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生まれ変わるなら?②

結論から言おう。
もう一度この世に生を受けたとしたら。
もう一度人間としての日々を歩んでいくとしたら。
ケセラセラを聴く度に大森元貴が私たちに問いかけてくれる言葉
「生まれ変わるなら?」に対する、私の答え。

生まれ変わるなら、「また私がいいな」
これが、私の答えだ。

どうしてこう思うのか。私の答えの根拠は何なのか。
ここからは2024年7月6日に兵庫県のノエビアスタジアム神戸で行われた
「ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」神戸Day1の内容に触れながら私の想いを綴らせていただく。
(※横浜公演に参戦される方並びにゴリゴリのJAM’Sの戯言には興味がないという方はここで引き返してミセスの音楽でも聴いてください。その方が確実に幸せな時間を過ごせます。
また、今から綴ることはFC未入会だった友人に全て報告した結果、ものの2時間でFC入会に引き込むくらいにはライブ行きたい欲を掻き立てるものとなっている可能性があります。ご了承ください。)

2024年7月6日(土) 天気は晴れ。
Mrs. GREEN APPLEのスタジアムライブ当日。2週間前に急遽決まったもんだから午前中はバイトを入れていて、高鳴る胸の鼓動を抑えに抑えながら土曜日のモーニングという戦いを制して、昼過ぎに神戸に着いた。
周りを見渡せば、見たことのあるグッズを身につけたたくさんの仲間たち。私、本当にライブに行くんだ。「ライブ参戦」という言葉がいよいよ現実味を帯びてきた。

着いてからはとにかく人の流れを追うのとグッズを受け取るのに必死で、楽しむというより闘いだったように思う。誰かに勝ちたいというわけではなく、暑さと体調との闘い。いかにしてライブを万全の状態で楽しむか。
なかなかに厳しい闘いだった。でも、私たち以上にスタッフさんの方がつらかったと思う。酷暑の中であんな数の人たちを誘導してくれたスタッフの皆さんには頭が上がらない。この場を借りて、勝手にJAM’Sを代表してお礼を言わせてください。関わってくださったすべての皆様、本当にありがとうございました。

なんとか闘いを乗り越え、いよいよ入場。
目の前に広がるのはテレビでしか見たことがないような大量の席と、大きな大きなステージ。懐かしい気持ちを運んできてくれる夏の音。
夢はいつの間にか現実となって目の前に迫っていた。

Mrs. GREEN APPLE 
ZENJIN MITO TO  WELTRAUMの文字が少しずつ光を帯びていき、開幕の足音が近づいてきていることを知らせていた。

最後のMが光った時のことは正直あまり覚えていない。
サポートメンバーの皆さんが入場してきて、大きな大きなステージの真ん中に、ずっと画面の向こうにいた3人がいた。確かに、そこに立っていた。

開幕を飾ったのは、カンパイ!!の掛け声がなんとも爽やかなCHEERS。
その後は現在進行中の5か月リリース曲たちや夏の訪れたちを感じさせるたくさんの曲たちが怒涛の勢いで神戸の夏の夕空に放たれていった。

個人的なハイライトは数えきれないほどあるけれど、中でも今回は『コロンブス』と『ケセラセラ』を取り上げたい。何せ8年前から曲は聴いていたけど、完全にハマったのはフェーズ2という新参者なので許してほしい。

『コロンブス』の1件については恐らくほとんどの人が知っているだろうからここでは触れない。
正直、期待はしていたけれど半分諦めていた。Xの方で書かせてもらったが、私にとってこの楽曲は神のような存在だったからだ。(神格化する意図はない)
確かに存在していることはわかっているけれど、目には見えないし耳にも届いてこない。わかっているのは、そこに存在しているということだけ。
生きている内に目にすることはできないかもしれないけど、そんなこと求めるなんてあまりに強欲だわ。ずっとそこに存在し続けてくれたらそれでいい。ずっと私たちが聴き続けるから。
そう思っていた。本当に。
ゼンジンじゃなくてもいいから、ファンに向けてじゃなくてもいから、いつか3人にとって大切な人のためだけにでもいいから、届けてくれたらいいなって。届けれるようになってくれたらいいなって。
多分、あの場にいたほとんどの人たちが期待すらしていなかったと思う。
だから、
「いつか僕が眠りにつく日まで」。
この言葉が大好きな人たちの奏でる音に乗って、大好きな人の声で神戸の空に放たれた瞬間は冗談ではなく本当に膝から崩れ落ちるほど嬉しかった。
実際に本人の顔は見えなかったけど、とびっきりの笑顔が見えた気がした。
リリース前に行われた非公開の限定ライブ以外では初めての歌唱。誰もC&Rも振りも知らないはずなのに、自然と声が出た。
「『君を知りたい』 まるでそれは 探検の様な」
「誰も知り得ない 優しい孤独に そっと触れる様な」
「『君を知りたい』 まるでそれは オーロラのような」
たくさんの傷を負って、誰も到達したことがない場所でたくさんの人に囲まれているからこそ感じている孤独の中で、オーロラのような、奇跡の巡りあわせで、今日同じ場所にいれること。
JAM’Sとミセスがお互いに「ありがとう」と伝え合っているような気がした。

そして、「ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」神戸Day1の最後を飾ったのは昨年レコード大賞を受賞し、この記事のキーミュージック(?)でもある「ケセラセラ」。
歌う前のMCで、大森さんは言った。
「みんなの一部になれたら」と。

そんなこと言われて泣かないわけないやん!!!!!!

