見出し画像

(再掲)2015年を振り返る

※社会人2年目のずーーーっと昔に自分が書いたブログを振り返ってみたら、ああ、そんなこともあったなあ、と少し感慨深いような気持ちになったのと、この頃のことは定期的に記憶に留めておかないとな、という思いに至ったので、多少の加筆修正をしつつ再掲します。
ネズミ講、私はお前のことをまだ許してないからな…。


----------------------------------


前厄、本厄、後厄、という「厄年システム」が日本には存在する。


自分で書いておいてアレですけど物凄く暗いブログの書き出しですね…。ということは置いといて、私はここ3年で、物心がついてからは人生で初の厄年システム(数え年で23~25歳)を経験することになりました。
自分の場合、前厄の年に就活で死にたくなるような思いをしたのだけど、本厄の年に当たる社会人1年目では本当に呆気ないほど何もなかった。
なんだ、厄年システムって大したことないじゃん、と思っていた矢先、後厄の今年がなかなかにパンチの強い一年だった。
俗説には本厄よりも後厄の年の方がヤバい(語彙力)、という考えもあるらしく、そういった意味では当たってたかもしれないなと。今年の残りはただひたすら穏やかに過ごすことを心がけようと思っております…。


後厄の年の何がパンチが強かったかというと、一つ目は勤務している会社の急な配置転換。この話はtwitter等で、日々皆さま察してくださっていると思うのでいいとして、もう一つの災難というのが、「ネズミ講の勧誘をやたら受けたこと」。


人が良さそうに見えるからなのか、いかにもカモにしやすそうな風貌をしているからなのか――理由はよく分からないし正直分かりたくもないけれど、今年に入ってから、マルチ商法(いわゆる“ネズミ講”です)の類の勧誘を受ける回数が異様に増えた気がする。というか実際めちゃめちゃ増えました。今年だけで合計13回。月1を超えるペースです。マジで呪われているとしか思えない。


ネズミ講なのか最終的には定かではないのだけれど、初めて「勧誘」を受けたのは、社会人1年目だった去年の4月のこと。
ロフトのスヌーピー特集のコーナーで、誕生日の近い母親に贈るプレゼントを探していたところ、「スヌーピーお好きなんですか?」と、見知らぬ男2人組から唐突に声を掛けられた。
「今度友達の誕生日プレゼントに何を贈ろうか考えているところなんですけど、その子がスヌーピーが好きらしくて。何かいいアイデアないですかね?」と続けてくる。


知らない人からいきなり声を掛けられることなんて今まで殆どなかったし、いきなりフランクな感じで質問してくることの恐怖、そして見た目的にいかにも胡散臭い感…があったので、最初こそ「絶対にこれは応じちゃいけないタイプのやつだ!」という直感が脳裏をよぎった。
ただ当時は社会に出たての新卒1ヶ月目。つい3日前まで泊まり合宿で、軍隊みたいに大声を出したり、永遠に全力でラジオ体操をし続けたりするタイプの研修(察してください)を終えたばかり。
「社会人たるもの、初対面の人との会話も満足にこなせなくてどうする!!」と完全に間違った積極性を発揮してしまった私は、その会話に乗っかり、ヤマもオチもないようなどーでもいい世間話に20分ほど巻き込まれることになってしまった。
しかも会話を終わらせる糸口が一向に見いだせない。スヌーピーのプレゼントの相談をされたはずなのに、もはやスヌーピーのスの字も出てこない。いつになったら終わるんだろう、早くこちらの買い物に戻らせてくれ……。


さすがに耐えられなくなって、「そろそろ時間なので…」と切り出したところ、向こうも長い時間引き止めたことを詫びてきた。研修で新人として持ち合わせるべき誠実さ・ひたむきさを徹底的に教育されていた私は、嫌な気持ちを隠して満面の笑みで対応する。
すると男の1人が、「せっかくの出会いの縁なので、LINEを交換しませんか?」「僕たち、休みの日にはみんなで集まってフットサルとかやっていて、結構楽しいんですよ」と畳み掛けてきた。


この時点で、自分の中で信じたくなかった疑念が完全に確信へと変わった。フットサルという賑やかそうなイベントを謳って、集まった人たちに変な本を買うように薦めてくる、って話を友人の実体験で聞いたことがある。これ、絶対に深く関わっちゃいけない…。
「すみません、流行り物には乗らない主義でLINEやってないんですよ…だから交換できるものが…」とバレバレな嘘をついて、急いでその場を去ろうとする。
するとすかさず、「電話番号とかメールアドレスならありますよね?」と返してきた。


駄目だ。もはやこちらに有無を言わせないくらいのアグレッシブっぷり。逃げられない。仮に一時的に逃げたとて、自分はまた店内の買い物に戻る訳なので、もし再びすれ違ったりしてしまったらめちゃめちゃ気まずい……。
それにここで「嫌です!」と言って去ることは、地獄のような研修で叩き上げられた自分の理想の社会人像が許さないはずだ。
何でもかんでも拒んでいてはダメだ。社会人になったらこういうこともあるのだろう。諦めて、メールアドレスだけ教えてその場を去る。


