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四足歩行で橋を渡る犬のよう
僕の通勤距離はそこそこ長い。
バンプのアルバムは渋滞次第では1枚聴けるし、andymoriのアルバムなら楽勝で一枚聴ける。それぐらいの距離。
スープは余裕で冷める距離なのでビシソワーズがいいですね。最初から冷てえので。
橋好き。
なぜかはわかんないけど、渡ってる感異常だからかな。
同じような理由で、進捗%が目まぐるしく変化するダウンロードも好き。進んでる感異常だから。なんかこのnoteの「感異常感は異常」だね。
橋、なんか多くない?と気付いたのは数日前のことで、毎日通っている通勤経路で橋をいくつ渡るか数えてみた。
13だった。
ありがてぇ。橋が13橋もある。往復で26橋!
こりゃ、いっ『ぱし』の橋マスターだ。
おっ、なんだい今日は調子がいいねぇ。
そりゃ橋だけに、『きょう』は調子がいいってことかい?
おいおい、どうしたってんだい、いつになく飛ばすじゃない、テンポ早いんじゃない?『ハシ』りすぎだってんだ。
そうは言ってもお前さん…〜〜〜〜
長くなりそうなのでハシょります。
大小さまざまな橋がある。
大きくて立派な橋から、これは何と何の間にかけられた橋なのか?というほど小さな橋まで。でもどの橋でもちゃんと渡らせてくれる。小さくても大きくてもどこかからどこかへと僕を移してくれるのだ。一つでも欠けたら僕は職場に辿り着かない。あー懐でけぇな橋って。橋のよな人になりたいね。
…
考えてみたけど、なってた。
僕の仕事の9割が橋渡しみたいだ。
仲の悪いAさんとBさんの間に立ち、「Aさんはこう言いたかったんですよ」「Bさんは本当はこんなこと考えてくれてるんですよ」
こんなんばっかりしてる。どこで働いても。
昔それが酷すぎて「もう!今度から通行料とりますからね!」と言ったことがあるが、
「いつもありがとね」とお菓子を貰えて大層ハッピーであった。言ってみるもんだ。
車を車屋に預けに行った。
「すみません…今日ヨメがいないもんで…」
車屋の店主が慣れない手つきでコーヒーを出してくれた。
「砂糖とミルクどこにあるか分からないのでブラックでいいですか?」
答えは、良い。だ。
慣れない手つきコーヒーも趣があって良い。
車を預けている間にあの橋まで歩いてみようと思いたった。
いつもは車で通るだけだが、歩いて渡るのもさぞ気持ちよかろう。
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いつ雪が降ってきてもおかしくないような曇天の冬。散歩日和とはお世辞にも言えないが、この剥がれきった塗装にやる気のない景観がたまらなく良い。
しばらく橋から川だか海だか分からんけど、液体を眺めた。
犬の散歩のおばさんが来た。
「いちに、いちに、いちに!」と声を出すおばさん、
犬にとっては「いちにさんよん」だろ。と思った。
車屋からメンテが終わったとの連絡が入ったので急いで戻る。
「5万円でーす」
ご、ごまん……orz
僕は店主の前で膝を崩して、床に手をついて、「いちにさんよん、いちにさんよん、いちにさんよん」と突然四足歩行で走り出したらさぞ面白かろうと思った。
まぁしないけど、そんなハシたないこと。
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