「あしたから出版社」の文庫化がうれしい

夏葉社の島田潤一郎さんの「あしたから出版社」が文庫化されるみたいですね。

しかも解説が「カフカはなぜ自殺しなかったのか?」の頭木弘樹さんだ。うれしいな。筑摩書房さんはなんだかよくわからないけどぼくが好きな本ばっかり文庫化してくれるので最高です。就職したい。


「あしたから出版社」は二十歳ぐらいの頃にジュンク堂で買いました。読んでる間ずっと「まるでおれのために書かれたような本だ」と感動してた記憶があります。その頃は自分が出版社をはじめることになるとはまったく思ってなかったけど…。


とても生きにくい世の中だと思う。
どうしてそうなったのかはわからないが、ずっと、生きにくいなあ、と思っている。
特にぼくのように若いころにちゃんと働いてこなかった人間にとって、社会は全然やさしくない。「反省しました。もう馬鹿なことはやりません」と謝っても、許してくれない。
あなたが好きでやってきたんでしょ? 責任とりなさいよ。
ずっと、そういわれ続ける。
すくなくとも、そういわれ続けている気がする。

島田潤一郎「あしたから出版社」 晶文社 p10

「はじめに」の文章ですが、はじめからいいよね~。上手に馴染めなくて大学をやめたときとか、疲れ果てて仕事をやめたときとか、さみしくてしょうがないときとか、そういうときに随分助けてもらいました。かなり馴れ馴れしくて申し訳ないのですが、心の友だちみたいな本のひとつです。ぼくが出版社をやろうと思ったのも島田潤一郎さんの影響がかなり大きいです。

鬱屈としていて、なんとなく社会に馴染めない毎日を送ってるひとにおすすめ。出版社に興味がなくても、青春エッセイとして楽しく読めると思います…ぼくが書くとなんかちょっと夏葉社さんに媚びてる感じになっちゃうのだけど…でも単純にすごくいい作品なんだよ ほんとです


そのころは、会社のブログをまめに更新していた。ほかにやるべきこと、考えるべきことはたくさんあったはずなのに、そこから逃げ出して、文章を書くことに日々没頭していた。

島田潤一郎「あしたから出版社」 晶文社 p54

ていうか読み返して気づいたんだけど、ここ今のぼくとまったく一緒だね どうしよう

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