全部終わったら天国で海の話をしようね

椅子が壊れかけている 壊れているものに「共鳴」というか、なんか愛着みたいな感情を持つ謎の癖があって、いつもすぐに捨てることができない(単純に捨てるのが面倒くさいというのももちろんある) でもこのままだと完全に破壊してしまう それもなんだか申し訳ない どうしよう


天国に行ったら海の話をすることになっている 『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』を観たひとはみんなそういうことになっている 海の話と、それから好きな音楽の話もしたいな 決して「センスの自慢大会」みたいなものではなく そんなヒリヒリしたいかにも社会的な感じのやつではなく 「おれこの曲聴くと泣いちゃうんだよね」「いいね」みたいな ただそれだけの他愛のない話を 天国に行ったらね やりましょうね

死期の迫った2人の男が海を目指して旅する姿を描き、本国ドイツで大ヒットを記録したロードムービー。医師から余命宣告を受け、末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。死ぬ前に海を見ようと病院を抜け出した彼らは、駐車場のベンツを盗んで人生最後の旅に出る。

https://eiga.com/movie/47692/




夕焼けはためらい傷そっくりなのに太陽は死なずただ沈むだけ

『鬼と踊る』三田三郎

はじめて読んだときから忘れられない短歌 景色がくっきり想像できる 空模様を擬人化するという発想がまずおもしろい(違ったらごめん) 「太陽は死なず」は、つまり「日はまた昇る」という意味なのかな もしそうだとするとこれは絶望の歌ではなく再生の歌なのかも でも再生の歌なら「そっくりなのに」ではなく「そっくりだけど」になるのでは…という疑問が浮かぶ 「なのに」にはなんというか、「もはや自分の意志ではどうすることもできない」みたいな諦念が込められているように感じる だとすると「太陽は死なず」は、「(どうすることもできないまま)日はまた昇ってしまう」といったような意味である可能性の方が高いのかも その場合この一首は「自殺するほどの傷を負っても、それでも生きていかざるを得ない」というメッセージ性を帯びた作品になる ぼくは後者の読み方をしました




それにしても調子わりー 生きる だるい ウ

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