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世の中に存在する、これ「で」いい選択の話

僕はこだわりへの強弱がはっきりしている。

例えば食べ物へのこだわりは弱い。
前職では昼にお弁当(無料)が食べられる福利厚生があり、10数種類から選べた。その頃は、すごく好きなわけでもないの平日5日連続で同じ「唐揚げ弁当」を食べていたこともある(付け加えるなら、嫌いなものもない)

唐揚げ弁当を選び続けていた理由を改めて考えると「これでいい」があると思う。

※ こだわるを辞書で調べると「物事に妥協せず、とことん追求する。」という意味もある



「消極的な選択」と「積極的な選択」の違い

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いくつかの中から選択する際には、積極的な選択と消極的な選択がある。

文字にするとしたら、これ「が」いいとこれ「で」いいの違い。
誰しも濃淡はあるにせよ、なんらかにはこだわりがあるはず。少なくともこれまで、何ひとつこだわりがない人と出会ったことはない。

ただ、こだわりが弱いからといって、なんでもいい訳でも無い。
僕の食べ物を例にあげれば、不味いのが食べたい訳ではないし、美味しさを感じない訳でもない。

そこには消極的ではあっても選択が発生している。
「これでいい」の選択だ。


見落とされがちな「こだわりがある人」と「好きな人」以外のターゲットの存在

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企業がモノを売ったり、サービス利用など行動を促す際、注意しておかないとこの消極的な選択をする層を見落としてしまう。

理由は下記の2つがあるだろう。

・こだわりが少ないため、声を上げない
・積極的に情報を集めないため、タッチポイントが少ない

その結果、想像しやすく情報を当てに行きやすい
「○○が好きな人」「○○にこだわる人」
という消費者のターゲットが生まれる。

当然の話作り手や販売、サービス提供側の思いが強ければ強いほど、自身と同じ積極的な選択をする層に目が行き、それは顕著になる。

実際、僕らがクライアントのサイトを制作したり、マーケティングをサポートする際にもこの手の話は多い。

「積極的な選択をする層」を狙うのはもちろん定石だし、なんら悪いことでは無い。それでも「こだわりが弱い消極的な選択をする層」をターゲットとして一旦は検討するのは忘れてはならない。

では、こだわりが弱い層は何に反応するかと言えば価格だ。
こだわりが弱いものにできる限りお金を使いたくない心理には、自分でも心当たりがある。

ファーストフードや100均、ファストファッションなどは、こだわり弱い層を多分に取り込んでいるはずだ。

間違いのなさもこの層が反応するものだ。
こだわりが弱いから安さは嬉しいが、失敗するのは嫌という心理からだ。

ユニクロや無印良品、アイリスオーヤマなどは価格と間違い無さをバランスよく持っているように見える。


これ「で」いいを活用する

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ここまで書くと、低価格や価格と品質のバランスを取ることが可能な、大企業しかこの層を取り込め無いように見える。

間違いなく資本力は有利に働くが中小企業だろうと活かせる部分はある。
自社(自身)のこだわりの強さを認知してもらい「間違いない」と感じてもらう方法はそのひとつ。

例えば、プレゼントなどこだわりは強くないが失敗したくないシチュエーションで考えるとわかりやすい。


プレゼントは失敗したくないが、送るものは相手が嬉しいものであって、別に自身こだわりが強いものではないはず。その場合、そこにこだわりをもった人やお店が選んだものなら「間違いない」と思える。

だからこそ「店長のおすすめ」「バイヤーのイチオシ」などが売れている。

まずは、自社(自身)のこだわりが何にあるかを伝え、その中でわかりやすくおすすめしていくことから実践し「これでいい」の選択にも意識を向けて行きたいと思う。


text:那木丈裕

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