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「ふしぎの海のナディア展」東京、真面目な感想


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どうもこんにちは、各駅停車です。
帰省を利用して念願の「ふしぎの海のナディア展」に行ってきました。
「たった1800円でこんなに楽しめていいのか!?」と驚いてしまうほどに素晴らしい展示でした。
というわけで、今回はナディア展について書こうと思います。

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「ナディア展」に関する情報

「ナディア展」で扱われる「ふしぎの海のナディア」は、『エヴァ』『シンゴジラ』を手掛けた庵野秀明監督による、初TVシリーズとして1991年まで放送されたアニメです。
「ナディア展」は、放送から30年たった事を記念して、大阪、新潟、そして東京で開催されていました。
アニメが制作される前の企画書、庵野監督によるメモ、イメージボードや設定など、「ナディア」を当時の資料から深掘りする唯一無二の機会となっています。
今回僕が行った東京会場は、スカイツリーの真下、東京ソラマチの5階で開催されていました。

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(公式サイト→ https://www.nadia-exhibition.com/)

「ナディア展」内容について

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ナディア展の入り口にはまずキャラクターの等身大パネルが飾られていました。
展示会場に入ってまず見ることができるのは、キャラクターデザインを務めた貞本義行や、絵コンテやメカニックの作画監督を務めた増尾昭一の美麗なイラスト達です。
撮影禁止なのが非常に残念でした。
その後、撮影可能なオープニングエリアに入ります。巨大なスクリーンに映されたオープニング映像をバックに、ブルーウォーターが展示されていました。

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また、庵野秀明の文字の入った脚本や、

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オープニング映像のセル画、

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絵コンテなどがありました。

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オープニングコーナーを抜けると、全て撮影禁止ゾーンになっていました。
そこからは時系列にそって原画や設定を並べて、アニメを追体験するコーナーに入りました。
アニメを追体験するコーナーでは、ジャンとナディアが案内音声をやっており、次の展示へと誘導してくれました。日高のり子の声が良い…
そして最後に物販がありました。ステッカーやクリアファイル等の雑貨が並ぶ一方で、ブルーウォーターの宝石や複製原画といった高価なものも売られていました。
「会場内にATMはない」という案内表示にいい意味で恐ろしさを感じました。大人になって購買力を手に入れたオタクは怖い...。

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「ナディア展」の感想

まとめて書くとややこしくなりそうなので、思ったことを三つに分けて書きます。

感想①『ナディア』が色々な人に愛されているということ

これは展示会場に着いた時からなんとなく体感していたことです。
展示を見にきている人達は、
・ナディアを当時TVで見ていた現役世代の人
・顔つきがたくましい往年のアニメファン
・子供と一緒に来ている女性
・展示を何周もする熱意が凄まじい外国人
と多様でした。
僕のような『エヴァ』から監督繋がりで『ナディア』を知った若輩でも気軽に楽しめる雰囲気になっていて、とても心地よかったです。
会場の雰囲気に包まれていくうちに、「もしかして自分は1991年にリアタイでこのアニメを見ていたんじゃないか」という錯覚に襲われました。

②『ナディア』を作ったアニメーターが実在するということ

この2つ目の感想は、全く当たり前のことなのですが、何故か奇妙な納得感を持って浮かんだ考えです。
先日行った「ゆるキャン△展」という別の展覧会の時もそうだったのですが、実際にアニメの原画や設定を見ることで「こんな素晴らしいものを作った人が本当に実在するんだ…」と驚きました。
丹念に書き込まれたナディアの機敏な動きや、ν-ノーチラス号の迫力あるバトルが、アニメーター達の途方もない努力によって作られているということをしみじみ感じました。
また、僕が原画やセル画を見て考えたのは、「アニメーターがうまい絵を描き続けることの凄さ」です。
『映像研には手を出すな!』という漫画では、この様なセリフが出てきます。

アニメーションの絵は
「動きを描く手段」
だから、お絵かき500枚と動画500コマは違うんだよ!

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原画の一枚一枚を切り取って見るだけでも素晴らしいのに、『ナディア』をアニメとして完成させるには、絵のクオリティを保ったまま動画を描き続ければならない…
アニメーター達の凄さを身をもって体感しました。

感想③『ナディア』を純粋な作品として消化出来たということ

三つ目は僕のアニメ遍歴と関連しています。なのでかなり個人的な感想になってしまいます。ごめんなさい。
僕はそもそも『エヴァ』シリーズ、そして『エヴァ』を作った庵野秀明という監督が好きでした。
だから、『ナディア』を見始めたのは、単に「『エヴァ』の監督が作った作品だから」というだけで、作品自体に興味があったわけではありませんでした。
だから、今年の4月に『ナディア』を見た時も、作品そのものを楽しむというよりもむしろ、『エヴァ』っぽいものを見つけて喜ぶといった態度をとっていました。
例えば、エレクトラさんの服がプラグスーツに似ていたり、ν-ノーチラス号がAAAヴンダーの元であったり、古代アトランティス人の作ったアダムが『エヴァ』の使徒そのものであったりすることに狂喜していました。

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しかし、公式画集『メモワール』やCD『THE SECRET OF BLUE WATER』『ヴォーカルセレクション』をまんだらけで買い漁り、『ナディア』の原作の『海底二万マイル』を読んでいくにつれ、段々と自分の中で『ナディア』から『エヴァ』のイメージが脱色されてゆきました。

そして、今回のナディア展によって僕はようやく『ナディア』そのものを見れた気がします。
極めて個人的な感想になってしまいましたが、ナディア展を振り返ってこのことが強く心に残っています。

終わりに

今回のナディア展で、自分の中の『ナディア』について一つ区切りがついた気がします。
10月1日から国立新美術館で行われる庵野秀明展も楽しみでなりません。
胸の奥のもどかしさどうすればいいの…

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