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Radical MarketsをDAOで実現できるか?Henkakuコミュニティでの導入を検討してみた

こんにちは!tenpapaです。

今回は、Radical Marketsについて、考えを書き記したいと思います。

Radical Marketsを日本語訳すると、「急進的な市場主義」という単語になりますが、この言葉を知っている人は少ないかと思います。

Radical Marketsの考え方を簡単に解説してくれる文章がこちら↓↓↓↓↓↓

「すべての物をオークション形式で競売にかけ、最も高い価格で入札した人がその物の一時的な所持権を得る。そのかわり、その物の入札価格に対して毎年一定の税金を収める必要がある。またこの所持権は常時オークションにかけられており、自分よりも高い価格で入札した人が現れた場合直ちにその所有権を渡さなければならない。このシステムを導入することにより、Allocative efficiency(効率的資源配分)とInvestment efficiency(投資効率)の両方が達成される形で、マーケットは今までにない経済効率化を実現することができる。」

Radical Markets ― 革命的なマーケットによる新社会経済の創造とインパクト

この考え方を適用させると独占的な所有権は存在せず、あくまで一時的な所有権のみが存在する社会が出現します。

詳しい解説をしてくれている参考文献は文末にまとめておくので、気になる方はチェックしてみて下さい。

なぜRadical Marketsなのか?

土地」の話が一番分かりやすいので、土地の例で解説してみます。

現在の資本主義のルールにおいては、基本的に何でも購入が出来て、何でも自分の権利を主張できます。※国によって違いますが

例えば日本においては、土地の所有権を購入すれば政府であっても簡単にその権利を取り上げることは出来ません。

しかし、その権利が認められているがゆえに、最も効率的に土地が活用されていない状況が出てきます

例えば、空き家。世田谷区の成城学園前に空き家があったら、だれもが欲しがるはずです。しかし、空き家の所有者が「あれは、僕の好き勝手にするんだ!」と言えば、(勿体ないけど)長年空き家のままにすることだって可能です。

しかし、それって勿体ないですよね?無駄だと思いますよね?
もしかしたら、その土地を1億円で購入したい!って人がいるかもしれないし、改装してセレブ向けにお店をやりたい!って人がいるかもしれない。

でも、所有権があることで勝手には動かせなくなってしまう。すると資本効率が悪いって事になるのです。

であれば、土地の期限付きの所有権は認めるけど、永久的な所有権を認めないという形で解決しようよって話に出来ます。これがRadical Marketsです。

Radical Marketsは資本効率を最大化するには、その瞬間に、そのものに最も価値を感じている人が所有権を持つべきだという考え方をしています。

僕はキーボード好きなのですが、「今は」キーボードへの愛情や熱量が半端じゃないけど、6か月後には冷めているかもしれない。その時、その時点で最もキーボードに価値を感じている人が所持する方が資本効率が良くなるはずです。

もし僕が「もう一度キーボードが欲しい」ってなれば、再度手に入れれば良いわけですからね。

皆さんは、こんな世界はどうですか???

DAOにおける「土地」とは?

さっきまでは「土地」を例に出して話をしました。土地が分かりやすいのは、リアルな世界では土地は生活するのに必須だからです。

必須だからこそ所有をしたい、所有をする訳ですけど、その分、資本効率が悪くなることも多い(みんなが所有するので)。だから、土地が最も分かりやすい例、かつ有効な例として扱われるのです。

では、DAOではどうか?って話になります。

僕は色々と、う~ん・・・と唸りながら3日くらい考えた末に出て来たのが「統治権」では?という回答です。

理由については具体例を交えた方が分かりやすので(説明しやすいので)、次章に続きます。

Henkakuコミュニティでの実践方法

そもそもこの話が出て来たのは、Henkakuコミュニティにおいて様々なプロジェクトが誕生してきていて、そろそろ各プロジェクトが単体で独立して運営されるべき時期を迎えているから。

そして、プロジェクトが独立しても、それぞれのプロジェクトが停滞せずに変革を起こしていくためにはどういう形でgovernnanceするのが良いんだっけ?と話が盛り上がったからです。

一般的には民主主義的なプロセスで、多数決で決めていくみたいな話が多いのですが、そうすると「独占が起こる」「イノベーションが生まれない」という弊害が出てくるのも事実です。

多数決の話については、下記、gaudy石川氏やひろゆき氏が多数決を疑っています。

そんなわけで、民主主義的なプロセスじゃない形でgovernする方がよいかもね!ってなって、Radical Marketsの話に入ってきたわけです。


話を戻すと、Henkakuでの実践例を考えるのであれば、Henkakuからプロジェクトが派生する際には、各プロジェクトのリーダーに「統治権」を販売する。そして、その「統治権」を1年に1度オークションにかけて場合によっては他の人の手に渡るようにするって事が考えられます(販売の際の通貨は、Henkakuコミュニティ内で流通しているHenkakuトークンを使用)。

土地の話で大事なのは、今日の僕には必要な土地でも、1年後の僕には不要になるかもしれない(不要じゃないかもだけど、価値が下がるかもしれない)という点。

統治する権利の所有権のオークションを1年に1度(毎年じゃなくても良いのでしょうが、分かりやすく毎年にしてる)することで、その瞬間に最も必要としている人の手に渡るのでefficiencyをallocate(効率性を分配)出来るだということです。

今日の僕・私には大事!と思っていたグループも、1年後には親の介護で統治権への価値が下がるかもしれない。そうすればオークションで他の人に引き継げるわけです。

そうすることで、独占やイノベーションが生まれない問題が解決する(されやすくなる)という事です。

独占的な所有権って本当に必要?という問い

Radical Marketsについては、参考文献と実際に本が出ているので、興味のある方は読んでみると良いでしょう。

僕が大事だと思うのは、「独占的な所有権って本当に必要なんだっけ?」という問いです。

たしかに今は独占的な所有権があるので、いきなり明日から「はい、所有権は無くなって、すべてが共有財産でーす!」ってなったら抵抗があるでしょう。

また社会主義的な感じが「共有財産」という響きにはあるので毛嫌いする事もあると思います。

とはいえ、シェアリングエコノミーなどが流行っていく中で、「所有しなくてもよくね?」って考え方は徐々に世の中には浸透しているように感じます。

この議論をキッカケとして、独占的な所有権の意味や意義を話すのは良いと思いました。

Henkakuコミュニティでの進捗があれば、noteにて報告したいです!

読んで頂き、ありがとうございました!

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参考文献

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