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ズレも含めて愛してよ

高校生の時、先輩のお家のお泊まり会で映画を見ることになった。私は当時大好きだった「マーズ・アタック!(ディム・バートン監督作)」を持参した。みんなに大ウケ間違いなし!と思って。

しかし…全然ウケなかった。何が面白いのかよくわからなかったとさえ言われてしまった。「何で?こんなに面白いじゃん?」とヤケになって理由を説明したけど、結局分かって貰えなかった。

でもね、薄々気がついていた。私の面白いとか好き、人とズレている。

「面白い」に関しては不安になることが本当に多い。先述の映画の件以外にも、お笑い番組で私が面白い!と思った芸人は評価が低かったり、ウケていなかったりする。なので誰かと好きな芸人の話をする時はとても慎重になる。

「好き」は皆と同じものを同じように「好き!」と言うこともあるのだけど「何でそれなの?」と言われるようなものを好きになることが多々ある。気持ち悪いと噂のゆるキャラ、シュールな漫画、普段は地味な格好をしているのに急に派手な服や鞄を選ぶことも…。これは多分、私が天邪鬼もセットで飼っているせいだと思う。流行は流行れば流行るほど選ばなくなるし(少しブームが落ち着いた頃に手を出して「お、良いじゃない!」となるタイプ)。高校生の頃はその傾向が顕著で「誰もまだ知らない名曲を見つけ出してやる!」となけなしのお小遣いでCDを買い漁っては失敗していた(基本ジャケ買い)。

そんなズレによる障害はSNSで誰かの投稿にコメントする時にも生じる。何も考えずにコメントすると「面白くないし全然分かってないコメントしてしまった!」と半日悩むことになるので、何度か推敲してから書き込んだり、結局コメントすることを辞めたりしている(優しい人には甘えて緩い感じでコメントしているけど)。

でも人と違う方向で探した物の中に本当に素敵なものがあって、のちに流行ったり、同じものが好きな人を見つけて嬉しくなったりすることもある。これはとても楽しい。また極々稀に良い具合に私のズレと相手のスタンダードが融合して、ケミストリーが起こることもある。その時は本当に面白いので、今後もこのまま色々な人に私のズレをぶつけて行きたい。奇跡を信じて(ザ・迷惑)。

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