無知がわかる瞬間
「日本人はA型が一番多い!!!」とある人が言っていた。それは事実だし、中学時代に覚えたことをたまたま私も覚えていたのでこう返した。
「そうですよね〜。でも、意外と2番目に多いO型とそこまで変わらないんですよね、不思議と。」
それを言った瞬間、その人は私にこう怒鳴りつけてきた。
「何を言ってるんだ!!O型がそんなに多かったら、日本人は欧米人のような性格のやつばかりになってしまうだろう!!馬鹿なことを言うな、A型は日本で60%も占めてるんだぞ!!」
ちょっと理屈的な私は、心の中で
「え?ソース(情報源)は、どこでしょうか」
と言いたかったがそれをグッと堪えて、
「あれ〜、中学の時にそう習った感じがしたんですけどねぇ、私が寝ぼけてその授業受けてたのかな」
なんて、ニコニコして答えた。
の、だが。
そのあと、なぜか何度もその血液型のことが気になった。
どこかで私は私の記憶が正しいと思っていたが、あの人があれほど堂々と私にいってきたのを思い出すと、なんだか自分が間違っているかのように思われて仕方がなくなってきたのだ。
中学時代、私は死ぬほど勉強していたようなタイプでもあるので、単純に、間違って覚えているのではという怖さもあった。
A型って、そんなに多かったっけ。
パソコンを目の前にすると、私はブラウザを開いてつい調べていた。
「血液型 割合 日本」
。。。。
ほら。
。。。。。。。。。やっぱりじゃんか。
4ページほどサイトを見たのだが、だいたい日本での血液型の割合はA:O:B:ABそれぞれ、4:3:2:1なのだそうだ。
そして、A型は36〜39%であり、O型は30〜32%とのことだ。
一番少ない時でその2つの血液型の差は4%。
実際、私は高校受験時にある過去問を解いた際に、理科の問題で円グラフが出てきて、そこから血液型4つを全て当てるという問題があったのを覚えている。ここで、だいたいA型とO型との差がそこまでなかったというのを視覚として覚えていたのだ。
もちろん、入試問題だからとわざとグラフが紛らわしいようなものを使用していたということもほぼ差がないように見えた原因だとは思うのだが。
よかった。間違って覚えていなくて。
そう安堵すると同時に、私はあることに気づくのである。
あの豪語していた人はちゃんとしたソースを用いて学ぶこともできない人なのだと。豪語するくらいなら、しっかり事前に正確なソースを用いて話すべきだ。
なんとなくあの人の話し方もまるでO型が悪いかのような言い方に私には聞こえたし、周りにいてそれを聞いていたO型の人は気分を悪くしたのではないだろうか。
もし、周りに欧米人がいたら、どうしていたのだろう。立派な差別主義者としてあの人は思われたに違いない。
無知なことでこうして事実とは違うことをまかり通そうとする人って、結構多いと思うのだ。そしてそれは、こんなふうに誰かを「なんか」嫌な気持ちにさせるし、その人自身の信用をなくしてしまうこともあり得る。下手したら、「ほらふき」なんてあだ名をつけられて影で笑われているかもしれない。
そう思うと、私も正確な情報を学ばなくては、と思う。
デマなんて、バカの産み出すものなのだから。
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