見出し画像

彼の話-7

彼は今日、『ちはやふる』45巻を買った。家に帰って気付いた。以前買っていたことに。彼はそういうことがよくある。ただこの同じものを買ってしまうループの特徴を掴んできた。大体「買ったことあったかも…」と思ったものは買っているケースが多い。だからこれからかれはこの自分自身の心の声に従えば良いのだ。

また、今日彼は食材を買いに近所のスーパーに行った。親の金で自分の欲しいものばかり買ってしまった。小さい子供のようだった。確かに彼は完璧な子供部屋おじさんである。一人暮らしをしたこともなくずっと実家にいる。そして食事も母親に作ってもらい、社会人の時の昼食は母親が作ってくれた弁当を食べていた。

よく考えれば彼は欲しい商品は大体親から買ってもらえた。彼が通った学校は私立高校だったし彼は大学も奨学金制度を使わずに通った。また、大学時に親から100万円を好きに使っていいと言われ渡された。親としてはパソコンや自分の知見を広げるために渡したのだろう。しかし彼はそれを遊びに使い果たした。クズである。

彼の両親は共働きだった。そのため、彼は両親と過ごす時間はあまり多くなかったように感じる。特に母はキャリアウーマンだったので過ごす時間は本当に少なかった。そのため金銭に関しては母の方が彼に甘かった。

そして無職になり彼はやっとわかってきた。このままではヤバい。まずはこの居心地の良い場所から離れなければ。そして、自分で生きねば。親はいつまでも生きてはいない。独り立ちせねば。彼は一人暮らしをしようと決意した。

そのためにはまず安定した収入元の確保が必須である。そのためにも就職活動はしなければならない。彼はまた、就職活動に真剣に取り組むことを決意した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?