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オブラート9枚目「真面目な人だよ」

会話の相手に、第三者の説明をする時

どのような説明をするだろうか。

「すごく可愛い子なんだよ」

「明るくて人懐っこい子で・・・」

「超イケメン」

愚痴でもない限り、とにかくポジティブなワードを前に出すだろう。

真面目だって、ポジティブだ。

確かにそうなのだが、これも立派なオブラートである。



私には年子の兄と7つ下の弟がいる。

ちなみに3人とも吹奏楽部出身である。仲は良い。

私はブラコンならぬファミコンであり

歳が離れているせいか弟を可愛がりすぎる姉と化した。

「弟はどんな子?」と友人に聞かれることも多い。

私は何の躊躇いもなく「普通にイケメンだよ」と言う。

十中八九どころか、十中十言う。

写真等を見せると友人も口を揃えて「お世辞抜きに、イケメンやん」と言う。

そう、彼はイケメンなのだ。

ちなみに私を弟は結構似ている。私もイケメンとよく言われたので、納得である。

また弟は人あたりも良く社交性もある。

まぁ弟自慢はどこかの番外編でするとして

もう1人の話をしよう。そう、兄である。

兄は私とはあまり似ていない。

弟とはよく見ると似ているが、イケメンではない。(申し訳ないが、事実である)

そして自他共に認める陰キャときたものだ。

「お兄さんはどんな人?」

さぁ困った。陰キャの戦隊ものヲタクだと正直に伝えてしまうことも多い。

ヲタクはネガティブ要素ではないし、皆何かしらのヲタク説を私は信じている。

だが誰が聞いてもポジティブな要素かと言われるとあまり自信がない。

そこで出てくる言葉が「真面目な奴だよ」である。

実際彼は真面目だ。

嘘はついていない。

はっちゃけたパリピな奴の話をする時、いくらそいつが真面目な人間でも

「真面目な奴だよ」は第一声では出てこないだろう。

つまり「真面目」が最初に出てくる者とは

あまり他の特徴がないのだ。


「真面目だけが取り柄です」という言葉もしばしば耳にする。

探せばもっとあるに違いないのだ。ただ、ぱっと思いつくものは真面目だけなのだ。


コンビで活動している芸人に注目してみよう。

サンドイッチマンのようにどちらもキャラが濃く覚えやすいコンビもいれば

コンビの片方の個性が強すぎてもう片方が「じゃない方」と呼ばれるコンビもいる。

後者の方が、多いのではないだろうか。

私はこの「じゃない方」という言葉と「真面目な人だよ」に似た響きを感じていた。

それこそ「特徴がないから言われる言葉」という共通点だと最近気が付いた。

気づいてしまったのだ。


「真面目な人だよ」と言われる人にも魅力は必ずある。

もちろん本当に真面目が魅力の人だっているが、きっとその人の魅力もそれだけではないはずだ。

「真面目な人だよ」タイプの人にはまだまだ引き出せる魅力

伸びしろならぬ引き出ししろがあるので

積極的に関わってみるのもいいかもしれない。


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