質問1534:テニスのやる気が出ない時、どうしている?
回答
やる気が出ないご自身は、「怒っている」のです。
2023年7月現在、私の住む東京では、連日の気温が体温に迫る猛暑日が続いていますが、それで「やる気が出ない」という人は、「嫌だ嫌だ」と、怒っている。
それはさておきなぜ、怒りが生じるのかというと、それは仰せの「勝ちたい」「強くなりたい」という欲の動機でテニスをされていたからです。
まるで「金をくれるならテニスやるぜ!」という感じです。
心理学では外発的動機といいますね。
自分の内側からやる気が湧き出る内発的動機ではなく、外側の報酬などによってやる気を出す外発的動機に依存している状態と言えるでしょう。
ところが面白いことに、お金をもらうとやる気が「なくなる」のです。
うろ覚えの実験で申し訳ないですが、テレビゲームをやめられない子どもに、1回やるたびにお小遣いを与えたら、なんとその子どもは、ゲームのやる気がなくなってしまいました。
普通なら「好きなゲームができて、さらにお小遣いももらえるなんてラッキー!」と思うかもしれませんけれども、さにあらず。
労働と同じで、外発的動機の報酬に依存すると、やりたくなくなるのですね。
それが証拠にテニスが大好きで職業コーチになったはいいものの、途端にテニスが「義務」「重荷」になって、「嫌い」になってしまうケースは枚挙に暇がありません。
外発的動機=欲は、そのような怒りに転化する心理作用をもたらすと、ご承知おきください。
ではどうすればいいでしょうか?
例えば芸術家は見返りなしに、自分の作りたい作品を作ります。
人に認められたいとか、感動を与えたいとか、ましてお金が欲しいとか、そういう欲は抜きにして。
すると「寝食を忘れて没頭する」というふうになります。
テニスも同じで、勝ちたい、強くなりたい、人に認められたいなど、こういう欲が入り込むと、一時的には頑張る力が出るように錯覚するのですけれども、今ご体験されているように、やがてやる気はなくなります。
繰り返しになりますが、欲は怒りへと転化する性質があるのです。
私がおすすめするのは、相手プレーヤーや見ている人などは「完全無視」して、この世にご自身とボールだけがあって、2人で調和しながら楽しむテニスです。
これも改めてどこかでご紹介することになるでしょうけれども、テニスゼロの読者のなかに音楽家がいらっしゃって、「私にとってテニスは、ラケットとボールで奏でるハーモニー」といった方がいらっしゃいましたが、そんな感じかもしれません。
見ている人も相手プレーヤーも「完全無視」だから、人目を気にして緊張したり、相手の動きに惑わされたりすることもなくなります。
強くなりたいとか、勝ちたいとか、認めてもらいたいとか、そういう欲は抜きにして、陶芸家がろくろに向き合う無心の境地で、テニスをプレーされてみてください。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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