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テニス上達メモ037.テニスは「見た目」で勝負? 「ユニフォーム効果」について

「ユニフォーム効果」をご存知でしょうか。
 
これは、「人は身を包む衣服に、自他ともに多大な心理的影響を受ける」という心理学上の理論で、信憑性の高い事例が世界中から報告されています。
 
たとえば、普段はそうでもない人でも、上等な洋服をまとえば、立ち居振る舞いが優雅になる授業参観のご父兄の例
 
あるいは企業のユニフォームを着用すると、社会的ステータスや優位性を感じるビジネスマンの例
 
はたまた、ごく普通の青年が長ランを着ると、実際に態度がデカく、粗暴になるという学生の例
 
さらに、血を見るのも怖いというのに、ナース服に身を包むと堂々としていられる乙女の例
 
そして、普段は自信がないのに、全身のウェアを強そうにコーディネートすると、実際になんとなく強くなった気がして、メンタル的にタフになるというテニスプレーヤーの例

「そんなのあるか!?」と、いぶかられるかもしれませんが、みすぼらしいウェアを着ているよりは、何かしらの効果が期待できるかもしれません(逆にみすぼらしいウェアを着て、対戦相手を油断させるのは「逆ユニフォーム効果」?
 
またそれ以上に、相手に与える影響よりもさらに、「自分に与える影響が大きい」話は後述します。
 
こういう話をすると、「見た目で実力を誤魔化そうとするなんてナンセンスだ!」と思われるかもしれません。
 
「人は、外見よりも中身が重要だ!」と。
 
私も本質的には、そう思います。
 
意外に感じた読者も、いるかもしれません。
 
反感・嫌悪感を覚える向きもあるでしょう。
 
テニスゼロは声高に「心」を扱うくせに、「外見」を重視するだなんて「偽善か?」と。
 
とはいえ就職活動や恋愛に関するご相談をお受けする場合、私が差し当たってお勧めするのは服装に限らず「見た目磨き」です。
 
「採用されなくてもいい」「モテなくてもいい」というなら話は別ですが、人は見た目の影響を、どうしても強く受けてしまうからです。
 
いえ人に限らず自然界の動物も、クジャクはきれいな羽でアピールしようとするし、猫は毛を逆立てて、自分を大きく見せたりしようとする
 
国でさえ、武器を保持した広義の「見た目」で、影響力の誇示をする
 
ドスの効いた声で脅されると、やっぱり気圧(けお)されやすいのではないでしょうか?
 
社会的動物である以上、人は孤立して生きられず、他者との「つながり」に関わるのが真っ先に「見た目」というわけです。
 
このユニフォーム効果は、「メラビアンの法則」でも説得力を補強できそうです。
 
人の印象を左右するのは、話している内容の「中身」よりも、むしろ話し方や身振り、表情、声質、勢いなどのいわば「外見」が影響する割合のほうが、圧倒的に高いという法則。
 
私たちは知らず知らずのうちに、外見を通じて「この人は性格が良さそうだ」「あの人は気難しそうだ」「こいつは気が弱そうだ」「面白そうだ」などと、それが正解かどうかはさておき、過去の記憶からパターンをさかのぼって瞬時にレッテルを貼ります。
 
つまり、自分でも気づかない一瞬で、「外見からの影響を受けている」のです。
 
私たちに学習能力がある限り、この「呪縛」から逃れるのは容易ではありません。
 
ユニフォーム効果に限らず、対戦相手の動揺を誘うために「わざと」やっていたとささやかれるジョン・マッケンローの「派手な抗議・暴言」なども、広義の意味で「見た目」による威嚇・攻撃(口撃?)と言えるかもしれません。
 
当時交際していた女優のテータム・オニールをして、「(彼の苛立ちを示すパフォーマンスは)役者顔負けの演技よ」と言わしめました。

もちろん暴言などは褒められた行為ではないかもしれないけれど、見た目における工夫の施しようがいくらでもありそうなバリエーションを示唆するといったら、不謹慎でしょうか。
 
メンタルの影響が、特に関わるテニスです。
 
そして「見た目」というのは相手に与える影響以上に、「自分に与える影響」も大きいものです。
 
普段のジャージ姿で街へ出かけるよりも、とびきりオシャレなファッションに身を包んだ方が、気分がアガるのではないてしょうか?(←あくまでもTPOであり、「ジャージがオシャレではない」などと言いたいわけではありませんので、悪しからず)。
 
「自分の機嫌は自分で取る」などと言いますが、見た目による工夫、つまり「ユニフォーム効果」でそれができる可能性は極めて即効性が高く、手っ取り早いと言えます。
 
ノルディックスキー・ジャンプ高梨沙羅の言い分などは影響力があり、とても参考になりますね。
 
足元はサンダルでTシャツ&短パン姿の営業マンから、「高級セダンを買いたい」という人はあまりいないでしょう。
 
髪の毛が整えられずボサボサで伸び放題の美容師に、「きれいにカットしてもらいたい」という人もあまりいないでしょう。
 
それ以上に、相手に与える影響よりもさらに、「自分に与える影響が大きい」ユニフォーム効果。
 
「自分の機嫌は自分で取る」ことができる自己コントロール力への信頼は計り知れません。
 
ユニフォームに限らず、広義の「見た目」を工夫して自他に影響力を行使する「ユニフォーム効果」、効果ある……かもしれませんね! 

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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