【初級者から上級者まで!】オススメの音楽理論書
こんにちは。
作曲家の天休です。
今日は「オススメの音楽理論書」というテーマでお話させていただきたいと思います。
以前、質問箱の方で「オススメの音楽理論書を教えてください」というご質問をいただきました。
ありがとうございます。
確かに、僕は音楽理論系の本が大好きで、かなりの量を読んできました。
しかし、はじめに言っておきたいのですが、僕は、作曲は本だけじゃ学べないと思っています。
一番重要なのは、その音楽を演奏することです。
バンドでも、オーケストラでも、ヒップホップでも、まずはその音楽のプレイヤーになって、その文化や常識に触れることが大切だと思います。
僕もオーケストラ出身なので、管弦楽法はすんなり学ぶことができました。
なので、作曲をしたいのであれば、まずはその作曲したいジャンルのプレイヤーになることが何より重要だと思っています。
そうすると、楽しみながら音程とか、コードのことが何となく理解できるはずです。
そのうえで、作曲を本格的に勉強したいのであれば、作曲の先生につくことをオススメします。
なぜなら、作曲で何より重要なことは自分の感覚を是正することだからです。
自分が作った音楽が、他の人が聴いたらどう聴こえるのか?
自分の感覚が世の中とどれくらいズレているのか?
それは自分で気が付くことはほぼ不可能に近いです。
たまに独学で作曲を学んだという方もいらっしゃいますが、それで成功している人は、他人の何十倍も音楽を聴きまくって、自分で自分と世界のズレを認識することができた一握りの天才だけです。
普通は、他人に聴いてもらって、アドバイスをもらうことで初めて自分の感覚のズレを認識することができるのです。
しかし、そうは言っても、作曲レッスンに通うほど金銭的にも時間的にも余裕がない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、はじめて音楽理論書の登場です。
前置きが長くなってしまいましたが、音楽理論書はただの地図です。
地図だけでは目的地に到達しません。
あなたが足を動かして、実際に行動することで、はじめて目的にたどり着くことができるのです。
さて、今回はそんな音楽理論書の中から、僕が最も影響を受けた音楽理論書を紹介させていただきたいと思います。
それではいってみましょう!
1.作曲基礎理論: ~専門学校のカリキュラムに基づいて~
僕は作曲を井原恒平先生に習っていたのですが、その井原先生が書かれた本です。
「専門学校のカリキュラムに基づいて」なんて書いてあると、「え~専門学校~?」なんて拒否反応を起こす方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ぶっちゃけ、音楽理論書はこれ1冊だけで十分です。
今日の記事はこれをご紹介するために書いたと言っても過言ではありません。
僕が井原先生に習っていたということもあるのですが、僕の作曲技法はほぼ全てこの本に書かれている内容です。
それぐらい凄いです。
何がすごいのかというと、クラシック理論もジャズ理論もポップス理論も網羅的に解説されているということです。
作曲理論書のほとんどは、クラシックなら和声法、ジャズならモード理論、ポップスならコード理論のように、書かれているものが異なります。
そして、そのそれぞれが、どうしたら作曲に繋がるのかが分かりづらいのです。
例えば、作曲を始めようとして芸大和声を買ったとしましょう。
しかし、独学でバス課題などを解いていても、これがどう作曲に繋がるのか、いまいちピンと来ないせいで挫折してしまった方も多いと思います。
しかし、この井原先生の本は全ジャンルを網羅的に扱っているので、どのジャンルの作曲家を目指す方も参考になると思います。
特に、現代作曲の基礎理論、モードとコードの関係が整理できていない方にはオススメです。
例えば、AマイナーキーのE7は通常EHmP5bスケールを使いますが、これをEミクソリディアンにしてモーダルインターチェンジする技法が使えていますか?
どのコードに対してどのモードが対応するか、そしてどうモーダルインターチェンジするのか。
これは現代作曲の基礎の基礎です。
この辺があんまり分からない方はこの本で整理してみると良いかも知れません。
初級者、中級者の方はもちろん、上級者の方も新しい発見がある本だと思います。
ただ、この本メチャクチャ読みづらいです笑
誤解がおきないように正確な表現がされているため、かなり文字数が多いです。
なので、作曲が本当に初めての方は、この本を頭から読もうとせず、興味がある部分だけを流し読みするのがオススメです。
2.Instrumental Jazz Arranging
これは全文英語です!
そしてめっちゃ分厚いです!笑
なので英語が大丈夫な方だけになってしまいますが、オススメです。
どういう本なのかというと、ハーモナイゼーションやヴォイシングの細かい技術がたくさん書かれています。
例えば、ジャズのハーモナイゼーションは基本的には4声です。
しかし、ジャズのコードはテンションコードなどがあり、コードを構成する音数がかなり多いです。
この音のうち、どの音を残せばそのコードのクオリティを保つことができるのか、という内容などが書かれています。
かなり上級者向けの本です。
英語が大丈夫で、作曲家のプロを目指していて、ジャズアレンジに自信がない方にはオススメです。
3.実践コードワーク Complete アレンジ編
これも中~上級者向けですね。
アレンジ系の理論書には珍しく、シンセサイザーなども扱っています。
「Instrumental Jazz Arranging」ほどではありませんが、ハーモナイゼーションの基礎なども載っているので、はじめのうちはこっちを買った方が良いかも知れません。
特に、キーボード、ギター、ストリングスなど、ポップスに重きを置いたアレンジテクニックが書かれているので、ポップス系を目指す方にはオススメです。
ただ、この本もそこそこ厚いので、初心者の方がいきなり買うような本ではないかもしれません。
4.作曲の「タネあかし」とイメージした通りに作曲する方法50
「いや、もっと簡単にパパっと作曲が学びたい!」という方は、いろんな曲のコードを分析するのがオススメです。
有名な曲のコード進行をそのまま使って、別のメロディを乗せれば、簡単にそれっぽくなりますから。
というわけで、この2冊はそういったコード進行が載っている本です。
特に劇伴で使うような、この感情にはこのコードを使うというのが載っています。
ちなみに、僕はコードから曲を作るのはあんまり良くないと思っているので、ぶっちゃけそこまでオススメじゃありません笑
とりあえず理論はいいから、感覚でガシガシ曲を作っていきたいという初心者の方には良いと思います!
おわりに
いかがだったでしょうか?
今日は「オススメの音楽理論書」というテーマでお話させていただきました。
最初にも言いましたが、音楽理論を習得する一番の近道はプレイヤーになることです。
音楽理論だけでは、そのジャンルの文化までは理解できません。
そして、文化が分からなければ、永遠に「なんとなくそれっぽい」音楽を作り続けることになってしまいます。
なので、音楽理論書に頼るだけでなく、自分で演奏し、創作し、人に聴いてもらうことで、音楽スキルを磨いてみてください!
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