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「日本を飛び出し伝統文化を世界へ!」 #テンカイズ

2019年、アメリカのロサンゼルスで和菓子ブランドが誕生しました。
世界的セレブ、キム・カーダシアンとのコラボや大手映画会社ドリームワークスの本社での販売にも成功し、注目されています。
その和菓子ブランドMISAKY.TOKYOの共同創業者は、三木アリッサさん。

2018年フォーブスジャパンの地球で輝く女性100人に最年少で選ばれるなど、日本を飛び出し活躍する若き女性起業家に伺っていきました。

アテもなくスーツケース片手にLAへ!

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宇賀:アリッサさんはロサンゼルスにいるんですか。

アリッサ:そうです。今、夜の9時ぐらいですね。

浜田:アリッサちゃんと会ったのが2018年の1月やBusinessInsiderのパーティーでした。その時「私、これからアメリカで起業するんです」って言ってたんですよ。しばらくしたら、アメリカで人気の和菓子ブランドを立ち上げたと聞いたので、ぜひもう一度お話を伺いたかったんです。

アリッサ:ありがとうございます。私は現在、ロサンゼルスでラグジュアリーMISAKY.TOKYOという和菓子D2Cを経営しております。弊社は2019年の1月にローンチしました。

職人さんやアーティストさんを世界にお連れしてラグジュアリーなルイ・ヴィトングループのような総合ブランドプラットフォームを作り、あらゆる職人さんに活躍してもらいたいなっていう想いで活動しています。

浜田:当時話を聞いた時は、「いきなりロサンゼルスに行って和菓子って作れるの?」と思っていました。職人さんは現地で見つけたんですか?

アリッサ:ロサンゼルスにも元々友達もいなくて、スーツケースを二つパックして握り締めて飛び込んでいきましたね。最初は、YouTubeを観て、自分で全部開発していきましたね。

いろいろグローバルで仕事をしてみて思ったのは、いかにきちんとローカライズしていくかが大事なのだと。一旦自分ができる範囲でやってみよう思い、実験を繰り返し200回レシピを変えて今の形になりました。

宇賀:和菓子には見えないんです。なんでこのスタイルに行き着いたんですか。

アリッサ:どうアメリカにローカライズするかを考えたときに「ラグジュアリーなブランド戦略」がまず大事だと思ったんですね。案外、白人とかアルメニア人とかのお金を持ってる方々は、日本食ブームとは言えど、浸透していないことが分かりました。彼らが好む形をきちんと押さえられれば広がるのではないか。そう考えて模索した結果、今のジュエリーな形になってきました。

我々の強みは商品ではなくブランドフィロソフィー

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浜田:どのように作っているんですか?

アリッサ:主に和菓子の技術を使っています。例えば、琥珀(こはく)とフランスのグミのテクニックを合わせたものですね。
一般的な琥珀は、寒天とかお砂糖だけなんですが、弊社はそこに、フランスのグミのテクニックで色々な味をアドオンしています。

通常の茶道の世界だったらお茶とのペアリングを楽しむものなんですが、弊社の和菓子の場合はそのまま食べるだけでも幸せになるっていう設計にしています。

浜田:ちなみに1個いくらぐらいですか?

アリッサ:5粒で今、40ドルです。一時期3ヶ月待ちとかでした。TikTokが18万人フォロワーいるので、SNSからものすごく売れています。

浜田:商品自体が評価されているんですね。

アリッサ:特に私達が評価されてる点は、商品もいいんですけど、ブランドのその考え方がすごくいいんです。
MISAKYは、美しい先の未来という願いを込めて作っているブランドなんです。特に平等とか友愛な社会作りに貢献しようという想いがあります。
ビーガングルテンフリーだし、自社キッチンではまずマイノリティー率がなんと100%!

浜田:へー!すごい!

アリッサ:なおかつ、彼ら彼女たちにいつか自分のブランドを持てるようにビジネスとかマーケティングファイナンスを全部教えています。
あとは、通常フードの産業ではありえないんですけど、レシピを連携しているレストランさんに公開しています。うちのお菓子の20%は連携するスモールな地元のレストランさんから買い取らせていただいているんです。

アメリカ人が思わず応援したくなるブランド作りが出来ているのかなと思いますね。

浜田:成功しても、自分たちだけでそれを独り占めしないみたいな感じですよね。

アリッサ:そうですね。なんか、レシピ公開するとパクられるじゃないのかと思われるんですけど、逆にパクられてもいいかなと思ったんです。

私は、日本の伝統を本気で世界にお連れしたいんです。
そのためだったら、むしろ競合が増えた方がマーケットが大きくなるからいい。本当にもっとプレイヤーが増えてほしいなって心から思いますね。

浜田:アリッサさんってお母様の影響をすごく受けたんですか?

アリッサ:そうなんです。母は、賞を取っているアーティストであるにも関わらず、うまくお金に転換出来ていないのが、子どもながら悔しかったんです。

だから私は何かビジネスできちんと職人さんやアーティストさんをご支援できる人になりたいと思いました。
そのためには、日本のこの少子高齢化でシュリンクしていく市場だけで彼らを留めてはいけない。

最初からマーケットの大きい国々で挑戦しなきゃいけないと思い、世界にいきました。

あらゆる職人さんが世界に羽ばたけるような場に

宇賀:最後にアリッサさんの今後の展開を教えてください。

アリッサ:私達は本気でルイ・ヴィトングループのようなラグジュアリーの総合ブランドプラットフォームを作ろうと思っております。

今年だけでも3ブランド投入いたします。そしてゆくゆく2035年には15ブランドでもってIPOできるような会社を目指しています。


同時に日本の文化という部分に、皆さんに誇りを持っていただけるような会社になりたいです。世界的にSDGsの考え方、あるいは色々な持続可能性の高いビジネスが要求されてます。

だから、どうか若い人たちに世界で挑戦してもいいんだ、日本の文化ってこんなに素晴らしいものなんだと思って欲しいです。

ぜひ応援をよろしくお願いいたします。


宇賀:ありがとうございました。今夜のゲストは、MISAKY.TOKYO 共同創業者三木アリッサさんでした。

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