家に帰ってから、学生の時には経験することのなかった種類の緊張の疲れからか、ベッドの上でバタンキュー状態となっていた。が、当然のように、その日からスマホには嵐のようにフットサルのお誘いがやってきた。
この時点で、一連の出来事にだいぶ疲弊していた(つっても声かけられて連絡先交換しただけなんですが)私は、返信の文章を考えるやる気も起きず、すべてのメールに無視をし続けていた。1ヶ月後の忘れた頃にまたお誘いのメールがきたりしてうんざりしたりもした。
こんな状況が3ヶ月以上続いたけど、徹底無視を貫いた結果、いつの頃からかメールは来なくなった。返信できるバイタリティがあったら返事をしてたかもしれないし、その点においては草食男子でよかった(?)って気がする。


---


これは去年(※2014年)の社会人1年目の頃の出来事だけど、こんな感じのことを、宗教の勧誘も含めて今年は既に10回以上経験をしている訳で。
人間やっぱり生きていくうちに適応能力というか、ちゃんと学んでいくのか、「これは関わっちゃいけない人だ」センサーが人一倍働くようになった。とにかく初対面の人を信用せず、「まずは疑う」習慣が身についた。なんというか、あまり素直に喜べないような。。。


先日は新宿駅の西口付近を歩いていたところ、「ここら辺で美味しいラーメン屋ってないですかね?」と聞かれる。「すみません、ここら辺あまり詳しくないので…」と立ち去ろうとすると、「じゃあ東口だったらありますかね?」と挟み込んでくる。なんだ、東口にラーメン屋いっぱいあるの知ってんじゃんお前。
話に乗ったらもれなくLINEの交換。んでもってめちゃくちゃしつこくラーメン屋で話そう、スケジュールいつ空いてますか、とLINEで誘われる。
もしかしたら「美味しいラーメン屋」から入る誘い方って既にどこかでマニュアル化されて出回っているのかもですね。だって全く同じパターンの誘いに既に3回当たっているので…。


---


一番ダメージがでかかったというか、やめてくれよ…と思ったのが女性からの勧誘。
いわゆる合同コンパ的な場所(合コンです)で知り合った女の子から、飲み会の後に個人宛に連絡が来た。
今って大抵、合コンの後に参加者全員でLINEグループを作って、グループLINEには当たり障りのない挨拶文を投下しつつ、気になった子には直接連絡してタイマンでの食事の誘いを持ちかける、みたいなシステムじゃないですか。こういう場合、きっかけを作るのは基本的に男性側の役割なはずなのに、まさか女性の方から連絡が来るなんて。よっぽど私に気があるのかしら……。
「今日はありがとうございました!今度また飲みに行きましょう♡」 女の人のハートマークなんて社交辞令みたいなもん…と思ってたのに、いざ実際に来るとちょっと舞い上がってしまった自分が嫌いです…。


んで仕事後に池袋のスペイン料理屋で集まって、1対1での食事デート。最初は何でもないような話をしていたけど、だんだん仕事とか自分の将来とか、そっち方面の真面目な話に変わってきた(私の話のバリエーションが貧困すぎて真面目な話しかできない)。
ざっくり言うと、その女の子は妹の学費を稼ぐために、お金のかかる大学には行かず、すぐ手に職をつけられる専門学校を選んで受験したとのこと。その学費自体も、在学中にバイトで稼いだお金で大部分を支払っており、そして今は自立して一人暮らしをしていて、ご両親に(本人は少額だと言っていたけれど)お金を納めているらしい。
こういう話を聞くと、自分は親にまさにおんぶに抱っこの状態で、(浪人までして大学まで行かせてもらった上で)勉強もロクにせずヘラヘラしながら過ごしてたなあ、という自分の意識の低さを実感する…。


女の子の話に普通に感心していたんだけど、そのうち「人としての生き方」とか「自分が目指すべき人生のビジョン」みたいな、話題がだんだん意識の高い話になってくる。
意識の高い話って、基本的に中身スッカスカなのに話している当人が自己に陶酔しちゃっている場合がほとんどなのですごく嫌いなんですけど、実際にそういう話題になると私は人がいいので(自分で言うな)相手に合わせちゃう自分、みたいなところがある。これが結局話題としては盛り上がってしまった。話しているうちになんだか自分もちょっとそんな気分になってしまい、イカンイカンと机の下で自分の太ももをつねる。


