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サンヴァイン初動の蟲惑魔展開

蟲惑魔デッキとは

遊戯王のテーマデッキ「蟲惑魔」はご存知でしょうか?

「落とし穴」通常罠カードを主体として戦うデッキで、イラストアドの高さから人気のテーマの一つです。
特に「セラの蟲惑魔」という上記のカードが強く、リンク1という出しやすさとは裏腹に、凄まじいアドを稼いでいきます。

しかし、このデッキ、展開力が実に弱いです。

最終盤面としては、リンク1の「セラの蟲惑魔」+エクシーズ4「フレシアの蟲惑魔」を目指す場合が多いのですが、専用魔法カードはなく、デッキのモンスターでテーマ内に召喚権を使わず展開できるカードがほぼなく、テーマ外に頼らざるを得ません。

よく使わられるカードがこの辺り

展開方法などは割愛しますが、こういった展開札+蟲惑魔の2枚初動となるケースが多いです。

とはいえ「セラの蟲惑魔」の特殊召喚自体は簡単ですし、彼女がいる状態で「落とし穴」罠カードの発動ができれば、敵の妨害+後続の罠をセット+蟲惑魔をデッキから特殊召喚と凄まじいアドを稼ぐことができます。

そのため上のようなカードは「初手で手札にあればラッキー」くらいの感覚で、主に罠カードの妨害をメインとし、こちらの盤面を返されないことを願う方法が一般的かと思います。

しかし先日、MD(マスターデュエル)で聖蔓の播種というカードが実装されました。

こちらのカードは植物族テーマ「サンヴァイン」を一枚初動可能にした非常に強力なカードです。
具体的には「聖種の地霊」という通常モンスターさえ場に出れば、フィールドに植物モンスター4体が並ぶ展開ルートがあります。

このカードを使用後は「植物モンスター以外のEXデッキからの特殊召喚」が制限されますが、蟲惑魔の主力モンスターはほぼ植物族なので問題ありません。

展開力が弱い代わりに、妨害能力+継戦能力の高い「蟲惑魔」と、1枚初動で展開力に優れる「サンヴァイン」を組み合わせた展開ルートをご紹介します。


最終盤面

最終的に1枚初動から、破壊耐性戦闘破壊耐性を付与した以下の盤面を目指します。

最終盤面

サンヴァイン初動の展開ルート

展開パターンは途中までは以下のURLを参考に組み立てていきます。

① 「聖種の地霊」を召喚する(召喚札となる一枚初動カードは後ほど紹介します)
② 「聖種の地霊」を素材にリンク1「聖天樹の幼精」をリンク召喚する。
③ 「聖天樹の幼精」の効果で魔法カード「聖蔓の播種」をサーチする。
④ 「聖蔓の播種」を発動。デッキからレベル2「聖種の天双芽」を特殊召喚し、1000のダメージを受ける。この後EXデッキから植物族モンスターしか特殊召喚できない。

「聖種の天双芽」特殊召喚成功時


「聖種の天双芽」は特殊召喚成功時に墓地の「聖種の地霊」を蘇生することができます。また「聖種の幼精」は自身がダメージを受けた時にそれを回復し、EXデッキから「サンヴァイン」モンスターを特殊召喚することができます。


⑤ チェーン1「聖種の天双芽」、チェーン2「聖天樹の幼精」にする。


上のチェーン順番は逆でも良いのですが「聖種の天双芽」の効果処理終了時に「聖天樹の幼精」のリンク先が塞がれていると「聖天樹の幼精」の効果が不発になります。慣れない内は⑤の順番を守ったほうが安全です。


⑥ チェーン2「聖天樹の幼精」の効果。EXデッキから「聖蔓の癒し手」を特殊召喚。1000ポイントを回復。
⑦ チェーン1「聖種の天双芽」の効果。墓地から「聖種の地霊」を特殊召喚。
⑧ 「聖蔓の癒し手」の効果。300ポイントを回復。


この段階でフィールドに4枚のカードが揃いました。

「聖蔓の癒し手」の効果解決後。ライフポイントが8300になる。



⑨ フィールドの「聖天樹の幼精」「聖蔓の癒し手」を素材にリンク2「アロマセラフィージャスミン」をリンク召喚。
⑩ 「聖種の天双芽」を素材にリンク1「聖天樹の幼精」(2体目)を特殊召喚。
⑪  「聖種の地霊」を素材にリンク1「聖蔓の癒し手」(2体目)を特殊召喚。
⑫ 「聖蔓の癒し手」の効果。300ポイントを回復。
⑬ ライフポイント回復時の「アロマセラフィージャスミン」の効果。レベル3「バラガール」をサーチする。

アロマセラフィージャスミンの効果解決後。バラガールをサーチしている。


EXデッキを圧迫しますが、⑩〜⑬のプロセスを経ることで任意の植物族モンスターを1枚サーチできます。今回は手札から特殊召喚する効果を持つバラガールをサーチ。


⑭ 「アロマセラフィージャスミン」の起動効果。「聖蔓の癒し手」か「聖天樹の幼精」のどちらかをリリースしレベル4「カズーラの蟲惑魔」を特殊召喚。
⑮ 植物族モンスターが墓地に送られた為、手札の「バラガール」を特殊召喚。