この「ケセラセラ」がリリースされたころ、私のミセス愛はここまで煮詰まっていなかった。でも、その頃から聴いていた曲の1つが「ケセラセラ」だ。
この曲がリリースされ、街中の至る所で耳にするようになった頃の私は受験生。毎日、先が見えない不安と闘っていた。
高校1年のときから目指し続けていた志望校への愛と情熱は崩れ落ちそうで、一緒に同じ大学を目指していた子が指定校推薦で大学進学が決定したときは生まれて初めて、心の中で何かが折れた気がした。
それでも、「ケセラセラ」。辛くても、苦しくても、なるようになるからさ。いつか笑えるようになるからさ。そう信じて走り続けたあの日々。
「ケセラセラ」は、Mrs. GREEN APPLEは、間違いなく私の人生の一部だ。
大事な大事な曲。何百回と聴いた曲。なのに、歌詞の1つひとつが沁みた。きっと、みんなの一部になりたいという想いを胸に、1人ひとりに向けて言葉を届けてくれたからだろう。
改めて、とんでもないバンドを愛してしまったなあ(最大級の褒め言葉)と思った。


ここまで読んでくれている方がいるのか、あまり自信はないけれど、どうして私は「生まれ変わるなら?」という問いに、「また私がいいな」と答えたいのかをやっとお話しさせていただく。
理由は結構シンプルだ。

だって、たくさんの素敵な音楽と出会えたから。

傷を負ってばかりだった頃の私は、世界を憎んでいた。
どうせ、私を好きになってくれる人なんていないんだ。
どうせ、いつかは私のことを置いてどこかに消えちゃうんだ。
信じられないというより、信じたくなかった。
信じて、信じ抜いて、最後まで離さなかった手を最後の最後に離されるのはもう懲り懲りだった。

でも、音楽に出会ってから、特にミセスに出会ってからは見える世界がちょっとだけあたたかいものに変わっていった。

いくつになっても、どこにいても、最後に手を離す人は存在するし、傷つかないで生きるなんてきっと不可能だ。事実、この数年で突然手を離されることもあった。でも、同じようにそんな世界に絶望しかけながらも、苦しみながらも、懸命に生きる人も確かに存在している。
希望を失うことだってあるし、どんなに憎くても変えられないことだってたくさんある。私たちは何事にも意味を見つけようとしているけど、実は意味のないことばかりかもしれない。
それでも、明日になれば愛を唄えるようになるかもしれなくて、もしかしたらそんなこと考えることができるのって実は余裕があるってことなのかもしれなくて、満ち足りない日々だからこそどうにかもがけるのかもしれなくて。
そう思えば、いつからか私は「世界は案外愛おしいものなのかもしれない」と思えるようになった。
救われたくて、報われたくてたまらなかった頃の私とは少しだけ違う私がそこにいた。
横断歩道を渡るときに少しだけ小走りになるのは、神様に見てもらうためではなくて、いつか私のために急いで渡ってくれる人への「ありがとう」の分だと思うようになった。
どんなに遅い時間でも、絶対に信号を守るのはいつか報われるためではなくて、いつでも信号が動くように整備してくれた人たちの想いを踏みにじらないためだと思うようになった。
そうやって生きる私のことを、私は愛せている。
私にとって大切な人たちが幸せに生きてほしいと思うのと同じくらい、私は私自身に、後悔なんて残らないくらい幸せに生きてほしいと思っている。

こう思えているのは、ミセスだけではなく、この18年間で私のもとにやってきてくれた全ての音楽のおかげ。音楽から受け取った宝物を、できることならいつまでも感じていたい。
でも、私たちの持つ数字には限りがある。

私の願い通り、これから先の私が幸せをたくさん集めながら自分の生を全うしてくれたなら、その幸せと音楽と共に私はまた私を生きたい。
これから先、苦しみを感じる回数が幸せを感じる回数を上回ってしまったとしても、限りある幸せと音楽をもっと噛みしめたい。
だから私は、
生まれ変わるなら、「また私がいいな」
と思うのだ。

何字書いたのかは見なかったことにします。
ここまで読んでくださった方がいるとも思っていません。
もしいらっしゃいましたら、お付き合いいただきありがとうございました。
どこに惹かれて読んでくださったのかはわかりませんが、いつかのあなたの糧にはなれずともこれから先に続いていくあなたの人生の中のどこかで、心をほぐす何かになれたなら本望です。

さて、今日は「ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」横浜Day1ですね。
本日参戦の方も、明日参戦の方も、YouTubeのアポロドロスを楽しんでいる方も、忘れられない夏の夜になりますように。



(Harmony、当てました。2公演。お金と単位がちょっぴり心配だけどそんなの知らん。めっちゃ嬉しい。泣ける。)



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