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オブラート5枚目「先程も申し上げましたが」

仕事していると、敬語は必須である。

敬語ってすごいな、と思う。

ちゃんと使えると、あからさまに理不尽なクレームでも対応に困らないからだ。

今回はクレーム対応で私が一番よく使っていた

「先程も申し上げましたが」

このオブラートを剥がしていこうと思う。


簡単な話が「さっきも言ったじゃん」ということである。

しかしこの言葉の中には「こっちは折れないよ」が隠されているのだ。

「申し訳ありません、お気持ちはわかりますが、それは難しいです」

スタート地点がここだ。

要は相手の要望に対して、無理を主張している。

次に折り返しポイント。

「先程も申し上げましたが、それは出来かねます。」

最初に言った内容を短いが丁寧な言葉で伝えている。

「出来かねます」とはただ出来ないという意味ではなく

「ご要望にお応えしたい気持ちは山々ですが、難しいです」と言っているのだ。

それでも場がおさまらない時には、ゴール地点

「先程から申し上げておりますように、出来ません」

と言う。言っている内容は同じようで微妙に強くなってくる。

「さっきから言ってんだろ、できねーよ」くらいの気持ちである。


このように、後に続ける言葉によって敬語を保ちながらも相手への態度が変わっていることを周りにわからせることができる。

しかしこの「先程も申し上げましたが」の本当の中身は

「同じこと何度も言わせんな」である。

カップルの喧嘩で言う「さっきから言ってんじゃん!」である。

もっと言うと「こちらの意思は変わらない。諦めろ」である。


「さっきから同じこと聞いて来るけど同じ答えしか返ってきてないよね?さきも同じことしか言ってないよね?何度も言わせるのやめてくれるかなぁ?何回聞いても答え変わらないよ?諦めな?」

が、模範解答なのかもしれない。

しかしこの記事を読んだ貴方に言いたい。

「先程を申し上げましたが」は立派な敬語なので、使って良い。

むしろクレーム対応等に使うことが多いワードなので

使わなくてはいけない。

間違っても怒っている相手に

「さっきから言っでるじゃないですか」は言わないで欲しい。

それを包むオブラートこそ、これなのだ。

また、「先程も申し上げましたが」「先程から申し上げておりますように」

この2つの間は、長ければ長い程効果的である。

相手が他の誰かを連れていた場合等はその人物から折れてくれることが多い。

もちろん一概にそうとは言えないけれど

私の経験上、結構効果的ではあった。


社会人になった時、敬語こそが全てオブラートなのではないかと思ったけれど、実際は違った。

しかし敬語の中にもオブラートはまだあると思うので

これからも気づき次第記事にしていこうと思う。


【おまけ】

今回例として私が前職で受けたクレームの話を書こうとしたけれど

書いていくうちに段々とリアルさが増してきて

私自身が思い出しイライラに陥ってしまったのでボツとなった。

菩薩になれたらいつか書こうと思う。

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