すると、「私の知り合いに絶対にりんくすくんとお話が合うと思う人がいるの!だから今度その人に会ってみない?」と言われる。
え?なんで?いきなり?と思いつつ、ビールを飲み過ぎていたこともあって「いいよいいよ!」とその場で快諾してしまったところ、「実はその人というのが若いのにタワーマンションに住んでいて、個人事業を立ち上げてすごくお金を稼いでいて…」という話を聞き、酔いが一瞬にしてスッと醒めていくのを感じた。
それでも、その女の子自体は純粋ですごくいい子なんだろうなって感じだったし、その場で無碍に断れない私の優しさ(私は本当に心優しい人間なのです)もあり、結局次に会う時に、私と意気投合するに違いないという実業家のタワーマンションに行く約束をすることに。
冷静に考えて、デート中に実業家に会いに行くイベントが挟まるのってめちゃめちゃシュールだ。自宅に帰ってから頭を抱えた。

ちなみに、その女の子とも、後に会う実業家の人とも本の話題になった時に、オススメの本として紹介されたのが「金持ち父さん貧乏父さん」。一概に全てとは言えないと思うけど調べてみて分かったのは、ネズミ講が会員を集める時にきっかけとして持ち出してくるのが往々にしてこの本とのことらしい。真面目に働いて税金ばかり取られる貧乏父さんと、好きな時に好きなように働くが不労所得で儲けている金持ち父さん、というのが本のざっくりとした内容だと思う。要は働かなくてもお金が入ってくる!というところがミソなのでは。いや間違ってるかもしれないですけど。自分でもブックオフで買ってちょろっと読んでみたけど、文字が多すぎて途中で投げ出してしまったのでよく分からないです。

---

それで実業家の人×2(!)に会うことになったんだけど、2人目の人がものすごくガツガツ攻めてくる系の人で本当にキツかった。
「お金があるのとないのだったらある方がいいに決まってるでしょう」「(自分は好きなことを仕事にして生きていきたい、と言ったら)それではお金持ちにはなれないよ、いくらでも自分の好きなものが買えて、好きなところに旅行ができる方がいいに決まってる」「仕事はお金を稼ぐための手段と割り切って沢山お金を稼いだほうが絶対にいい」「もっと自分に素直になりなよ」などと一方的にまくしたてられ、正直話しながらものすごい胃もたれがした。


その胃もたれMAXの食事から数日後、女の子から「今度合コンあるから来ない?」と連絡が来た。出会いに飢えていた私は「合コンならまた違う人と知り合うきっかけができるな!」と思って軽い気持ちで承諾した。
すると(ここまで読んだ方ならだいたい察しは付くかと思いますが)、どうやらその実業家が経営するバーにて、実業家が主催する飲み会だということが発覚。想像力を1ミリ働かせただけで分かる、これはもういわゆる風来のシレンでいうところのモンスターハウス状態…。

女の子自体は本当に純粋な子なんだ、ただ本人の自覚なく、ネズミ講の誘い子になってしまっているだけなんだ(※と当時は思っていたけれど、自覚なく誘い子をやっている人が一番バカだし罪が重いです)と思っていたので、悪い気持ちになりながら、当日風邪を引いたことにして断らせてもらった。


それ以来女の子からの連絡はなくなった。見た目的にチョロい、騙されやすそうだしいいカモだろうと判断されたけど、実際に話してみたらあまりにも意識が低い人間だったので、見込みがないと思って切られたんだろうな。うん、それでいい。最初にちょっとだけ恋愛を期待したから心をえぐられたけど、厄介なことに巻き込まれなかっただけよかったじゃないか。


というか、勧誘を繰り返し受けるうちに身につけたと思っていた「これは関わっちゃいけない人だ」センサー、どこに行ってたんだ。。。


---


ということで、いろんな意味で悲しい経験(ネタになるだけよかった)をしたのだけれど、どれもこれも「全部後厄のせいだ!」と思うことにしている。
仕事の配置転換のことは今までの人生で間違いなく一番思い悩んで辛かったし、今も悩みが根本的に解決されたわけではなく、上手な付き合い方を心得ている途中という感じ。それにプラスして一連のネズミ講勧誘地獄。改めて振り返ってみても後厄の威力のすごさが分かる。後厄先輩ハンパない。どうもすみませんでした。

今年ももう残り1ヶ月。
この1ヶ月を穏やかに過ごしていれば、きっと来年からは違った風が吹いてくる。だから今は何も期待せずにただ生きていけばいい。ただ生き続けるだけでOKなんだから楽なもんでしょう。


でも、思わぬ友人との久々の再会だったり、交友関係の広がりだったり、いろんな音楽に感動したり、ゲームのラインナップも豊作だったり、2015年、悪いことだけでなく良かったことも沢山ありました。その良かったことたちに救われた2015年でもあるなあと。
単なる後厄だったといって一年を片付けてしまうにはちょっと惜しすぎる。お世話になった皆さま方、どうもありがとうございました。そして今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2016年は今年よりもいい年になるといいなあ。あととにかくあらゆるものに勧誘されない年になりますように。。。



------------------------------------



※2020年現在、福岡在住中ですが宗教の勧誘は今でもたまに受けます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?