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"東京で、台湾に会いましょう" FILE:01 中国茶&bar 染香(府中市天神町)

―台湾でパフォーマンスができる。
でも、台湾ってどんなところだろう?
あまり知らない...
そんな私たちが"台湾"を知っていくストーリー
『東京で、台湾に会いましょう』

※この企画はラジオフチューズ「シネマイムパラダイス」の同コーナー連動記事です。
よかったらラジオも聞いてください。
87.4MHz ラジオフチューズ 毎週水曜 22:30-22:48「テンナインのシネマイムパラダイス」


「スピリチュアル」が身近な国

ーはじめに
来年のパフォーマンス先のため台湾に会いましょうとタイトル付けしていますが、
中国も台湾も両方体験していこうと思います。
複雑な関係も一緒に学んで行けたらと。


今回は中国茶、台湾茶。
飲料=酒だった自分がお茶の魅力を知ったのは数年前。
ある冬のそれはそれは寒さの厳しい日だった。
昼の2時とかそれくらいなのに、芯まで冷える。
温かい電車から降ろされた自分は、震えながら避難場所を探していた。
そんなときに目に留まった1件の台湾茶店。
そこでの1杯と静謐な時間が、器から立ち上る湯気の画と混じってか、幻想的な記憶として心に残った。
それからは、茶器を買ってみたり、代表的な東方美人茶以外にもいろいろと試してみたり。
つまり、ハマったわけです。

そんな私が、Google検索してつまりググって見つけたのが今回の「染香(らんしゃん)」さん。
なんとラジオフチューズさくらスタジオから近いじゃないか。
盲点でした。

8月のもう当たり前のような猛暑日の夕方、同じくテンナインの真樹さんと連れ立ってお邪魔してきました。
店構えは落ち着いた雰囲気で、主張も少ない。
木の重たそうなドアを前に、少しの躊躇と入ったら別空間に浸れるという期待がこみ上げてくる。
店内はカウンター5、6席とテーブル席。
テーブル席には中華っぽい雑貨?や本?が並んでいる。
薄暗い室内に、夕暮れに近づき少しは加減してくれている日差しが射す。
静謐。

カウンターに座り、お茶を注文。
お店によって少し違うけど、だいたいは器にお湯をはっておき、急須でお茶を淹れる。
お茶っ葉のよきところで、器のほうのお湯を捨てる。
すっかり温まった器に急須からお茶を注ぐ。
という段取り。
器は小さめ。1回の茶葉で4、5煎は飲むのがおそらく一般的。
なので結構時間をかけて味わう。
時間の過ごし方は自由。読書、スマホ、ぼーっとする、会話。
今回はぼーっとしつつ、真樹さんや店主との会話をはさんでいくスタイル。
こういうふうに呆けていられる場所というのは、ものすごく貴重なんじゃないかとか思う。

で、何煎目かをぼーっと飲んでいると、店主が「シンギングボウルもやりますよ」と仰った。
そのうちメニューに取り入れようと思っていると。
初めて聞く単語がお茶と繋がらずすぐにはピンとこなかったけど、そこにあると指した先に大小さまざまなサイズの真鍮のボウルが置いてあった。
なんとも厳か。
そういえば店に入ったときに目には留まっていた。

仏具であり楽器であるという「シンギングボウル」。
体験として聞かせてもらえたのだけど、なんだこれ!?
振動に包まれる。
ライブなんかの大音量を浴びるのとはまた違う。
包まれることでの没入感、安心感がを得て余計な力が抜けていく。
聞けば、お茶やお酒に聞かせることもあって、味が変化するお茶がある(ないお茶もある)とのこと。
理屈は分からんけどおもしろい。
なんとなく身体が洗われた感覚。
メガネ屋の店先で洗われる眼鏡の気分。

どうやら、店主はそういった方面にも造詣が深い。
占いや、オーラではないけど人を視ることも出来る。
ただでさえお茶とお酒があるのに、そこにスピリチュアル要素も加わって、なかなか1回では楽しみ切れないお店になっていくようです。
感じたのは、そういった超自然的なものが身近にある文化なのだろうなということ。
無造作に置かれたシンギングボウルやら道具たち、人を視るときの自然体(なんとオリジナルカクテルを注文すると視て、視えた要素で作ってくれる)さ。
大仰さがない、私たちが神社にお参りしたり寺に墓参りするくらい普通のことで。
そういう押し付けのない、煽りのない、華美のないスピリチュアルは、手放しで好奇心に従って体験できた。

"視て"つくってもらったオリジナルカクテル


気負わずに、また行きたくなるお店。
次は何を目当てにいこう。

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