バラガール特殊召喚後


カズーラの蟲惑魔は「落とし穴」罠が発動した時、デッキから「蟲惑魔」モンスターを特殊召喚するかサーチすることができます。

「セラの蟲惑魔」はアドを稼ぐ前に壊獣などでリリースされることも多いため、「カズーラの蟲惑魔」+「セラの蟲惑魔」の2枚体勢にすることで確実にアドを稼いでいきます。

⑯ 「カズーラの蟲惑魔」を素材にリンク1「セラの蟲惑魔」をリンク召喚。
⑰ 「バラガール」と残った植物族リンクモンスターで「クラリアの蟲惑魔」をリンク召喚。
⑱ エンドフェイズ時「クラリアの蟲惑魔」の効果。墓地から「カズーラの蟲惑魔」を特殊召喚。
⑲ 「蟲惑魔」モンスターの効果が発動したため「セラの蟲惑魔」の効果が発動。デッキから「狡猾な落とし穴」をセットする。

最終盤面

以上で展開は終わりです。手札一枚からライフポイント8600で、以下の盤面を構築することができました。

相手のターンでは

  • 罠「狡猾な落とし穴」でフィールドのモンスターを2体フリーチェーンで破壊

  • 墓地の魔法カード「聖蔓の播種」の効果で1度だけ植物族リンクモンスターに破壊耐性を付与

  • ライフポイントが8600であるため、「アロマセラフィージャスミン」の永続効果で戦闘破壊耐性の獲得(ほとんどの場合1度のみ)

  • 「クラリアの蟲惑魔」で使用した「狡猾な落とし穴」を再度セットする。

  • 「狡猾な落とし穴」発動により 「セラの蟲惑魔」「カズーラの蟲惑魔」の効果をそれぞれ発動。2アドを取る。

  • 「カズーラの蟲惑魔」発動により「セラの蟲惑魔」発動。デッキから「落とし穴」トラップカードをセットする。

を得ることができます。相手が各種耐性を突破できずにモンスターを展開して「狡猾な落とし穴」の効果をモロに受けた場合、最大5アドを取ることができます。


「蟲惑魔」モンスターは基本的に耐性を持たないため、普通に展開すると最近制限解除された「サンダーボルト」や採用率の高い「ライトニング・ストーム」等によるモンスターの全体除去に弱かったのですが、聖蔓の播種を経由することで1度だけですが耐性を獲得できます。
MDのランクマッチでは、この効果に幾度も救われました。


何より1枚初動ということで、残りの手札に汎用札を詰め込むことができます。


採用率の高い手札誘発である「増殖するG」「灰流うらら」「ニビル」「無限泡影」等は全部致命傷になるのですが、一枚初動という利点を活かして「抹殺の指名者」「墓穴の指名者」等をいれることで対策ができます。

このルートの、今までの展開方法と比較した弱点をあげるとするならニビルラインを超えてしまうことや「蟲惑魔をよく知らないプレイヤーがセラの蟲惑魔に無限泡影を撃ってくれて、効果が無効化されないどころかセラの蟲惑魔の効果が発動してアドを稼げる」ことがなくなったことでしょうか……..


ただし「超融合」テメーはダメだ


一枚初動のカード達


先頭にMDにおけるレアリティも併記しておきます。

  • (SR)予想GUI(一番ひけると嬉しいカード。召喚権が残るため相手の手札誘発に一度邪魔されても展開ができるケースがある。)

  • (UR)ワン・フォー・ワン(こちらも手札消費と引き換えに召喚権を使わない)

  • (SR)ローンファイア・ブロッサム

  • (SR)ドラコネット

  • (N)聖種の地霊

  • (UR)レスキューラビット(デッキに2枚「聖種の地霊」が必要)

  • (UR)苦渋の決断(デッキに2枚「聖種の地霊」が必要)

  • (UR)サイバネットマイニング(手札を一枚使ってドラコネットをサーチ)

  • (SR)ピリ・レイスの地図(ライフコストと引き換え、ジャスミンの戦闘破壊耐性が消える)

「ブリガンダイン」や「パラエルエクシード」はサーチが難しかったのですが、「聖蔓の播種」はステータスが非常に恵まれているため、豊富なアクセス手段があります。

デッキを40枚にする場合、12枚ほど入れておけば初動札にこれらがくる確率は90%近くなります。おすすめです。


まとめ


いかがだったでしょうか?
イラストの良さから人気テーマだった蟲惑魔が、サンヴァインの1枚初動と展開力を借りることで初動が安定するようになりました。

従来のようなメタビート気味の展開ではなく、先行を取れたら返しのターンではワンショットキルを狙いに行くようなデッキタイプも狙うことが出来るかと思います。

従来では苦手だった後攻も、空いたデッキスペースに返しの札や手札誘発を詰め込むことである程度は改善できる兆しがありそうですね。

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