手のひら先生の高麗手指鍼療法 49 東洋医学とは その11 自律神経と調節方法 2
昨年出版できたのも、その前年韓国で「手のひら先生の高麗手指鍼療法」理論を発表できたのも、三木茂夫東京芸術大学教授の「生命形態学序説」のお蔭でした。
手のひらにフェーズ ワンからスリーまで、それまでに高麗手指鍼ではなかったツボを発見しました。
これはフランス人ポール・ノジェ博士の耳鍼理論に習い、フェーズごとにツボを見つけたのでした。
これをその年にソウルで開催される「韓日高麗手指鍼学術大会」の発表論文にまとめていました。
ところが最後に論文の検討を始めたところ、「はて?このフェーズとは何を意味するのだろうか?」疑問が湧きました。
ノジェ博士の出版物は翻訳されており何冊も読みましたが、このフェーズに疑問を抱いていました。
その時は耳のツボは位相(フェーズ)によって次々にツボが現れるぐらいにしか思っていませんでした。
ノジェ博士もこのことについては説明していません。
フェーズ 6までツボは描けるとしていますが、フェーズは何を表すのか語られていません。分からなかったのでしょうか。
そこで同じような考えで高麗手指鍼の治療の場は手のひらなので、フェーズは耳鍼に習いスリーまで見つけました。
しかしそのフェーズは何なのか?
これでは論文発表できません。
期限はあと1か月先後です。焦りました。
その時1年ほど前に三木教授のご著書、手元に10冊ほど購入して少しづつ読んでいた中で「生命形態学序説」を手にしたところ、神が下りてきました。
「そうだ!フェーズとは進化の過程ごとを意味するのか?」と閃き、検証にはいりました。
4億年前の祖先は魚であり、次に鳥になりちなみに鳥は恐竜に属します。
さらに600万年前から人間の祖先が現れたことになっています。
フェーズごとの区別は進化ごとに臓器が変化するので、その特徴をとらえれば良いことになります。
コツは必要になるので、ノジェ博士も分からなかったのでしょう。
医師は腹式呼吸しか指導できない
人類の祖先から備わっている自律神経をコントロールするのは、西洋医学では薬もないので腹式呼吸ぐらいしかありませんでした。
それが安保徹教授の「爪もみ法」は鍼灸では一千年以上前から行われてきた治療法であったとは言え、自律神経を調整する方法として見方を変えたことで、画期的な治療方法になりました。
ゆっくり鼻から息を吸い、いったん止めて、口からゆっくり吐き出す。同時にお腹を膨らますことが大事になります。
自律神経は最初から備わっていたものです。
自律神経の働きを知ろう
安保福田理論は最初は福田稔医師が、「高気圧になるとなぜか盲腸の患者が増える」と疑問に思いその原因を探るところから始まったという事でした。
まさに自律神経の働きを探るところから研究が始まったわけです。
「生命とリズム」河出文庫刊 には、自律神経がもっと身近な不調に起きることを説明しています。
我々は不定愁訴と言う病気未満を表す言葉をよく耳にします。
しかしその原因や解決策を見つけ出すことはなかなか見出せないでいます。
この本の77ページには次のことが書かれています。
『私ども保健センターにおりますと、学生からいろいろの訴えがまいります。その中で西洋医学ではどこも悪くないと門前払いを食うような病気、言い換えれば不定愁訴を持つ”不調の半病人”がおります。これがわれわれにとってもっとも大切な相談の対象になります』
自律神経の不調は我々の身近に、病気とはされない形で我々の悩みの種になっているのです。
その種を拾って治す手段を教えてほしいのです。
高気圧が来ると体調が悪くなる、低気圧でも同じように不調になる。寝むれない日が続く、イライラが続くなど。
これらの現象がなければ、もっと活動的になれると考えている人はきっと多いと思います。
三木茂夫先生のことを知ろう
三木教授のご著書を購入したのは、治療に行きずまっていたこととその突破口を探している中で出会いました。
出会わなかったとしたら、論文発表は出来なかったことでしょう。
手元にある書籍の発行年を確認すると、およそ30年以上前になっています。
私が鍼灸学校に通い始めていたころで、まだまだ東洋医学云々にもたどり着けていない頃でした。
医師が様々なところで様々な形で、自律神経と病気のことを解説しています。
そして解決策として腹式呼吸を勧めています。
これをみていつも腑に落ちないで見ていました。
自律神経の働きが我々の日常の体調にどのように関係しているのか、それを詳しく説明してくれるものが皆無だったからです。
2,30年前はテレビに出てくる経済学教授の話が良く分からないと言われました。
アメリカの経済学者はテレビに出てくると、一般市民にも分かり易く話日本とのは格差があると言われました。
経済の話は現在はこのようなことが言われなくなりましたが、医学の世界ではまだなのかと思うわけです。
三木茂夫著「生命形態学序説」から手のひら先生理論は完成した
解剖学は学びます。鍼灸資格試験にも出題されます。
進化論もなんとなく学んできましたが、細部の臓器がどのように変わってきたかなどは教えられません。
鳥が恐竜に属する生き物だとは教えられていましたが、何を根拠にと言うのは疑問を持ち続けていました。
前も言いましたが、生命形態学を知って進化を知り鍼灸の秘密謎が解けた思いです。
魚から鰓が消え肺になり陸上に住むと呼吸が変わりました。
それとともに心臓の形も複雑になり機能も変わったのです。
現在のようにコロナウイルスなどに闘って免疫のシステムも複雑になり、生き残ってきたのかも理解できるようになります。
70を超えて体調不良が治りそう
自律神経のことを少しは深く考えるようになったのか、古代の治療家がなぜ神経を絵に残さなかったのか。
理解できました。
彼らは治療するのには神経を描くことは必要がありませんでした。
経絡調整と言う治療方法があれば必要がありませんでした。
神経のツボも必要がありませんでした。
経絡があれば神経の調整もできることが分かっていたのです。
その調整をすることで朝方悩みであった胃痛も、安定しない高血圧も治まってきたのです。
小学校の頃にこのことが分かっていたなら、さぞ今頃はゆったりとした老後になっていたかも。
いま体調は完ぺきとは言えませんが快調です。
その成果はすべての患者さんに処方を行っています。
自律神経の乱れは万病の元と言えるのは、「福田安保理論でもわかることです」が私が考えた自律神経調整法が少し勝っているでしょうか。
まとめ
1、医師でも分からないことがある
2、自律神経って難しい
3、三木理論がなければ鍼の進化はなかった
4、生命はず~っと繋がっている
5、残り少なくなって人生最高の体調になりそう
私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」
次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。
一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。
最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝いたします!!