Fall Down
私的には、ドリンクタイム。
隣の一家の子供たちのほほえましい様子を見ながら、なかなか名曲じゃないか。

Night Time Is The Right Time
こういう大会場でこういう曲を演奏するストーンズが好きだ。
今回出番の少なかったリサの見せ所はここだ!!

(Band Introductions)
残念だったのは、私が偏愛するボビー・キーズのポジションがステージ右の一段高くなっているところ。
このひとは、ほとんどストーンズなのだから、ミックやキースと同じフロアで、もっと絡んで欲しかった。
武道館でのBrownSuguarのミックやキースとの絡みは忘れがたい。

This Place Is Empthy
キースは、ミックに比べるとほとんどステージの中央にいて動きがなかった。いつものことではあるが、急に客席に下りていってオーディアンスをびっくりさせることも。
この曲では、朗々?とした歌いっぷり。

Happy
もうほとんど草書体と化している名曲に惜しみない拍手を!

Miss You
さぁ、いよいよBステージが動き出した。
曲自体は、前のようなリサとの絡みもなく、シンプルに演奏。
それにしても、ずいぶんと奥までゆくもんだ。
目をつけていた席がうらやましい。

Rough Justice
ステージも遠いし、ドリンクタイム。
近くにいた少女たちがステージのほうへと駆けていった。後で聞いたところによると、ほとんどまん前まで行けたそうな。

Get off My Cloud
HEy!HEY! You! You! と両腕を振り上げて叫んでいると、激しくデジャブに包まれ、何回か前の公演にいるかのような変な気持ちになっていったが、隣の子供が不思議そうな目で周りをみているのが可愛い。

Honky Tonk Woman
Bステージの取り残されたメインステージ上に巨大なベロが現れ、おなじみのHONKYTONKが始まった。

Sympathy For The Devil
メインステージに戻り、お約束の曲を一発。
ロニーががんばるが、私はだいぶ酩酊状態に。

Paint It Black
このタイミングでこの曲がでるのは今回のツアーの傾向なのだろうか?
とても意外だった。
出だしのキースの音がむちゃくちゃ割れて聞こえ、私の席でこの曲を味わうのはちょいとたいへんだ。

Start Me Up
さぁ、体操の時間だ。

Brown Sugar
待ってました。これぞストーンズ!!

You Can't Always Get What You Want
アンコール1曲目。
アンコールがこれでは盛り上がりにかけるのでは、という心配を吹き飛ばして、ドーム中のオーディアンスがミックと一緒に歌っている。
こんな歌詞がこんな大勢でうたわれるのってけっこう不可思議のことではないだろうか。

Satisfaction
遂にこのナンバーになってしまった。
2曲目でミックが目の前に来たときに、最後のSATISFACTIONでキースが来るなと思っていたのだが、そのとおり。
キースが元気にやってきた。
もちろんミックも。

そして、ついに怒涛のうちに終了。

カーテンコール 拍手、叫び、拍手、叫び

終了してもしばらく会場も暗いままで余韻があり、再アンコールかともという期待が流れたが、さすがになかった。
残念。

終わってみれば、世界最高のロックバンドのパフォーマンスを楽しんだことが反芻され、心地よく舞台の袖から袖を疾走するミックはいつものミックだし、ときどき手抜きをしているかのようなキースも健在だし、何よりも力強いビートをきざんだチャーリーは最高のドラマーだし、何か表情の乏しかったロニーはちょいと心配だが、ストーンズはストーンズだった。

これがとても嬉しい。

隣の五人家族の皆さん、ありがとう。
ほんとの隣の「VooDOO」からストーンズにはまったという、ストーンズのロゴいりのジャンパーにはじまり、いくら脱いでもストーンズが出てきて楽しませてくれた少年少女(じっさいは、20代だろうな)、ありがとう。

ストーンズの演奏が始める前に、それまで空いていたスタンド席にどこからか人が移動してきたときに、会場中の視線が向けられ、私の前のほうにいらっしゃった女性たちが5~6人ほどいっせいにふりむきましたが、あなた方の10代のころの表情が私のしばらく開けなかった引き出しから飛び出してきました。どうもありがとう。


2006.03.26記


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