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質問017:ナチュラルスピンサーブのコツは?

ナチュラルスピンサーブのコツを教えてくれませんか??

回答
恐らくお便り主様は、スピンをかけてサーブの飛距離を安定させたいのだろうと想像します。
きっと、左右のミスは問題ない。
深さのコントロールに不安がある、のではないでしょうか?

ところでお便り主様は、サービスライン付近(かなり手前)から、スピンサーブを打った経験はおありでしょうか?
これなら入れることは、きっと難しくないと思います。

では、少しずつ下がって、同じようにスピンサーブを繰り返します。
デッドゾーンあたりならまだ入れやすいと思うのですが、ベースラインに到達した正規の位置でスピンサーブを入れようとすると、きっと入らなくなるのだと思います。

ところが、さらに下がって1~2メートル後方から打つと、また入りやすくなるんですね。

多少強引に打っても、重力と空気抵抗が働いて落ちる。
オーバーしなくなるから、あとはネットミスさえ気をつければ入る、というふうにハードルが下がるからです。

何が言いたいのかというと、テニスコートというのは非常によく計算されて作られていて、手前からや後方からなら入れやすいけれど、ベースラインから打つとちょうど、サーブは入りにくいようにできている、ということです(だからテニスは難しい、反面、面白い要素にもなっています)。

では、「一番微妙な距離感」のベースラインから打って、サービスボックスにコントロールするにはどうすればいいかというと、今やった、簡単な「手前」や「後方」から打ってみることです。

これは、「ドの音」の高さを知るには、「ド」だけを聞いていたのではわからず、それよりも低い「シ」や、それよりも高い「レ」を聞くことで、「ド」の高さが自然と分かるようなものです。

ところが大抵の人が、「ド」の音だけを聞いて「ド」の高さを知ろうとしているようなもので、ベースラインからしかサーブを練習しないから、いつまで経っても距離の感覚がわからないでいます。

効率を求めると非効率になるという原則はここにも働いていて、「どうせベースラインからしか打たないのだから、その練習だけやるのが効率的だ」と判断としてしまうと、逆に上達は遅れます。

一見するだけだとムダのようですが、メチャクチャなところからも打ってみたら、それを新たなイメージの書き換えに利用できます。
遊びのような練習が結構役立つのは、こういう理由によります。

スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero