今更ながら『リチプア』を見てみる#3

「自信がある」と「自信を持つ」

この2つは、似ているようで違うと思います。
僕が目指しているのは、日向は、この「自信がある」状態にあると思います。

「自分を信じる」と書く「自信」ですが、これを「持つ」というのはつまり、
自分の外側にある、自分とは別のものを手にしている状態に聞こえます。

したがって、「他人から認められたから嬉しくて自信になった」とか、
「尊敬する社長に褒められたから自信を持つことができた」とか、
「自信」なのに他人が軸になっているような気がします。

たまには、根拠のない自信も大事だと思います。
それは、周りから来るものではなく、
自分そのものを自分が信じることで現れます。
だから「自信がある」のです。はじめから自分の中に、あるのです。

そういう人が、人を惹きつけるのだと思います。

自分がすごいことをなぜ人に認めさせなきゃいけないんだ?

日向は、インタビューを受けながらイライラしています。
「誰がつくったかではなく、どんなものがつくられたかが大事だ」
そう言いはります。

一方で朝比奈(副社長)は、「みんな不安なんだよ」と一般人の気持ちを代弁してくれています。
そう、みんな不安なのです。
だから誰かに認められたい。名声や称賛が欲しい。

正直、僕もそうです。ちやほやされたい。わーきゃー言われたい。
でも日向は、本気で自分がつくりたいと思ったものをつくり、
それが世の中をさらに良くしていくことだけに向き合っています。
それが楽しいんだと思います。
それを楽しめる人間こそが、「すごい人」なんだと思います。

こんなフェアな雇用形態はないと思うが?

3ヶ月に一度、NEXT INNOVATIONの社員たちはそわそわします。
そう、「デスメール」が来る日は朝からそわそわ。

この会社は3ヶ月毎に雇用契約を更新しています。
NEXT INNOVATIONは完全成果主義。
給料分よりも売上を上げていない社員は、容赦なくクビを切られます。

一見残酷な制度に見えますが、実は理にかなっているのかもしれません。
会社が存続するためには、利益を上げ続けないといけない。
そのため、ろくな成果も出さずに給料だけもらっているような社員は、
会社を潰す可能性があります。

不必要なものは即、損切りする。
この冷徹な判断ができるかどうかも、経営者にとっては大切なんだと思います。

ただ、朝比奈のようにしっかりとケアをする必要もあります。
相手は人間ですからね。

誰も守ってくれない、自分でやらなきゃいけないって状況でこそ、アイツは真価を発揮するんだ。

クビを切られてしまった社員、坂口。
どうしても諦めきれず、再起をかけて自作ゲームを持ち込みます。

そのゲームをプレイした日向は一言、「悪くない。」
ただ、再雇用はしない、と。

日向は坂口に起業を勧め、自らが出資者になると告げました。
坂口は目を輝かせ、日向に感謝を伝えます。

あえて突き放すのも、その人の可能性にかけている、ということになるのです。
これ、意外と難しいことだと思います。

ライオンのお母さんが、赤ちゃんを崖から突き落とすように。
日向徹が、坂口をリストラするように。

「大丈夫だ。お前のアイデアは面白い。」

最後にそう言って坂口を送り出す日向は、やはり「リーダー」だなぁと思いました。

まとめ

  • 名声や称賛はいらない。世の中のためにつくりたいものをつくる。

  • 不必要なものは即切る。情に流されず成果を重視する。

  • あえて突き放す。強くなって帰ってくることを信じる。

「二度と顔を見せるな」なんて言われたら、怖くてほんとに逃げちゃうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?