May Day

雨の降る深夜のこと
探しものをしていたら
愛猫が帰ってきたので
濡れた身体を拭いてやる

ついでに窓の外を覗くと
湿気のある少し冷たい空気に
アスファルトと
土と
草の香りの入り混じった匂いが静かに
そこにあって
昼間の夢の熱を覚ます

雨に呼び起こされた様々な気配が
湧き上がり
立ち昇る
生命のうたの
大合唱
まるで森の中のようだと
遠くの私は
安心していいと言っている

明るいときは
街の音に合わせて
囁くように唄うから
深夜の暗闇だからこそ

探しものは見つかったのかしら
少しだけぼんやりとしている朝方
猫も寝床に丸く収まり夢に溶けている
朝になって消えてしまう前に
抱いて眠ろう
まだ肌寒い半袖の下
私の熱が重なる


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